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2025年12月13日土曜日

エリザベス・キューブラー=ロスの『死ぬ瞬間』(On Death and Dying: 死と死にゆくことについて)は、「受け入れがたいものを受け入れる」ための心理的プロセスを解明した現代の名著

 


エリザベス・キューブラー=ロスの『死ぬ瞬間』(On Death and Dying:  死と死にゆくことについて)は、まさに名著。1969年に出版されてベストセラーになり、現在でも広く読み継がれてきたロングセラーである。

自分は20歳台の終わりから30歳台の前半にかけて、読売新聞社からでていた旧版の日本語訳で読んで、大いに感じることがあった。 

その『死ぬ瞬間』が NHK・ETVの「100分で名著」で取り上げられていることを遅ればせながら知った。しかも指南役は宗教学者の島進進教授。スピリチュアルという側面が大事だからだ。




医者として末期患者に接してきたキューブラー=ロスが発見した「死の受容五段階」は、末期患者に対してどうターミナルケアを行えばよいか、大きな示唆を与えてくれるものだ。

「死の受容五段階」とは、「否認」「怒り」「取引」「抑うつ」「受容」の5段階を指している。ただし、かならずしもこの順番通りに進むわけではなく、行ったり来たりすることもある。

 「見たくない現実」、「耳にしたくない現実」、その「受け入れがたい現実」を最終的に受け入れるまでにはプロセスがあるのだ。




これは「受け入れがたいものを受け入れる」ための心理的プロセスとして、個人レベルでも、組織レベルでも応用可能である。

その意味でも、わたしにとって大いに意義ある名著なのだ。番組視聴にとどまらず、ぜひ『死ぬ瞬間』を手にとって読んでみてほしい。



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2025年12月8日月曜日

東京都区内の河川で「天然うなぎ」を初めて見た!(2025年12月8日)

 

 けさのことだが、東京都区内の河川で「天然うなぎ」を初めて見た。 

「あれはなんだ?」という声がしたので、川底を覗きこんでみたら、「うなぎ」ではないか! それもかなり太いぞ。 

どうやら水のないところに迷い込んで、動けなくなってしまったようだ。 

うなぎの幼魚であるシラスが太平洋の向こうからやってくるのだから、東京湾に面した河川に「天然うなぎ」がうてもまったく不思議ではないわけだが、東京都区内の河川に「天然うなぎ」がいるのだなあ。 

「養殖うなぎ」は「うなぎ屋」の店先で見ることはあっても、自然環境のなかで生きている「天然うなぎ」を見たのは初めてだ。なんだかすごく興奮した。 



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2025年11月29日土曜日

書評『医療者のためのウェルビーイング・マネジメント』(松下博宣、日本看護協会出版会、2025)― 「ウェルビーイング」ということばを上滑りな流行語にしないために

 

『医療者のためのウェルビーイング・マネジメント』(松下博宣、日本看護協会出版会、2025)という本を著者からいただいた。まずは、この場を借りてあらてめてお礼申し上げます。  

内容はタイトルのとおりであり、社会科学の立場からの医療マネジメントにおける「ウェルビーイング」をどう実践するかの手引き書である。 

狭い意味での医療関係者ではなく、医療を受ける側にすぎないわたしにとっても、「ウェルビーイング」と「マネジメント」の組み合わせは、自分のなかで響くものがあった。 



■「ウェルビーイング」ということばを上滑りな流行語にしないために

最近よく耳にするようになった「ウェルビーイング」(well-being)は英語圏から生まれた概念であり、文字通りの意味は「よき状態」のことをさしている。稲盛和夫流にいえば「物心両面の幸福」につながるものがあるといっていいだろう。 

ドイツ語圏でも「Wellbeing」とそのまま英語でつかわれているように(・・ただしドイツ語なので名詞も大文字で始まる)、日本でもカタカナ語の「ウェルビーイング」として流通している。 

タイトルにもなっている「ウェルビーイング」だが、著者はカタカナ語特有の上滑りを警戒している。日本語の文脈できちんと受け止め位置づけることが、ウェルビーイングを医療現場で実践するために必要なのではないか、と。 

著者が提唱するのは、「いきいき」という日本語の「やまとことば」だ。「いきいき」とは「いき」を2つ重ねあわせたものだが、そのやわらかい響きは耳に心地よいだけでなく、本質にずばり迫ったたものだといってよいだろう。 

