「アタマの引き出し」は「雑学」ときわめて近い・・日本マクドナルド創業者・藤田田(ふじた・でん)に学ぶものとは?

◆「アタマの引き出し」つくりは "掛け算" だ : 「引き出し」 = Σ 「仕事」 × 「遊び」
◆酒は飲んでも飲まれるな! 本は読んでも読まれるな!◆ 
◆一に体験、二に読書、その体験を書いてみる、しゃべってみる!◆
◆「好きこそものの上手なれ!」◆

<旅先や出張先で本を読む。人を読む、モノを読む、自然を読む>
トについてのブログ
●「内向きバンザイ!」-「この国」日本こそ、もっとよく知ろう!●

■■ 「むかし富士山八号目の山小屋で働いていた」全5回 ■■
 総目次はここをクリック!
■■ 「成田山新勝寺 断食参籠(さんろう)修行(三泊四日)体験記 」全7回 ■■ 
 総目次はここをクリック!
■■ 「庄内平野と出羽三山への旅」 全12回+α - 「山伏修行体験塾」(二泊三日)を中心に ■■
 総目次はここをクリック!


「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!

「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!
ビジネス寄りでマネジメント関連の記事はこちら。その他の活動報告も。最新投稿は画像をクリック!



ご意見・ご感想・ご質問 ken@kensatoken.com にどうぞ。
お手数ですが、コピー&ペーストでお願いします。

© 2009~2024 禁無断転載!



2021年2月27日土曜日

書評『老人の美しい死について』(朝倉喬司、作品社、2009)-自分の人生は自分で「始末」するという思想とその実践

 

帯にあるように、「人生の終末に、あえて自ら死を選んだ三人の老人-市川団蔵8世(歌舞伎役者・享年84歳)、木村セン(農婦・享年64歳)、岡崎次郎(マルクス学者・享年79歳)」の人生の始末の付け方を描いた作品である。同一テーマを軸にした評伝集といっていいのかもしれない。 

帯にはさらにこうある。「自らの仕事を "天職" と心得て、心に秘めた強い意志をもって生き抜かれた果ての自死。明治人の "美しき生と死" を通して、現在のあり方を問う。」。

これ以上、くだくだ書き加える必要はないだろう。 市川団蔵8世は鳴門海峡に身を投じ無名の農婦の木村センは自宅で首をくくり岡崎次郎は夫婦で旅に出てそのまま行方不明のまま現在に至っている。 


自分の人生は自分で「始末」するという思想とその実践。そして、それは美意識の問題でもある。

倫理は「真善美」の三要素で構成されるが、「美しい」ということは、日本人にとっては、もっとも重要な倫理である。「美意識」は生き方の問題でもある。美しくあるためには、キレイでなくてはならない。清浄にもつながる意識である。

取り上げられた3人には、「自死」を選んで実行した明治生まれの日本人という以外に、なんら共通点はない。 生きづらさに命を絶った青少年の「自殺」ではない志破れた果ての「自決」でもない。人生の終末にいたってのそれは「自死」というべきなのである。 

著者はまったく言及していないが、私の愛読書でもある、フランス人思想家モーリス・パンゲの『自死の日本史』という名著を想起する。パンゲ氏は「自死」をフランス語で la mort volontaire としている。「意志による死」という意味だ。  

元新左翼の活動家でノンフィクション作家の著者は、この本を書いた時点で66歳。ネットで調べたら、その翌年に67歳で亡くなっている。自宅で亡くなっているのが発見されたという。多作の人であったようだが、この本が最後の本というわけではないようだ。 

私自身については、いますぐ死ぬということはなさそうだが(・・といっても、これだけは自分でコントロールできるものではない)、どういう形で人生に「始末」をつけるかについては考えておきたいものである。それは「自死」ではなくとも、「意志」の問題であることに変わりはない。 

誰の発言が記憶に定かではないが、「よく死ぬことは、よく生きること」であるのだから。





<ブログ内関連記事> 







 
 (2020年12月18日発売の拙著です)


(2020年5月28日発売の拙著です)


 
(2019年4月27日発売の拙著です)



(2017年5月18日発売の拙著です)


   
(2012年7月3日発売の拙著です)

 





Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!







end