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2018年11月20日火曜日

JBPress連載コラム第39回目は、「最初の一歩が肝心だ!火渡りの修行に挑戦してみた-焼けた炭の上を裸足で歩いた成田山での体験記」(2018年11月20日)


JBPress連載コラム第39回目は、「最初の一歩が肝心だ!火渡りの修行に挑戦してみた-焼けた炭の上を裸足で歩いた成田山での体験記」(2018年11月20日)
⇒ http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54683

やらなければならないと分かっているのだが、思い切って一歩踏み出せない。そういう人は少なくないはずだ。

だからこそ、「最初の一歩」を踏みだすことをテーマにした自己啓発書は、昔から根強い人気があるのだろう。もちろん、本を読んだからといって、すぐに行動に移せるとは限らないのであるが・・。

今回の「体験修行記」は「火渡り修行」。すでに火は消されて熾火(おきび)になっているとはいえ、焼けた熱い炭の上を裸足で(!)歩く修行のことだ。

さあ、足裏が熱いのを我慢して「最初の一歩」を踏み出そうではないか!

つづきは、本文にて http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54683

次回のコラム公開は、12月4日(火)です。お楽しみに!




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JBPress連載コラム第38回目は、「山伏になって「死からの再生」を体験してみよう-山形・出羽三山で参加した「山伏修行体験塾」(2018年11月6日)

JBPress連載コラム第37回目は、「苦しいのは最初だけ、3泊4日の「断食修行」体験記-成田山新勝寺で挑戦した本格的断食」(2018年10月23日)

成田山新勝寺の 「柴灯大護摩供(さいとうおおごまく)」に参加し、火渡り修行を体験してきた(2014年9月28日)

不動明王の「七誓願」(成田山新勝寺)-「自助努力と助け合いの精神」 がそこにある!

「シャーリプトラよ!」という呼びかけ-『般若心経』(Heart Sutra)は英語で読むと新鮮だ





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2018年4月29日日曜日

「成田山開基1080年記念大開帳」の初日に成田山新勝寺に参詣(2018年4月28日)― 運の良いことに「お練り行列に遭遇!


(沿線の京成電鉄お駅に貼られているポスター)

「成田山開基1080年記念大開帳」の初日に成田山新勝寺に参詣してきた(2018年4月28日)。10年に1回に機会であり、奥之院などが「開帳」されるのだという。


ちょうど28日は「お不動様のご縁日」。その4月28日から「成田山開基1080年」が一ヶ月の期間で始まるのは、意図したものだろう。成田山新勝寺は真言宗豊山派。いうまでもなく不動信仰がその重要な要素である。

そしてまた「1080」という数字も単なる偶然という気がしない。煩悩は108あるといわれるが、とすると1080は煩悩の10倍ということになる。そのことにかんする言及はまったくないが、どうも気になってしまうものだ。

4月28日の11時から「お練り行列」があると成田山のウェブサイトにあったので、すこし早めに入ることにした。


運の良いことに「お練り行列に遭遇!

参道を歩き始めると、旗を持って歩く参拝団の人たちが目に入ってくる。その背中には「南無大師遍昭金剛」の文字が。いうまでもなくお遍路さんで有名なフレーズだ。真言宗は弘法大師空海を祖としている。



ゆっくりとしたペースで参道を歩いている参拝団の人たちを追い越して歩いて行くと、お練り行列が目に入ってきた。山伏姿の修験者が先導している。



烏帽子と水干姿の従者が差しかける色鮮やかな和傘、そして練り歩く高僧たち。いまから1080年前は紀元939年(天慶2年)、平安時代である。

成田山新勝寺は、関東地方で台頭した平将門の乱の鎮圧を祈願して開基された寺院だ。新勝寺というネーミングがそれを物語る。ちなみに遣唐使が廃止されたのは894年のこと。摂関政治の時代である。まだ古代であった。




紫の袈裟姿の高僧、オレンジ色の舞と雅楽風の衣装。まさに平安時代。時代祭のような感じ。その後ろからスマホで写真を撮りながら、お練り行列と平行して歩いて行く。



少し先回りして正門の前に回り込むと、お練り行列が境内に進んでゆく様子を見る。プラカードをもった女子高生が先導、導師は龍を乗せた金の天蓋とともに移動してくる。




その後、式典が行われたが、これについては省略することとしよう。



(「成田山開基1080年」の初日の成田山新勝寺 筆者撮影)