「いき」をしているから人は「生きて」いるのであり、「いき」が止まれば人は死ぬ。「いき」をするのは物理的な状態であり、「いきいき」となると精神的な状態が表現されることになる。

したがって「いきいき」とは、まさに物心両面の幸福状態を意味しており、日本流の「ウェルビーイング」となるわけだ。 



■「ウェルビーイング」は仏教と親和性が高い

本書は三部構成になっている。「1章 教養編 ウェルビーイングのためのリベラルアーツ」、「2章 応用編 ウェルビーイングを “見える化” する」、「3章 実践編 マネジメントへの展開」である。  

「教養編」を最初にもってきたことが重要だ。表紙カバーの裏には英文で「Liberal Arts Application Practice」とあるように、「リベラルアーツ」(≓ 教養)の裏付けのある「プラクティス」(=実践)こそが重要なのだ。 

全体を一読して思ったのは、英語圏で生まれた「マインドフルネス」が仏教、とくにテーラヴァーダ(=上座仏教)の瞑想法から宗教的要素を抜き去ったものであるように、「ウェルビーイング」もまた、仏教とはきわめて親和性が高いという印象を受けることだ。 

さきに稲盛和夫の「物心両面の幸福」」というフレーズを引き合いに出したが、稲盛氏は禅寺での出家体験のある人だ。著者もまたチベット仏教の影響を受けているようで、実際にワークショップでは瞑想法の実践をされているという。 

瞑想法とは、物理的には呼吸のコントロールのことであり、この呼吸法によって深いレベルで「ボディ/マインド/スピリット」にまたがる自己を発見することにある。自己と宇宙、そしてすべてがつながっていることを。 

本書は医療現場における「ウェルビーイング・マネジメント」の推進のために書かれた本だが、個々のメンバーが自覚することにより「場のマネジメント」が実現するのである。なぜなら、「すべてはつながっている」からだ。これもまた仏教の叡智のあらわれである。 

著者の専門は「医療マネジメント」だが、たんなる研究者ではない。豊富な体験にもとづく実践知の持ち主なのである。今後は勝手ながら「仏友」と呼ばせていただくことにしたいと思う。 


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目 次
はじめに
本書の構成 
1章 教養編 ウェルビーイングのためのリベラルアーツ
2章 応用編 ウェルビーイングを “見える化” する
3章 実践編 マネジメントへの展開
おわりに 

著者プロフィール
松下博宣(まつした・ひろのぶ)
文京学院大学大学院教授。早稲田大学商学部卒業。コーネル大学大学院(Policy Analysis and Management, Sloan program in Health Adminsitarion)修了。東京工業大学社会理工学研究科博士(学術)。会社経営、東京農工大学産業技術専攻(MOT)教授、学校法人東京農業大学・東京情報大学看護学部教授を歴任。専門分野は、健康医療管理学、人的資源マネジメント、アントレプレナーシップ&イノベーション、システム科学、サービス科学。



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2025年11月25日火曜日

『パリ憂国忌 ― 三島由紀夫 vs ヨーロッパ』(竹本忠雄、日本教文社、1981)を読んで、なぜフランス人は三島由紀夫「自決」の精神性をいちはやく理解したのか納得することができた(2025年11月25日)

 

 本日(11月25日)は「憂国忌」三島由紀夫が「自決」してから55年になる。 そして、ことし2025年は「昭和100年」。そして「三島由紀夫生誕100年」でもある。 

昨日のことだが、『パリ憂国忌 三島由紀夫 vs ヨーロッパ』(竹本忠雄、日本教文社、1981)という本を読んだ。著者はフランス滞在11年のあいだに日本の伝統文化紹介に専念されてきた人である。わたしが入手して読んだのは、2002年の「第三版」である。

だいぶ以前のことになるが、竹本忠雄氏が監修されている『日本待望論  ―  愛するゆえに憂えるフランス人からの手紙』(オリヴィエ・ジェルマントマ、吉田好克訳、産経新聞社、1998)を読んでいる。『パリ憂国忌』は、その後の竹本氏の思索の原点が凝縮された本であ。

