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2015年10月29日木曜日

映画 『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(ドイツ、2015年)をみてきた(2015年10月28日)-失敗に終わったヒトラー暗殺を単独で計画し実行した実在のドイツ人青年を描いたヒューマンドラマ


映画 『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(ドイツ、2015年)をみてきた(2015年10月28日)。東京・日比谷のTOHOシネマズシャンテにて。

ヒトラー暗殺を単独で計画し実行した、実在のドイツ人青年ゲオルグ・エルザーを描いたヒューマンドラマである。

だが残念ながら、ヒトラー爆殺そのものは失敗に終わった。時限爆弾に設定した時間の13分前にヒトラーは演説を切り上げ、会場を後にしていたからだ。それが日本公開タイトルの「13分の誤算」という意味だ。原題は ELSER(エルザー) とじつにそっけない。

こんな人物がいたのかという驚き、未遂に終わったとはいえヒトラー暗殺計画を背後関係なくすべて単独で実行した者がいたのだという驚きでいっぱいである。

暗殺未遂事件はじっさいに1939年11月8日にあったものだが、その後ながく世に知られないままだったという。実行犯であるゲオルグ・エルザー(36)は警察に逮捕されたのち、1945年5月のドイツ敗戦を目前にして、ひそかに獄中で処刑されていたのだが、証拠隠滅のため処刑命令書が直後に廃棄されたためである。

「13分の誤算」の代償はきわめて大きなものについたことは、主人公にとってだけでなく、映画を見る者にとっても、まさに痛恨としかいいようがないだろう。国防軍将校たちによるヴァルキューレ作戦(1944年)などのヒトラー暗殺計画がみな失敗に終わった結果、結局は破局まで突き進んでしまったからである。


主人公のエルザーはドイツ南西部ヴュルテンベルク州の田舎町に生まれ育った家具職人。機械いじりが巧みで、アコーディオン演奏も得意だった彼は、ごくごくフツーの青年であった。

だが、彼は「自分のアタマで考え、自分で行動する」人間であった。ナチス支配の強化によって、世の中から自由が失われ行く状況のなか、このままでは大変なことになってしまう先見性と危機感が彼を突き動かすことになる。時限爆弾を仕掛けてヒトラーを暗殺するという決意に至り、綿密な計画のもとに実行したのである。

国家社会主義ドイツ労働者党(=ナチス)が単独過半数を握るまで、対極的位置ににあって激しく対立していたドイツ共産党のシンパではあったが党員でなかったエルザー。暗殺計画にはいっさいの背後関係はなく、恋人も含めて親しい者にもいっさい漏らさず、完全に単独犯として実行する。

戦前の左翼ドイツ青年エルザーの存在で想起するのは、戦後日本の単独暗殺者であった山口二矢(やまぐち・おとや)という17歳の遅れてきた右翼少年のことである。ともに自分ひとりで思いつめた末に暗殺を決行した単独犯であったが、後者の日本人単独暗殺犯は、巻き添えの犠牲者なし当時の社会党党首を相対で刺殺したのであった。

左翼の家具職人は時限爆弾での暗殺を計画し実行する。そして失敗に終わった暗殺計画の結果、ヒトラーとは無関係の一般市民が8人も爆弾の道連れとして犠牲者としてしまう。はたして大義さえあれば殺人は許されるといえるのだろうか? 主人公エルザーには良心の呵責はなかったのだるか? 主人公への全面的な共感をためらうものがここにあると感じるのは、わたしだけではないのではないだろうか。

事実関係には忠実に、ただし主人公の私生活にかんしては脚色があると断り書きが映画の末尾にでてくるが、主人公の心の奥底にあったものは、本当はいったいなんであったのだろうか。映画を見終わったあとも考え続けてしまう。

独裁者の暗殺が成功して体制の転覆に成功すると、暗殺者は新体制において英雄として賞賛されることになる。だが失敗した暗殺者は、テロリストの汚名を着せられることになる。これが世の中の評価というものだ。

はたしてドイツ青年エルザーは英雄であったのかテロリストであったのか、この映画をみても評価はきわめて難しい。ヒューマンドラマとしては見応えのある映画ではあることは間違いないのだが・・・。







<関連サイト>

映画 『ヒトラー暗殺、13分の誤算』  公式サイト 

ヒトラー暗殺をいち早く企てた男の正体とは? 『ヒトラー暗殺、13分の誤算』の衝撃 (日経トレンディネット、2015年10月16日)

ELSER Trailer German Deutsch [2015] (ドイツ語版トレーラー YouTube)





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(2012年7月3日発売の拙著です)










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