■「特別開帳」で奥之院へ

ひさびさに「奥之院」を参拝する。前回は、断食修行のために滞在していたのがちょうど成田祇園祭りの最中だったので開帳されていた。それ以来のことなので8年ぶりとなる。


(特別開帳の奥之院の入り口 筆者撮影)

奥之院は、天井の低い岩室で、入ったとたん、早速アタマを天井にぶつけてしまった。

一通り境内を回って参拝をすませたあと帰途につく。

参道を歩きながら、米屋総本店に入って土産物を購入。成田といえば米屋の羊羹が定番。ひさびさに羊羹を購入した。このほか、地酒の長命泉の蔵本で日本酒を購入。


(米谷総本店で土産を買う)

この日の成田山は、正月の初詣ほどではなかったが、たいへんな混雑ぶりであった。

午前中にほぼ参拝を済ませてしまったので、いままでいったことがなかった宗吾霊堂に参拝することにして、京成電車で宗吾参道駅に移動した。

つづきは、麻賀多神社の本宮まで行ってきた-樹齢1400年の大杉のパワーを浴びる(2018年4月28日) で。





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深川不動堂(=成田山東京別院)で「お練り歩き」に遭遇(2017年12月15日)-お不動様の御利益か!?


成田山新勝寺の 「柴灯大護摩供(さいとうおおごまく)」に参加し、火渡り修行を体験してきた(2014年9月28日)


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不動明王の「七誓願」(成田山新勝寺)-「自助努力と助け合いの精神」 がそこにある!


「1日で巡るお遍路さん in 丸の内」に参加してきた-四国八十八か所霊場ご本尊の77年ぶりの「出開帳」(2013年4月18日)

「秋季雅楽演奏会」(宮内庁式部職楽部)にいってきた(2012年10月19日)


書評 『平安朝の生活と文学』(池田亀鑑、ちくま学芸文庫、2012)-「王朝文化」を知るために


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2013年2月3日日曜日

節分の豆まきといえば成田山、その成田山新勝寺の「勝守り」の御利益に期待



本日2月3日は節分。節分といえば豆まき。豆まきといえば成田山。毎年、相撲取りや芸能人が豆まく姿がニュースで報道されてますよね。

ことし2013年は、横綱のモンゴル字力士・白鳳(はくほう)やNHK大河ドラマ『八重の桜』の主人公・新島八重(=山本八重)を演じている綾瀬はるか などが登場したことが報道されていました。芸能とは縁の深い成田山ならではですね。

じつは、わたしは成田山の豆まきは一度もいったことはありません。

ことしは、たまたま2月3日が日曜日だから行ってみようかなと思いましたが、日曜日だからよけい混んでいるだろうと思って、やっぱりやめました(笑)

というわけで、かわりに成田山のお守りを一つ紹介しておきましょう。

これは「勝守り」(かつまもり)といいます。表には「成田山」の焼印、裏には「勝」という漢字と意味はわかりませんが梵字(=サンスクリット)が書かれています。成田山は真言密教ですからね。

成田山によれば、このお守りをもって出征した兵士は弾に当たらなかったそうですが、真偽のほどはわたしにはわかりません。

さすがにマカロニウェスタンの名作 『荒野の1ドル銀貨』のように、胸ポケットにたまたま入っていた1ドル銀貨が弾丸をはじき返したというわけにはいきますまい。なぜなら、こお守りは杉の木の薄板ですから。

なぜ真言宗の成田山で勝守りなのか。その理由(わけ)は、成田山の正式名称が新勝寺(しんしょうじ)だからです。名称に「勝つ」の字が入っているのです。

関東に一代王国を築こうとしていた平将門の乱の平定を祈念して建立(こんりゅう)されたと伝えられているのが成田山新勝寺。いまから千年以上前の話です。

もしかすると、勝守りは受験生にも効験あらたかかもしれません。受験生には、学問の神様の天神様のお守りのほうが効くかもしれませんが、これまたわたしにはなんともいいかねます。受験に勝つまえに、まずは自分に勝たなくてはなりませんね。

成田山といえば、初詣日本一を毎年のように争うほど人気の現世利益(げんぜりやく)のお寺ですが、お正月をはずして成田山参詣にいくのもいいものですよ。2月は梅が咲く季節ですから!