「三島事件」を当時パリで知った竹本氏は、三島由紀夫「自決」の意味をフランス人に理解させるため、フランスのテレビに出演し、ラジオでしゃべり、文章を書き、知識階層をはじめとするさまざまなフランス人たちと対話を重ねていく。 そして、「自決」の翌年には、フランスで「パリ憂国忌」を行うまでこぎつけたのである。 

この著作を読むと、なぜフランス人がいちはやく三島由紀夫「自決」の意味を理解し、しかも同時代の日本人よりもそのメッセージを重く受け止めるようになったのか、手に取るように理解できた。 

『自死の日本史』(モーリス・パンゲ、竹内信夫訳、筑摩書房、1984)は、40年前に入手して熟読して以来の愛読書だが、日本通のフランス人思想家モーリス・パンゲが書いたこの本は、もちろん三島由紀夫「自決」もきちんと位置づけている。  




そしていま、なぜフランスから『自死の日本史』のような本が生まれてきたのか、いまようやく納得いくようになった。 

『パリ憂国忌 三島由紀夫 vs ヨーロッパ』という本の存在は、つい最近知ったばかりだが、こういう本が埋もれたままになっているのは残念なことだ。 

フランス人は、マンガやアニメといったサブカルチャーだけではなく、禅や武道その他の日本の精神性に魅せられ、日本文化を文武両面にわたって受け入れてきた。合気道もまたそうである。

ある意味では、フランス人は現在の日本人よりも、深いレベルで日本文化を理解している人が少なくないような気がする。 

日本人は、物質レベルだけでなく、精神レベルでも本来の日本を取り戻さなくてはならないこれが「昭和100年」の、「三島由紀夫生誕100年」で受け取るべきメッセージではないか? 


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目 次
第一部  超新星の誕生 
 第1章 フランスの戦慄 
  1 予兆 
  2 セーヌ河にどんぶり
  3 フランス・テレビで論戦する
  4 ヨーロッパ文明の死角
  5 「祖国解放のヒーロー」
  6 「ハラキリ」より「セップク」へ
  7 奇妙な評価のへだたり
  8 ポーランド地下抵抗者たちの感動 
 第2章 第一回パリ憂国忌 
  1 凱旋門のかたわらに 
  2 慟哭したフランドル詩人
  3 「愛国」より深い「憂国」
  4 古代ローマ人も切腹した・・・
  5 武士道は勇気と武技のみならず
  6 パエテ、ノン・ドレ・・・
  7 ここにシントーを感ずる・・・
  8 賛歌―愛と死の儀式(エマニュエル・ローテン)
第二部 龍よ、目覚めよ! 
  第1章―苛烈なる啓示 
   1 預言者、故郷に入れられず 
   2 知られざるフランスの靖国神社
   3 武士道と騎士道の対話 
  第2章 パリ=ローマの論争 
   1 皇太子殿下の問い 
   2 手繰られた「市ヶ谷」の因縁
   3 死刑囚であり死刑執行人であること
   4 ミシマはノイローゼ患者・・・
   5 「イル・テンポ」紙の正論
   6 賛歌―ユキオ・ミシマの墓(ピエール・パスカル)
第三部 幻影の対話 
 第1章 別の文明に向かって 
 第2章 ド・ゴール、憂国の先駆者
第四部 アンドレ・マルローの讃歎
 第1章 ジャンヌ・ダルクの星のもとに
 第2章 天皇、歴史の主題となる
 第3章 英雄の復権
 第4章 インド入り日本へ
エピローグ 瀧の下の出会い
参考エッセイ 被告席のマルロー
第三版後記
三島素戔嗚尊自刃の真義―没後30年「憂国忌」祭文
本書初版への各界回想と書評 

著者プロフィール
竹本忠雄(たけもと・ただお)
1932年~。日仏両国語での美術・文芸評論家。筑波大学名誉教授、コレージュ・ド・フランス元招聘教授。アンドレ・マルローの側近・研究家として国際的に著名。深層の日本紹介と高度の東西対話に一貫従事し、特に合理偏重の歴史的錯誤からいかに人類は再起すべきかとの観点で霊性文明の復興を提唱し、ヴィジョネール(幻視者)としての自らの一代記をまとめた『未知よりの薔薇』全8巻を89歳で刊行した。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)



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