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2024年4月27日土曜日

上州への日帰り旅 その4 「久伊豆神社」を再訪(埼玉県越谷市)ー 平田篤胤と縁の深いこの神社は元荒川流域にのみ分布(2024年4月23日)

 (久伊豆神社の本殿 筆者撮影 以下同様)



時間の関係から「藤の牛島」訪問は来年以降にすることにし、今回の旅の最終目的地である「久伊豆神社」に向かう。場所は埼玉県越谷市である。

かつて越谷で勤務していたことがあって、1度だけ訪問し参拝したことがあるので、今回の再訪はほぼ10数年ぶりということになる。


(石鳥居と本殿につづく参道)



■久伊豆神社は平田篤胤との縁が深い神社

「久伊豆神社」と書いて「ひさいず・じんじゃ」とよむ。けっして「くいず・じんじゃ」ではない。

わたしも、「クイズ神社」とは珍しい名前だなと思っていたが(笑)、そうではないことがあとからわかった。越谷の総鎮守である。

東武鉄道の北越谷駅で下車し、徒歩で約10分。このコースだと西門から入ることになる。

10数年ぶりの再訪なので、なんだか記憶のなかの神社とちょっと違うような気がしたのは、この間に石碑が増えたからだろうか。


(まもなく満開を迎えるグッドタイミングの藤)


だが、藤棚は健在であった。藤の花が咲くこの時期に「天然記念物」の藤を見ることができたのは幸いだった。

(藤棚の藤の木は「天然記念物」)


しかも、この枝分かれしてタコ足のような、妖怪のような藤の木は、平田篤胤ゆかりのものだという。

そうなのだ、なぜ久伊豆神社を再訪したいと思っていたかというと、最初の参拝後にこの神社と平田篤胤の縁が深いことを知ったからだ。『古史徴開題記』(岩波文庫)の「序」に「越谷」の文字を発見して驚いたのだ。


(『古史徴開題記』の「序」はパトロンだった山崎篤利が執筆している)


カネに不自由していた篤胤は、門人で越谷の油商人・山崎篤利のパトロネージのもと越谷に滞在、久伊豆神社の境内に庵(いおり)を設けて滞在していたという。




この地で主著である『古史徴』が執筆されている。古伝説や神代文字、記紀(=古事記+日本書紀)や新撰姓氏録などを論じたものだ。


(水神社)


境内にもうけられた池には水神社があり、その池の周囲に「松声庵」という名の「平田篤胤の仮寓」があった。今回はその場所も確認することができた。


(「平田篤胤仮寓跡」は埼玉県指定の旧跡)



■久伊豆神社は元荒川流域にのみ末社が分布

久伊豆神社は、元荒川流域にのみ末社が分布する神社である。かつて物流が水運に依存していただけでなく、領域支配が河川流域をベースにしていたことを物語っているといえよう。


(久伊豆神社の分布図 『[縮刷版] 神道事典』(弘文堂)より)


けっして全国的に有名な神社ではないが、ひじょうに特徴のある神社なのである。そんなこともあって、再訪したいと思ってきたのだ。

境内には「旧官幣大社南洋神社鎮座跡地遥拝殿」も2004年に建立されている。久伊豆神社の姿勢をよく示している。「南洋神社」は、かつて南洋のパラオにあった神社である。


(「旧官幣大社南洋神社鎮座跡地遥拝殿」)


懸案事項であった久伊豆神社の再訪も終え、正門から出ることにして、長い長い参道(・・参道は産道でもあるのだな)を歩いて行くと、正門には見事なまでの「ワラ龍」が鳥居に掲げられていた。


(鳥居にはワラ龍。正門から長い、長い参道がつづく)


最近はビニール製のしめ縄を張った神社も少なくないのが現状で、嘆かわしい限りだが、ワラで編んだ龍のしめ縄を見ると、ほんとうれしくなる。これこそ神社なのだ、と。


■越谷で東武鉄道と第2環状線であるJR武蔵野線が交差する

帰途は北越谷駅に戻ることなく、そのまま南越谷駅まで40分歩くことにした。1駅乗るだけならバカバカしいと思ったからだが、電車に乗ってばかりの旅に飽きていたこともある。

JR南越谷駅は東武鉄道の新越谷駅と交差している。帰途は南越谷駅から武蔵野線で西船橋駅方面に帰る。東京をバイパスして、埼玉県から千葉県に戻ることが可能なのだ。

歩きに歩いたおかげで、この日の歩数は2万歩を超えたのであった。

(終わり)


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2024年4月11日木曜日

「カタクリ群生地」(千葉県柏市逆井)を初めて見に行ってきた(2024年4月10日)

 (シーズン終盤でしおれかけたカタクリの花 筆者撮影 以下同様)