PS. 「福は内」の成田山豆まきの夜、市川團十郎(12代)が亡くなった。享年66歳。白血病との闘病の末であった。成田屋の市川家。ご冥福をお祈りしたい。合掌。(2013年2月4日 記す)


<ブログ内関連記事>

成田山新勝寺「断食参籠(さんろう)修行」(三泊四日)体験記 (総目次)

成田山新勝寺の 「柴灯大護摩供(さいとうおおごまく)」に参加し、火渡り修行を体験してきた(2014年9月28日)

「恵方巻き」なんて、関西出身なのにウチではやったことがない!-「創られた伝統」についての考察-

船橋大神宮の奉納相撲(毎年恒例10月20日開催)を見に行ってきた(2009年10月20日)

(2014年8月26日、10月7日 情報追加)




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2011年7月20日水曜日

不動明王の「七誓願」(成田山新勝寺)―「自助努力と助け合いの精神」 がそこにある!



 昨年(2010年)7月に成田山新勝寺で「断食参籠修行」をした際に、護摩行に参加した折りにもらった「不動明王御真言」 と 「七誓願」 が書かれた名刺大の印刷物。

 不動明王(=不動尊)の画像を組み合わせてみました。成田山のものではなく、京都の醍醐寺の不動明王です。

 真言(しんごん)は、意味はわからなくてもとにかく唱えるマントラ(呪文)のようなもの。サンスクリット語(梵語)ですね。

のーまく さんまんだー
ばーざらだん せんだー
まーかろしゃーだー
そわたや うんたらたー
かんまん

 これは、不動明王の真言の中呪です。マントラの長さによって大中小があります。弘法大師空海が、留学先の中国から日本にもたらしたサンスクリット語のマントラを、そのままの音で伝えて現在に至るというわけです。

 不動明王(不動尊)は、サンスクリット語でアチャラ(acala)といいます。cala とは動くもの、a- は否定の接頭語であるので、a-cala は動かないもの、すなわち不動(尊)となるわけですね。日本語の語感だと、チャラチャラしてないのが不動尊といっても、不敬な発言にはならないでしょう。

 「七誓願」(私たちの誓い)を読んでみましょう。

・明るい笑顔で奉仕のはげみ-奴僕(ぬぼく)の行
・まごころこめて助け合い-羂索(けんさく)のおさとし
・苦難に耐えれば開ける希望-盤石(ばんじゃく)の決意
・精進努力に豊かな実り-燃えさかる火炎
・常に冷静 不動の心-ゆるぎなきみ心
・正しい判断さとりのめざめ-利剣(りけん)の智慧
・いただくご利益(りやく)みんなと共に-加持力(かじりき)


 むずかしいコトバが多いので注釈をつけておきましょう。

 奴僕(ぬぼく)とは、奴卑(ぬひ)や僕(しもべ)のこと。サーバントのことですね。奉仕(サービス)ですね。仏教ではなくキリスト教から発した経営思想にサーバント・リーダーシップというものがありますが、「明るい笑顔で奉仕」という仏教の教えもすばらしいですね。

 羂索(けんさく)とは、「デジタル大辞泉」の解説によればこうあります。《「羂」(けん)はわなの意で、もと鳥獣をとらえるわなのこと》5色の糸をより合わせ、一端に環、他端に独鈷杵(とっこしょ)の半形をつけた縄状のもの。衆生救済の象徴とされ、不動明王・千手観音・不空羂索観音などがこれを持つ。

 利剣(りけん)とは、おなじく「デジタル大辞泉」の解説によればこうあります。1. 鋭利なつるぎ。よく切れる刀剣。2. 仏語。煩悩(ぼんのう)や邪悪なものを打ち破る仏法や智慧のこと。

 加持力(かじりき)とは、加持(かじ)のチカラのこと。「デジタル大辞泉」の解説によればこうあります。[名](スル)《(梵)adhihnaの訳。所持・護念とも訳す》仏語。1. 仏の加護。2. 密教で、仏の慈悲の力が衆生に加わり、衆生がそれを信心によって受持し、仏と衆生とが相応すること。3. 真言行者が、手に印を結び、口に真言を唱え、心を仏の境地におき、仏と一体になること。三密加持。4. 神仏の加護を受けて、災いをはらうこと。祈祷(きとう)と同意に用いる。
 

 さて「七誓願」(私たちの誓い)に戻ってみましょう。「3-11」後の日本では、心から納得できる内容じゃないでしょうか!? 

