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2019年5月2日木曜日

『ウィーン・モダン』と『クリムト展』に行ってきた(2019年5月2日)ー 六本木から上野まで美を求めて東京都内の美術館を「はしご」


「10連休」後半の5月2日にがは、東京都内で美術館めぐりした。というよりも美術館の「はしご」。移動はすべて東京メトロで行った。

まずは、六本木の新国立美術館「ウィーン・モダン」。つぎに上野の東京都美術館に移動して「クリムト展」。そのあと、丸ノ内の三菱第一号館美術館に移動して「ラファエル前派の軌跡展」

「ウィーン・モダン-クリムト・シーレ 世紀末への道」は、「日本・オーストリア外交樹立150周年記念」。「クリムト展」は、「ウィーンと日本 1900」。ともに中心になるのは「世紀末ウィーン」を代表する画家グスタフ・クリムトの作品。

「ウィーン・モダン」と「クリムト展」は、あわせて一緒に見るべきだろう。後者は「過去最大級」を謳っているものの、前者でしかみれない作品が多々あるからだ。 ポスターにも登場する「エミーリエ・フリーゲの肖像」(1902年)は、「ウィーン・モダン」の目玉である(*この作品は、館内で唯一写真撮影可能だ)。



やたら女性モデルに手を着けた結果、子どもが14人もいたという手癖の悪いクリムトにとって、自立した女性のエミーリエ・フリーゲは、精神的な意味でパートナーであったという。

クリムトの全体像を知るには、背景知識が欠かせない。現在のわれわれが知っているクリムト作品につながる寓意(アレゴリー)作品、建築やポスターに代表される「分離派」を知ることが、理解に厚みを増す。ウィーンに現在でもある「分離派会館」はそのために作られた建築物だ。

時代背景には、オーストリアもその一部であるドイツ語圏の「アールヌーヴォー」(新美術)である「ユーゲントシュティール」(青年様式)があった。クリムトが制作した「分離派展」のポスターの数々は、ユーゲントシュティール様式である。


(乃木坂駅から新国立美術館の入り口につづく回廊にて)

植物をモチーフにすることの多い「ユーゲントシュティール」も、金箔を多用したクリムトの絵画も、ともに日本美術の影響があきらかだ。ウィーンで1873年に開催された万国博覧会には、近代化に踏み出した明治日本も出品しており、そこから「日本ブーム」が始まった。フランスだけではなくオーストリアもそうだったのだ。


(「ヌーダ・ヴェリタース」(裸の真実)(1899年)

だが、ウィーンの宮廷では、啓蒙専制君主の女帝マリア・テレジアが、「鎖国」時代の日本に特注して取り寄せた「蒔絵」と「日本の漆器」の大ファンで、フランスのルイ16世に嫁がせた娘のマリー・アントワネットにも愛用の漆器の数々をもたせたことを記しておかねばならない。「日本ブーム」の素地は、もともと18世紀のオーストリアやフランスにはあったのだ。美術展ではそこまで触れていないが、背景のさらなる背景として知っておきたい。


新国立美術館のほうは、朝イチで入場した、比較的ゆっくりと見ることができたが、昼前にいった東京都美術館は、ものすごい人だった。まあ、連休中だから仕方ないねえ。隣の上野動物園よりはすいているとは思うけど。

ずいぶん昔から「世紀末芸術」とクリムトのファンの私は、ウィーンには何度も行っており、現地の美術館で鑑賞している。クリムトは、変態(?)扱いされがちであり、かつてはあまり一般的ではなかったので、隔世の感がある。その点は、日本人も成熟したのかな?


(クリムトの壁画「ベートーヴェン・フリーズ」(1901・1902年)の一部)

この2つの美術展はセットで見るべきだが、もちろん「世紀末ウィーン美術」はクリムトだけではない。クリムトも高く買っていたエゴン・シーレやオスカー・ココシュカもそうだが、「ウィーン・モダン」(新国立美術館)で今回はじめて見ることのできたマクシミリアン・クルツヴァイルの「黄色のドレスの女」(1907年)もすばらしい。華やかで鮮やかな色彩と、翅(はね)を開いた蝶のような構図の見事な融合である。


(「黄色のドレスの女」(1907年)Wikipediaより)

『ウィーン・モダン』は、2019年4月24日から8月5日までだが、同時期の4月23日に始まった『クリムト展』は、7月10日までの会期である。この2つの美術展は一緒に見るべきなので、会期が終了する7月10日までに訪問しておきたい。

当日(2019年5月2日)は、世紀末ウィーンとクリムト関連の2つの美術展に行っただけでなく、それに加えて三菱第一号館美術館に移動して「ラファエル前派の軌跡展」を見に行ったのは、英国美術の「ラファエル前派」もまた、ずいぶん昔から私の大いなる好みだからだ。

美術にかんするテイストというのは、おおよそ若いときに決まってしまうようだ。だからこそ、若いときに、できる限りホンモノの美術にたくさん触れることが大事。これに尽きるのではないかな、と思う。


その点、日本は世界中の美術作品が見れる好立地である。もちろん、機会があれば若くて感受性が高いうちに、世界の美術館めぐりをするのがベストではある。

三菱第一号館美術館に移動して鑑賞した「ラファエル前派の軌跡展」については、つづけて書くことにする。 
⇒ https://e-satoken.blogspot.com/2019/05/201952_4.html






<関連サイト>

『ウィーン・モダン』は、2019年4月24日から8月5日まで
『クリムト展』は、2019年4月23日から7月10日まで



<ブログ内関連記事>

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・・裕福なユダヤ系ブルジョワジー一家の運命。「黄金のアデーレ」はクリムトによる肖像画「アデーレ・ブロッホ=バウワーの肖像」(1907年)

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・・クリムトは、パトロンであったヴィトゲンシュタイン家のルートヴィヒの姉の肖像画を描いている

書評 『ヒトラーのウィーン』(中島義道、新潮社、2012)-独裁者ヒトラーにとっての「ウィーン愛憎」

書評 『向う岸からの世界史-一つの四八年革命史論-』(良知力、ちくま学芸文庫、1993 単行本初版 1978)-「社会史」研究における記念碑的名著
・・失敗に終わった「1848年革命」をウィーンを舞台に描く。この革命で「メッテルニヒ体制」は崩壊した

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東京で日本美術関連の美術展の「はしご」を3館(2017年11月4日)-『ゴッホ展』(東京都美術館)・『北斎とジャポニスム』(国立西洋美術館)・『江戸の琳派芸術』(出光美術館)


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