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2021年4月24日土曜日

「特集展示 海の帝国琉球 ー 八重山・宮古・奄美からみた中世」(国立歴史民俗博物館)に行ってきた(2021年4月24日)ー ひさびさに佐倉城址にある国立歴史民俗博物館と城下町佐倉を散策

 
久しぶりに国立歴史民俗博物館に行ってきた。5年ぶりくらいか? 

国立歴史民俗博物館は千葉県佐倉市にある。京成電鉄の京成佐倉駅から歩いて15分ほど。船橋市の隣が八千代市、その隣が佐倉市なので千葉県内移動である。佐倉市は「マンボウ」(=まん延防止等重点措置)の適用外だ。 

まずは観光案内所で無料の「観光地図」をもらう。これは観光目的での来訪では基本動作ともいうべき常識だ。城下町佐倉は観光地でもある。スマホの地図アプリは、あくまでも補助手段である。全体像を捉えるには観光地図が適している。

朝イチで出発したので、歴博に到着した時点ではまだ9時半の開館前だった。つまり本日の一番乗りとなったわけだ。

だが、コロナのせいで入館記録を紙に書いて提出というのが面倒だったな。 デジタル対応できないものかねえ。


■「特集展示 海の帝国琉球-八重山・宮古・奄美からみた中世-」

今回の来訪の最大目的は、「特集展示 海の帝国琉球-八重山・宮古・奄美からみた中世-」(国立歴史民俗博物館)を参観することにあった。展示期間は、2021年3月16日から5月9日まで。

国立歴史民俗博物館のウェブサイトから特集展示の紹介文を引用しておこう。

早くも14世紀代から東アジア海域世界では活発な交易がおこなわれていました。その中心となったのが海洋国家・琉球です。
琉球王国の輝ける時代は、これまでもしばしば紹介されてきました。ただ、琉球はその活動の過程で、言語も習俗も異なる周辺の島々、八重山・宮古・奄美に侵攻し、それぞれの社会を大きく変化させたこと、このことで現在の日本国の国境が定まっていることは、あまり知られていません。
文献資料がほとんど残っていないこれらの地域の歴史は、琉球王国によって作られた歴史書をもとに語られてきました。しかし島々を歩くと、ジャングルの中には当時の村が遺跡として眠っており、そこからは大量の陶磁器が発見されます。琉球王国とは別の世界が、そこには確かにあったのです。
これまでほとんど注目されてこなかった琉球の帝国的側面に視点を据え、八重山・宮古や奄美といった周辺地域から琉球を捉え直します。国立歴史民俗博物館では、2015年からこうした共同研究を実施してきました。この展示は、その成果を公開するものです。たくさんの青磁や白磁、国宝の文書や重要文化財の梵鐘、屏風や絵図など400点を超える資料から、新たな歴史像を示します。(*太字ゴチックは引用者=さとう)


江戸時代に入った「近世」の17世紀以降は、薩摩藩の実質的支配下「琉球王国」だが、それ以前には周辺の島々を侵略して支配下に置いた「帝国」的存在でもあった。 

沖縄本島の支配下に入る前には、独自の文化と歴史をもっていた島々を、文字資料として残されていない、出土品などの考古学の対象であるモノを中心にたどる試みが興味深い。 

(パンフレットより)

とはいえ、私にはとっての最大の関心は、中国の朝貢国としての琉球王国にある。展示の「Ⅵ 中国と日本のはざまで」である。

(同上)

その意味では、なんといっても、「康煕帝賜琉球国王尚貞勅諭写」(宮内庁書陵部蔵)がたいへん興味深いものであった。まさに逸品である。こんな機会でもなければ実際に目にすることはなかなかないだろう。

康煕28年(1690年)10月10日付けの文書である。清朝の康煕帝が、琉球王国の中山王尚貞の朝貢を褒めた返答の勅諭文書の巻物。琉球王国は、明清交代後も清朝から冊封され、明治維新政府による琉球処分(1879年)まで続いていたのである。