 要約してしまえば、個人レベルの自助努力と助け合いの精神。個人レベルの自発性が出発点にある、自助努力と助け合いの精神。自分ひとりだけで生きているのではないということ。

 これこそ、多くの日本人をつくりあげてきた精神ですね。

 へたな自己啓発書より不動明王の「七誓願」、と思ってしまうわたしです。「3-11」後は、文字面だけで​なく、心の底から身にしみてわかるようになりました。

 自分は自助努力はしなければならない。自分が自助努力する際も、仲間といっしょに努力したほうがよい

 言われてみれば当然の教え。しかも、ソーシャルメディア時代の「シェア」の発想にもよくフィットした教えでもありますね。でも、日本人はこんな単純なことも見失っていたような気がします。

 原点回帰して「自助努力と助け合いの精神」の両輪で生きてゆきたいものです。


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<ブログ内関連記事>

成田山新勝寺「断食参籠(さんろう)修行」(三泊四日)体験記 (3) 断食体験初日-いよいよ断食修行に入る を参照。

成田山新勝寺の 「柴灯大護摩供(さいとうおおごまく)」に参加し、火渡り修行を体験してきた(2014年9月28日)

節分の豆まきといえば成田山、その成田山新勝寺の「勝守り」の御利益に期待

書評 『目覚めよ仏教!-ダライ・ラマとの対話-』 (上田紀行、NHKブックス、2007. 文庫版 2010)    
・・ダライラマがクチにする「不動明王の慈悲の怒り」

「空海と密教美術展」(東京国立博物館 平成館) にいってきた(2011年7月22日)

日体大の『集団行動』は、「自律型個人」と「自律型組織」のインタラクティブな関係を教えてくれる好例
・・「集団行動」のエッセンスは、個人レベルの自助努力、そしてチームとしての高い目標を達成するための意識の持ち方にあります。個人レベルの高さがあってこそ、チームとしての信頼感もでてくる。それは甘えとは無縁の世界です・・(中略)・・体力と不屈の精神の関係。サバイバルと助け合いをつうじてのチームの結束力。そして目標としてきた完璧な演技(プレイ)を終えたあとの達成感


書評 『オーケストラの経営学』(大木裕子、東洋経済新報社、2008)-ビジネス以外の異分野のプロフェッショナル集団からいかに「学ぶ」かについて考えてみる
・・「(フラットな組織である)オーケストラにおいては、個々の演奏者が、いかに他の演奏者とのハーモニーをつくり出すことができるかということである」

(2014年9月13日、21日、26日、10月7日 情報追加)


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2011年6月17日金曜日

特別展 「五百羅漢 ― 増上寺秘蔵の仏画 幕末の絵師・狩野一信」 にいってきた(2011年6月16日)


 これはスゴイ。これがいつわらざる感想だ。もう一度くりかえすが、これはスゴイ。この特別展を見逃してはいけない!

 法然上人八百年御忌奉賛 特別展「五百羅漢-増上寺秘蔵の仏画 幕末の絵師 狩野一信」のことである。江戸東京博物館(両国)での開催だ。

日時: 2011年4月9日~7月3日(「3-11」の影響で会期変更)
場所: 江戸東京博物館
主催: 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都江戸東京博物館、大本山増上寺、日本経済新聞社
監修: 山下裕二(明治学院大学教授)
企画協力: 浅野研究所
http://500rakan.exhn.jp/top.html

 昨日(2011年6月16日)、所要のついでに江戸東京博物館に立ち寄って、この特別展をみてきた。


そもそも五百羅漢(ごひゃく・らかん)とは?

 五百羅漢といえば、関東の人間なら、まずなによりも川越の五百羅漢を思い出すことだろう。埼玉県川越市にある喜多院の五百羅漢の石像は有名である。川越は、江戸時代の町並みを現在まで保存した「小江戸」の風情を残した町である。東京都心からはちょっとした小旅行にはもってこいの場所だ。

 その川越の喜多院にあるのが五百羅漢。羅漢さんの石像が500体、しかもどれひとるとして同じ表情をしたものはないという・・だ。しかもその五百羅漢のなかには、かならず自分とよく似た羅漢さんがいるといわれるほど・・なのだ。五百羅漢の画像は、wikipedia の喜多院の項目を参照されたい。

 わたしは、大学時代は東京都小平市に住んでいたので、いちどだけだが川越を訪れて五百羅漢を見てきたことがある。小平からだと埼玉県との県境は近いので、それほど遠いという感じではない。

 ところで、羅漢(らかん)は正式には阿羅漢(あらかん)、サンスクリット語のアルハット(arhat)の漢字表記。wikipedia にはこうある。

元々、インドの宗教一般で「尊敬されるべき修行者」をこのように呼んだ。
中国・日本では仏法を護持することを誓った16人の弟子を十六羅漢と呼び尊崇した。また、第1回の仏典編集(結集(けつじゅう))に集まった500人の弟子を五百羅漢と称して尊敬することも盛んであった。ことに禅宗では阿羅漢である摩訶迦葉に釈迦の正法が直伝されたことを重視して、釈迦の弟子たちの修行の姿が理想化され、五百羅漢図や羅漢像が作られ、正法護持の祈願の対象となった。

 そういえば、『阿羅漢』というタイトルの少林寺拳法ものの香港映画にあったような? 

