『ロシア語だけの青春』(黒田龍之介、ちくま文庫、2023)を一気に読んだ。じつにいい本だ。
自分が打ち込めるものを探していた著者は、消去法でロシア語にたどりつく。高校時代からロシア語にのめり込んだ著者。最終的に見つけた居場所が「ミール・ロシア語研究所」。東京の代々木の雑居ビルに入居していた小さな教室だった。
そのロシア語の教授法が、なまなかではないのだ。ひたすら短文を声に出して読み、暗唱することの繰り返しである。これこそが「使える語学」の王道なのだ。使えなければ語学学習の意味はない。
語学学習は暗唱に限るというのは大いに同感する。フレーズごと、文章ごと覚えてしまえば、自由自在に応用が効くようになる。
すくなくとも自分はそうやって英語をものにした。さすがにロシア語はそこまでの熱意がなかったので、いまだだに・・・。
ロシア語の学習法の本ではあるが、いまはなき「ミール・ロシア語研究所」を舞台にした青春記である。高校時代から大学時代、そして大学院、社会人にいたるまでのロシア語にのめり込んだ熱い日々。
著者とは同世代に近いわたしは、同時代人でありながら、異なる人生を生きてきた著者の語る内容に、共感しながら一気に読んでしまった。
著者プロフィール黒田龍之助(くろだ・りゅうのすけ)1964年東京生まれ。上智大学外国語学部ロシア語学科卒業、東京大学大学院修了。東京工業大学助教授(ロシア語)、明治大学助教授(英語)を歴任。現在、神田外語大学特任教授、神戸市外国語大学客員教授。著書多数。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)
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