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2021年3月13日土曜日

書評『花粉症と人類』(小塩海平、岩波新書、2021)-花粉症は「近代文明」の「負の側面」が生み出した

 
「新型コロナウイルス感染症」が蔓延するさなかではあるが、痛風が再発。さらには花粉症でもある。ここには記さないが、近視や口内炎、金欠病など数え切れない慢性疾患を抱えている。 
  
痛風は昨年2020年からのつきあいなのでまだ半年にも満たないが、花粉症との付き合いはじつに長いはじめて発症したのが1981年なので、ことしでもう40年になる。つまり人生の大半を花粉症と共生してきたわけだ。 

こんな本が出たので昨日読んでみた。『花粉症と人類』(小塩海平、岩波新書、2021)がそれだ。  

それにしても「花粉症と人類」とは、ずいぶん大きく出たものだな。とはいえ、単なる疾病というよりも、人類史全体に位置づけると花粉症の特質がよく見えてくるのかもしれないなと、読み終えてから思う。 

この本によれば、「世界の三大花粉症」というのがあるらしい。産業革命後の19世紀の英国の「干し草熱」(hay fever)20世紀前半の米国の「ブタクサ花粉症」、そして20世紀後半の日本の「スギ花粉症」である、と。

もはや「スギ花粉症」は「国民病」といっていいほど、日本人を日本人たらしめている存在だといっていいほど普及してしまったのだ。 

「花粉症」を英語で "hay fever" というのは、先にみたように英国が初発だからだ。英・米・日という順番で発生していったわけだが、たしかにこれは「産業革命」以降の「近現代史の負の側面」の現れといえそうだ。 自然破壊を続けていった「近代文明」に対する、自然界からの逆襲である。

花粉そのものは太古の昔から存在してきたわけであり、花粉に対する人体の反応が変化したにスギないのだ。花粉の表皮は簡単に壊れないので、地質学では年代測定に使用されるほどである。ちなみに花粉は英語で pollen というが、これはラテン語そのものであり古代ローマから存在することばだ。英語に導入されるにあたって変化していない。 

なるほど東京農大教授である著者の専門は「植物生理学」であって、人間の活動を広く生態系全体のなかで捉えようという姿勢に立っているらしい。花粉症に対しても医学的なアプローチではなく、スギ花粉が出ないような農学的な対策を研究し、製品開発まで行っているようだ。 

もちろん、こんな本を読んだからといって花粉症が治るわけではないが、「文明」と「自然」の関係を再考するキッカケになれば、意味のある読書となるといってよさそうだ。





目 次 
はじめに
第1章 花粉礼賛
第2章 人類、花粉症と出会う
第3章 ヴィクトリア朝の貴族病?-イギリス
第4章 ブタクサの逆襲-アメリカ
第5章 スギ花粉症になることができた日本人
第6章 花粉光環(コロナ)の先の世界
あとがき


著者プロフィール
小塩海平(こしお・かいへい)
1966年静岡県生まれ。1995年東京農業大学農学研究科博士後期課程修了。東京農業大学助手等を経て、2008~2009年オランダ・ワーヘニンゲン大学客員研究員。現在、東京農業大学国際食料情報学部国際農業開発学科教授。専門、植物生理学。幅広く人間の活動と生態系とを視野に入れる。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)


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