 さいきんだと「アラカン」といえばアラウンド還暦を略して「アラ還」、50歳台後半から60最大前半の人を指しているようである。以前ならアラカンといえば、 嵐寛壽郎(あらし・かんじゅうろう)のことをさしていたようなので、ときどき世代の異なった人どうしでは、話がチグハグになることがある。

 余計な話をしてしまった、本題に戻ろう。


特別展「五百羅漢」の見どころ

 今回の特別展は、法然上人八百年御忌奉賛とあるように、法然上人ゆかりの浄土宗総本山増上寺(東京・芝)に秘蔵の仏画を一挙展示したものだ。

増上寺は、関東大震災と空襲によって焼け落ちたが、「五百羅漢図」をふくめた寺宝は焼失することなく、現在まで保存することができたという。そのなかの一つが、今回はじめて一挙公開された「五百羅漢図 全100幅」なのだ。掛け軸として装丁されているので「幅」という単位をつかう。

 狩野派の最後を飾る幕末の絵師・狩野一信(かのう・かずのぶ 1816~1863)は、1970年代に再発見されて、現在の日本では人気の高い曾我蕭白(そが・しょうはく)や、さきに大規模な里帰り展が実施されて根強い人気をほこる伊藤若沖(いとう・じゃくちゅう)とならんで、今後の人気を集めること間違いなし(!)の絵師である。

 つまるところ、狩野一信の仏画は、まったく現代的なのだ。いや、現代人の眼が欲しているというか、明治から昭和にかけてひた走りに走ってきた「近代日本」が終わって、ようやくわれわれの視野に入ってきた存在だといえるかもしれない。

 中国風にインドを描いたらこうなる(?)といったエキゾチズム追求のようにみえて、かならずしもそうではない。画題が要求する、奇妙きてれつな画風という捉え方もあろう。とくに「六道地獄」は最高だ。どうも地獄というものは、洋の東西を問わず、アーチストのイマジネーションを最高に刺激するもののようだ。



 何といっても不思議感がつよいのは「神通」(じんつう)。神通力(じんつうりき)の神通のことだが、超能力やテレパシーといったものを見える化した図像表現の数々だ。多宝塔や鏡から発せられる光線は、ウルトラマンのスペシウム光線のようなもの。

 上掲の写真は、購入したワッペン型磁石に採用された図柄だ。羅漢のひとりがかかえた鏡のなかに写っているのはお釈迦様の頭部。鏡の周囲に後光(ハロー)のような光線が放射状に拡散、それをみる者がおそれいりましたといいう表情で描かれている。

 仏教のありがたい教えが可視光線として、目に見える形で大きな影響を与える図像。鬼や悪魔がひれ服すさまを描いたものは、民衆教化という目的にはピッタリ。なにかしらキリスト教世界のイコンを想起するものがあって不思議な感覚を覚えるのだ。あるいは、フランスの近代画家ギュスターヴ・モローの「サロメ」にも似ている。後光をはなつヨハネの首に似ている。まあ、このモローの絵も、宗教絵画の流れのなかにあるのだが。

 このほか、アニメのように、顔の皮をビリビリとはがしながらほんとうの姿をみせる不動明王や観音など(・・下図参照)、不思議感にみちみちた仏画がつぎからつぎへと並んでいる。

 全体的に、構図といい筆力といい、予備知識がなくても見たら圧倒されるし、思わず細部をのぞきき込みたくなるような緻密さも兼ね備えた一級の作品である。仏教の信仰と知識があれば言うことないが、かならずしもそれは必要ない。これでもか、これでもか、と過剰に迫ってくるこれら仏画は、日本のバロックといってもいいかもしれない。

 わたしにとって狩野一信の作品は、見るのは今回が初めてだ。狩野一信という絵師の存在だけでなく、精魂傾けて描いた「五百羅漢図」が増上寺に所蔵されていたということすら知らなかった。この展覧会の存在をしったのも、ある意味では仏縁といえるだろうか。

