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2015年5月25日月曜日

書評 『それでも戦争できない中国-中国共産党が恐れているもの-』(鳥居民、草思社、2013)-中国共産党はとにかく「穏定圧倒一切」。戦争をすれば・・・


『昭和20年』というライフワークを完成させることなく2013年に亡くなった民間史家・鳥居民氏の遺作である。日本・米国そして中国。この日米中の三カ国の絡み合いを独自の視点で探求してきた人の中国関連の著作である。

2007年時点の情報で書かれた遺作なので、その後の推移については触れられていない。だが、基本的な分析と中華人民共和国=中国共産党の構造は変わらないだけでなく、中国を蝕む汚職と腐敗はさらに進行し、最後の切り札である習近平をもってしても、完全な解決とはほど遠い状態に近づいている。

だからこそ、崖っぷちに立つ中国に残された唯一のカードが、東シナ海の尖閣や南シナ海における「軍事的挑発」活動なのである。

著者の独自の視点とは、建国以来の中華人民共和国の歴史を振り返り、朝鮮戦争も台湾への攻撃も、「亡党亡国」を恐れた毛沢東による熾烈な権力闘争を隠蔽するための戦いだったと見る点にある。尖閣問題もまたその行動原理があるのだ、と。

だから中国共産党の挑発に乗ってはいけないのである。ケンカも戦争も、先に手を出したほうが国際的な非難を浴びることになる。ルーズヴェルトの挑発に乗せられて、大東亜戦争に突入した日本は、「隠忍自重」を貫かなくてはならないのである。これが歴史に学ぶ賢者の道である。

すさまじい勢いで貧富の格差が拡大し、一人っ子政策をやめても少子高齢化が止まらない中国。これを端的に表現したのが「未富先老」という四文字熟語である。「いまだ富まずして、先に老いゆく」中国。

中国は戦争などできる状態ではないのである。戦争になったら、間違いなく中国共産党は滅びる。中国共産党=中華人民共和国である以上、「亡党亡国」となるのは必定なのである。

習近平による「虎も蠅も叩く」というスローガンのもとに行われている腐敗撲滅運動だが、はたして濡れ手に粟のスーパーリッチ層を全面的に敵に回すことが可能だろうか? それこそ虎の尾を踏むことになるのではないか?

本書には、海外とくに米国への資本逃避についての言及はないが、すでに世界の二大超大国となた中国と米国の経済関係が切り離せないほどに密接となっており、しかも軍事力にかんしてみれば、米国の圧倒的な実力を熟知している中国としては、戦争に踏み切るオプションはないと考えるのが当然というべきだろう。

中国共産党はとにかく「穏定圧倒一切」なのである。安定と現状維持が一切すべてを圧倒するのである。

中国共産党の基本姿勢である「穏定圧倒一切」、中国の現実である「未富先老」。この2つのキーワードをアタマのなかに刻み込んでおけば、中国共産党=中華人民共和国の行動パターンをある程度まで「想定内」のものにできるだろう。

いずれにせよ、挑発に乗ってはいけない。これが「戦後70年」目の日本と日本国民が肝に銘じなくてはならない歴史の知恵である。






目 次

はじめに
1 「亡党亡国」の恐怖-ソ連はどうして崩壊したのか。中国共産党はそれから何を学んだのか
2 「穏定」こそすべて-中国共産党指導部は戦争を仕掛けるのか。だれがそんなことを考えているのだろう
3 毛沢東の猜疑心-どうして中国は朝鮮戦争に介入したのか。毛沢東の猜疑心が原因だった
4 金門砲撃戦の虚構-「相手が福州、杭州などを攻撃してくれば、まことに面白い」と毛沢東は言った。その真意は
5 総統選とミサイル演習-李登輝を落選させようとしたのではない。かれに戒厳令を布かせ、台湾が民主化するのを阻止しようとしたのだ
6 つぎの統一戦線工作-尖閣諸島を利用して、台湾を「反日・親中」にする。中国が馬英九にやらせること
7 「未富先老」の宿命-「穏定圧倒一切」を変える利益はどこにもない。人口統計学が予測していること
8 百人のスーパーリッチ-第十七回党大会の真の勝者はだれだったのか。圧力団体の登場で、明日の中国は

鋭い論法、深い内容に支えられた文章(中嶋嶺雄)
鳥居民●著作一覧
『産経新聞』「正論」欄の中国時評一覧

著者プロフィール
鳥居民(とりい・たみ)
1928年東京生まれ、横浜で育つ。2013年1月逝去。膨大な資料を渉猟し、徹底した調査、考察をもとに日本および中国近現代史を鋭く洞察した独自の史観を展開。2005年『産経新聞』正論メンバーに加わり、同紙「正論」欄で中国時評等に健筆をふるう。著書に『毛沢東□五つの戦争』『「反日」で生きのびる中国』『横浜山手』『横浜富貴楼□お倉』『日米開戦の謎』『原爆を投下するまで日本を降伏させるな』他。ライフワークとなったシリーズ『昭和二十年』は第1部は13巻まで上梓したが未完に終わる。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものを編集)。



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(2012年7月3日発売の拙著です)











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