場所は逆井(さかさい)。これまた千葉県の難読地名の1つ。千葉県北西部を南北につなぐ東武野田線の沿線、新鎌ケ谷駅と柏駅の中間くらいにある。 

「カタクリ群生地」は駅から歩いて5分くらい。「カタクリ群生地」は、坂道に沿った斜面の雑木林にある。100メートルくらいの幅で、もちろん立ち入り禁止だ。




地元では有名なようで、道順を示す標識が数カ所設置されているので場所はすぐにわかる。もちろん、スマホでMAPを起動すればよい。柏市も意外と高低差があるのは、「縄文海進時代」の名残であろう。




 「カタクリ」は片栗粉のカタクリ。ユリ科の植物であるカタクリの地下茎から生成されたデンプンのことを片栗粉という。




だが、現在では片栗粉と銘打っていても、実際は原料はジャガイモである。子どもの頃それを知って残念に思った。 




カタクリの花は、3月下旬から4月上旬の短い期間に咲くのだという。ユリ科だけあって、薄紫色の可憐な花である。花じたい小さいが、逆井在住の友人によれば、出身地の北海道のカタクリより大きいとのことだ。 




柏市逆井の「カタクリ群生地」は、平地では珍しいものらしい。

見に行ってきた2024年4月10日は、もう花のシーズンの終盤で、タイミングとしてはギリギリだった。花はすでに枯れたり、しおれかけていた。それでも、カタクリの花を見ることはできたのがうれしい。 




カタクリは、花を咲かせて実をつけるまでの2ヶ月間だけ地上に現れ、そのあと10ヶ月間は地下で休養する(!)という多年草。花を咲かせるまで、なんと10年もかかるという。なんとも気の長い話だな。 


カタクリは日本原産で、『万葉集』にも「堅香子」(かたりご)として登場する。 


もののふの 八十娘子(やそをとめ)らが 
汲(く)み乱(まが)ふ 寺井の上の 
堅香子(かたりご)の花
 (大伴家持) 


この国では「花」といえば「桜」を意味している。

桜の影に隠れがちであるものの、サクラと同時期に目立つことなくひっそりと花を開くカタクリの花のことにも、気を配りたいものではないか。

「天然記念物」としての「カタクリ群生地」も、末永く維持していってほしいものだ。


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・・千葉県指定の「天然記念物」である「千本いちょう」





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2021年6月15日火曜日

君は「天然記念物のカブトガニ」を食べたことがあるか?-タイのあれこれ(番外編)

(バンコク市内の海鮮料理店にて筆者撮影)


カブトガニといえば天然記念物」という連想がすぐに出てくるだろう。

日本では瀬戸内海に生きているカブトガニは、古代生物の特徴を現在に保存している「生きた化石」として保護対象になっている。

天然記念物のカブトガニは、日本では捕獲して食べたら逮捕されるが、タイではなんと合法的に食べることができる。つまり天然記念物でもなんでもない、ごく普通の存在だということだ。


(海鮮料理店の水槽に生きたカブトガニが! 筆者撮影)


はじめて生きたカブトガニを海鮮料理店で見たときは、驚くとともに興奮したものだ。

子どもの頃から生物に親しんできたが、瀬戸内海出身ではないので生きたカブトガニを見たことがなかったからだ。しかも、食用でもあるとは!


(同上)


君は「天然記念物のカブトガニ」を食べたことがあるか?

いわゆる「ゲテモノ喰い」かもしれないが、もし食べたいと思うなら、バンコクに行ってみたらいい。すべての店とは言わないが、バンコク市内の海鮮料理店ではカブトガニがメニューに載っている。


(バンコク市内の別の海鮮料理店でカキと一緒に 筆者撮影)


メスの甲羅の下ついたつぶつぶのタマゴを食べるのだが(冒頭の写真を参照)、グリルしたカブトガニのタマゴは苦みがあり、正直いってそれほど旨いとは思わない。まあ、日本でいう珍味のたぐいだとは思うが、話題作りのために食べるだけにとどめておくべきだろう。

ただし、タマゴには毒があるので当たることがあるらしい。さいわい自分が友人とともに食べたときには毒には当たらなかったようだ。

タイで仕事をしていたとき、週末はヒマなのでバンコク市内をよく散策していたのだが、そんなある日、とある仏教寺院(ワット)に入って涼んでいた際、その内部の壁面にカブトガニの絵が描かれていて驚いたことがあった。


(頭部を上にしたカブトガニの絵が寺院の壁面に 筆者撮影)


「生きとし生けるものがみな幸せでありますように」と祈る仏教徒にとって、カブトガニもまた生き物としてなじみのある存在なのだろう。
 
日本では天然記念物のカブトガニだが、タイやその他の東南アジアでは身近な海洋生物として親しまれているようだ。

ブログに下書きしていながらアップしてなかったネタがあるので、ずいぶん前の体験談ではあるが、遅ればせながら完成させることにした次第。


 
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