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2021年4月5日月曜日

書評『世界はこのままイスラーム化するのか』(島田裕巳/中田考、幻冬舎新書、2015)― 2030年代には世界人口の 4人に1人 はイスラム教徒になる

 


出版された2015年は、「自称イスラム国」が大問題となっていた頃だ。

データで確認したわけではないが、おそらくこの頃が日本における「イスラム関連書籍」ブームの、もっとも直近のピークとなっていたのだろう。 


■宗教学のバックグランドをもつ世代の異なる2人の対話

私自身は、高校2年のときに遭遇した1979年の「イラン・イスラム革命」に衝撃を受けた世代だが、私より2歳年上の中田考氏もまた、ある意味では同世代といっていいかもしれない。 

この世代にイスラム研究者が多いのはそのためだが、ムスリム(=イスラム教徒)になった人は珍しい。東大のイスラム学科の第1期生の中田考氏は大学在学中に入信しているらしい。 

中田氏が実質的にデビューしたのは、2001年の「ニューヨーク同時多発テロ」でアルカーイダが一躍有名になってからだ。『ビンラディンの論理』(小学館文庫、2001)『イスラームのロジック アッラーフから原理主義まで』(談社選書メチエ、2001)で、私はその存在を知った。その後も旺盛な執筆活動を行っているが、日本人のイスラム法学者は現在でも希少な存在である。

中田氏が展開するロジックは明解であるが、あくまでも原理原則としての「理念型」としてのイスラームについて語っていると考えるべきであろう。実際のイスラーム世界がすべてその理念型で動いているわけではない。

イスラーム学者のいうことは、あくまでも1つの学説であって、当然のことながら中田氏とは異なる説を主張するイスラーム学者もいる。

そんな中田氏にとって、1995年の「オウム事件」でバッシングされつまづいた宗教学者の島田裕巳氏は、1世代上の先輩にあたるのだそうだ。在学中の接触はなかったようだが、宗教学をバックグラウンドにしているという共通点がある。 

イスラム法学者である中田氏がその代表である護教論の立場に対し、イスラムもその1つとして含めた宗教全般を研究する島田氏の立場に違いがある。とはいえ、島田氏の妹がムスリムのトルコ人と結婚しているので、生活レベルのイスラムの実態はよく知っているらしい。 

共通点と相違点をもつ両者は、ともに博識なのでこの対談はじつに内容が濃い。すでに5年以上前のものなので、時事的テーマにかんしては古くなっている点もあるが、面白い指摘がたくさんあるので、現在でも読む価値はあるといえよう。 


■「世界はこのままイスラーム化する」わかではないが確実にその方向にある

タイトルは「世界はこのままイスラーム化するのか」と、かなりセンセーショナルなものになっている。 

だが、人口増加率の高いイスラム教徒は、2030年代には世界人口の1/4に達するのである以上、現状のままでもその方向にあることは否定しようないことだ。 

そんな世界のなかで「非ムスリム」の日本人がどう生きていくか。喫緊の課題とはいえないが、中長期的に考えておかなくてはならないテーマである。

本書では、残念ながらそこまで触れられていない。日本でもムスリム人口が増加傾向にあるとはいえ、まだまだ可視化が限定的だからであろう。 

まずはイスラームにかんする基本的な知識を身につけることから始めるしかないのである。現時点ですら、あまりにも低レベルの認識にとどまっているのが日本の現状だからだ。 


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目 次
序章 イスラーム化する世界のなかで 
第1章 イスラームの基本 
第2章 イスラームは危険な宗教なのか 
第3章 なぜカリフ制が重要なのか 
第4章 イスラームは気前がいい 
おわりに 




・・この記事では、タイ人ムスリムを中心に書いてある。


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