(画像を左に回転 上半文が巻物の右側、下半分が巻物の左側)

画像では小さすぎてわかりにくいが、文書の右半分は漢文、左半分はおなじ内容が満文で記されている。縦書きである。

満文とは満洲語の文章のことだ。満洲語は、清朝の満洲族(=女真族)の母語である。モンゴル語と似た文字である。

原本の精密な複製が江戸幕府の書庫である「紅葉山文庫」に収められ、現在は宮内庁書陵部に所蔵されているという。

それにしても原本を細部に至るまで正確に復元したその手際の良さにも感嘆する。漢文は言うまでもないが、満文を理解できる担当者が朝貢関係にあった琉球王国にいたことを示している。おそらく久米村(くめそん)に定住した福建省の人間だろうが、そこらへんはもっと知りたいところだ。

将軍吉宗(在職期間:1716年~1745)も閲覧していることが記録に残されているという。吉宗はこの文書を実見した際、満洲語の文字を見て、清帝国が漢民族王朝ではないことを実感したことであろうと想像してみる。


■「民俗」の展示室の「アイヌ文化へのまなざし」という特集展示



スコットランド出身の医師ニール・ゴードン・マンロー(1863~1942)がアイヌ研究の過程で作成した写真資料やクマの魂を神の国に送る儀式(イヨマンテ)の映像を中心に」した展示である。モノクロ映像に残されたイヨマンテが興味深い。

それにしてもマンローという人物についてはまったく知らなかったが、そんな奇特な人がいたのだなあ。1930年以降は、研究活動の拠点を北海道の二風谷(にぶたに)に移して、医療活動を続けながらアイヌ文化を参与観察によって研究したらしい。晩年は日本国籍を取得したとのことだ。

この展示を目的に来訪したわけではないが、奇しくもこの時点の歴史民俗博物館は、日本列島の南北を展示していることになっていたわけだ。


■リニューアル後の「第1展示室」の「先史・古代」

さて、歴史民俗博物館にはひさびさの来訪だが、「第1展示室」の「先史・古代」が36年ぶりにリニューアルされたとのことで、ひじょうに新鮮に感じられた。 

それ以外の展示は大きな変化はないので、いちおうざっと見ることにとどめておいたが、それでも博物館には3時間も滞在してしまった。全部細かくみようと思ったら半日は覚悟したほうがいいだろう。 

歴博の楽しみはもう1つある。ミュージアムショップで全国の博物館の常設展示や特別展示のカタログを購入することができることだ。 5年ぶりくらいなので、存在すら知らなかったカタログも多い。今回は、そのなかから5冊を購入。博物館カタログは貴重な資料である。 


■城下町佐倉は「マンボウ」適用外(2021年4月24日現在)

歴博は、佐倉城址にある。江戸時代は佐倉藩の城下町であった。明治時代になってからは佐倉連隊の駐屯地、その後は歴博のほか、佐倉城址公園として一般市民に公開されている。 

ちなみに江戸時代になってからできた佐倉城は石垣のない城で、天守閣は現存しない。城好きにとっては視野の外かもしれない。 

とはいえ、城下町佐倉は武家屋敷が残っていて、けっこう風情がある。以前に散策したことがあるが今回は省略した。 

麻賀多神社には、ひさびさにお参りしてきた。麻賀多(まかた)とは珍しい名称だが、千葉県の佐倉市から成田市にかけての地域にだけ分布している神社である。佐倉市内の麻賀多神社は、佐倉藩総鎮守とされてきた。 

(麻賀多神社 筆者撮影)

というわけで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)下での3度目の「非常事態宣言」の発令前日に小旅行を実施したわけだが、千葉県佐倉市は「マンボウ」すら適用外なので、ぜんぜん関係ないんだけどね(笑) 

(八千代市の右隣が佐倉市 画像は千葉日報の記事よりスクショ)

したがって、歴博(=国立歴史民俗博物館)も入場制限などないと思うので、事前にウェブサイトで確認したうえで連休中には佐倉を訪れてみたらよろしいでしょう。 




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