 今回の展示には、増上寺のために作成した「五百羅漢図」と平行して、成田新勝寺もために作成された仏壁画も展示されている。これまた成田山新勝寺との縁も感じて感慨深い。

 狩野一信は、全100幅の完成まであと4幅をのこして画家は力尽きて病に斃(たお)れ、けっきょく完成を見ることはなかったという。のこり 4幅は、妻の妙安と弟子によって作成されたのだが、あきらかにパワーを感じることができないものになっている。

 見どころについては、今回の特別展の監修を行った山下裕二氏が解説したビデオが、特別展「五百羅漢-増上寺秘蔵の仏画  幕末の絵師 狩野一信」のサイトにアップされているので、行かれる前に見ておくとよいと思う。22分強でやや長いが、見ておく価値は十分にある。会場でもビデオは流されている。



 できれば会場で図録(税込み2,300円)も購入しておくことをすすめたい。貴重な図録というだけでなく、現代人の眼からみても、またあらたなイマジネーションをかき立ててくれるものであるからだ。

 日本には、ほんとうにすごいものが、まだまだ埋もれているのだなあという感想をもつのは、わたしだけではないはずだ。

 最後にまた繰り返すが、これはスゴイ。
 この特別展を見逃してはいけない!


両国駅と江戸東京博物館

 江戸東京博物館は、じつは訪れたのは今回がはじめて。特別展じたい、所要のついでに時間をつくって立ち寄ったのだが、博物館のある両国駅は、地下鉄都営大江戸線の開通によってずいぶん接続がよくなった。開通してからだいぶたつが、大江戸線を利用して両国にいったのは初めてである。

 両国は、国技館が蔵前から戻ってきてから、ふたたび両国国技館という形でセットにして記憶されるようになったが、かつては総武本線を経由した房総半島(内房線と外房線)と潮来方面行きの特急列車の始発駅としての意味をもっていた駅である。

 東京の都市計画はパリなどの欧州都市をモデルにしていたため、中長距離列車の出発駅は分散していたのだった。東北方面の長距離列車は上野駅、信州方面の中長距離列車は新宿駅、東海道方面の中距離列車は品川駅がそれぞれ始発駅だった。これらの駅をつなぐために敷かれたのが環状線である山手線。

 ネットワークの観点からは、すべてが東京始発になると利便性が増すが、駅ごとの個性や風情が喪失してしまったのは寂しいことである。

 国技館は JR駅の真ん前。江戸東京博物館も JR駅からは目の前なのだが、ぐるっとまわっていくことになるので 3~5分ほどかかる。地下鉄都営大江戸線の両国駅はすぐ近くである。

 両国駅からは東京スカイツリーも近い。両国駅のかつての風情はなくなりつつあるとがいえ、墨田区のあらたな魅力づくりによって、新生しつつあるといえるかもしれない。
 
 両国にとっては、あとはスキャンダルに揺れる大相撲が、一日も早く正常化することが求められていることだろう。

 江戸東京博物館はミュージアムショプが充実しているのがすばらしい。江戸がらみのおもちゃなど多数あるので、時間とおカネに恵まれたひとは、じくりと見て回る価値があるということを付け加えておこう。




<関連サイト>

特別展「五百羅漢-増上寺秘蔵の仏画  幕末の絵師 狩野一信」(公式サイト)

江戸東京博物館(公式サイト)



<ブログ内関連記事>

書評『近世の仏教-華ひらく思想と文化-(歴史文化ライブラリー)』(末木文美士、吉川弘文館、2010)
・・狩野一信をより深く知るために、江戸時代の仏教の知識を与えてくれる本

成田山新勝寺「断食参籠(さんろう)修行」(三泊四日)体験記 (総目次)
・真言宗の新勝寺、お不動さん(=不動尊)信仰、護摩、成田山と増上寺をつなぐのは祐天上人(1637~1718)

書評『HELL <地獄の歩き方> タイランド編』 (都築響一、洋泉社、2010)・・上座仏教の地獄ジオラマなどなど極彩色の世界

書評『若冲になったアメリカ人-ジョー・D・プライス物語-』(ジョー・D・プライス、 山下裕二=インタビュアー、小学館、2007)
・・伊藤若沖に惚れ込んでコレクションをつくりあげた米国の実業家ブライス氏。彼の収集のおかげで、われわれは伊藤若沖を再発見することができたのだ。ブライス氏に感謝!

書評『日本文明圏の覚醒』(古田博司、筑摩書房、2010)
・・近代のくびきを離れたいま、ようやく江戸時代のほんとうの姿がわれわれに見えるようになってきた


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