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2012年7月23日月曜日

書評 『原発と権力-戦後から辿る支配者の系譜-』(山岡淳一郎、ちくま新書、2011)-「敗戦国日本」の政治経済史が手に取るように見えてくる


「原発推進政策」を軸にすると、「敗戦国日本」の戦後政治経済史が手に取るように見えてくる

「原発推進政策」を軸にすると、「敗戦国日本」の戦後政治経済史が手に取るように見えてくる、そんな感想をもつ中身の濃い、読み応えのある一冊である。

すでに多くのノンフィクション作家が原発推進をめぐるこの戦後政治経済史について書いているが、本書のいたる所でその分析力の鋭さと洞察力の深さに、なんどもうならされる思いをさせられた。

それは、著者がすでに『田中角栄-封じられた資源戦略石油、ウラン、そしてアメリカとの闘い-』(草思社、2009)において、エネルギー問題を軸にすえた戦後史への鋭い斬り込みを示していることにもあるのだ。

広義の安全保障には、軍事力だけでなく、国民生活の根本にかかわるエネルギー問題と食糧問題が大きな意味をもつ。本書によれば、1970年代の前半の日米「再処理」交渉では、「核不拡散」政策によって、日本の再処理に首をタテにふらなかった米国を押し切って「再処理」へと踏みだした経緯があったのである。

「石油の一滴は血の一滴」という名台詞を吐いたのは第一次大戦当時のフランス首相クレマンソーだが、日本が第二次大戦で敗れ去ったのもまた、エネルギー源である石油が絶対的に不足していたからだ。

「敗戦国日本」が「唯一の被爆国」でありながら、政治家たちが原子力に着目したのはエネルギー問題の観点だけでなく真の国家独立を獲得するために核武装へのつよい憧れが原発推進の「隠れた動機」であったことも、本書ではつぶさに検証される。

権力ときわめて相性のいいのが原子力だ。こと原子力をめぐっては党派を超えて戦時中の大政翼賛会的体質が見え隠れするのはそのためなのだ。

政治家、官僚、電力会社という鉄のトライアングルをめぐる関係も、じつは一筋縄ではいかない複雑さがあることを感じ取り、日本が高度経済成長とひきかえに、いかに国土だけでなく人心をも荒廃させてきたか。

これらのことを知るためにも、ぜひ読んでおきたい本である。


<初出情報>

■amazon書評「「原発推進政策」を軸にすると、「敗戦国日本」の戦後政治経済史が手に取るように見えてくる」(2012年3月26日 投稿掲載)





目 次

はじめに
第1章 「再軍備」が押しあけた原子力の扉
第2章 原発導入で総理の座を奪え!
第3章 資源と核 交錯する外交
第4章 権力の憧憬 魔の轍「核燃料サイクル」
終章 二一世紀ニッポンの原発翼賛体制
あとがき
主要参考文献


著者プロフィール

山岡淳一郎(やまおか・じゅんいちろう)
1959年愛媛県生まれ。出版関連会社、ライター集団などを経て、ノンフィクション作家へ。「人と時代」「21世紀の公と私」を共通テーマに近現代史、建築、医療、政治など分野を越えて旺盛に執筆。主な著書に『国民皆保険が危ない』(平凡社新書)、『医療のこと、もっと知ってほしい』(岩波ジュニア新書)、『狙われるマンション』(朝日新聞出版)、『成金炎上昭和恐慌は警告する』(日経BP社)、『後藤新平 日本の羅針盤となった男』『田中角栄封じられた資源戦略』(ともに草思社)、『日本を大切にする仕事』(英治出版)などがある。(本データは出版社のサイトから転載)。




 <関連サイト>

「潜在的核保有国・日本」への不信 オバマが安倍から「核」取り上げた(山田厚史 [デモクラTV代表・元朝日新聞編集委員]、ダイヤモンドオンライン 2014年3月27日)
・・「米国は日本の原子力技術の水準を認め、潜在的核保有を半ば容認しながら管理下に置いて利用してきた。その一方で、国際原子力機関(IAEA)を通じて日本の核物質管理を徹底して監視している。 「IAEAの査察で最重点に置かれているのが日本です。用途が定かでないプルトニウムや高濃縮ウランをこれほど大量に保有いている国はないからです。兵器転用が疑われているということです」 経産省の官僚は言う。そんな国が「戦後レジームからの脱却」に本気で動き出したら穏やかではないと、他国は思うだろう」  こういう見方がけっしておかしなものではないことは知っておくべきだ


<ブログ内関連記事>

書評 『田中角栄 封じられた資源戦略-石油、ウラン、そしてアメリカとの闘い-』(山岡淳一郎、草思社、2009)
・・「3-11」の前に出版されたものだが、ぜひ『原発と権力』とあわせて読んでおきたい一冊

書評 『原発事故はなぜくりかえすのか』(高木仁三郎、岩波新書、2000)-「市民科学者」の最後のメッセージ。悪夢が現実となったいま本書を読む意味は大きい
・・原子力産業草創期にエンジニアとしてかかわった著者の軌跡

書評 『津波と原発』(佐野眞一、講談社、2011)-「戦後」は完全に終わったのだ!

書評 『なぜメルケルは「転向」したのか-ドイツ原子力40年戦争の真実-』(熊谷 徹、日経BP社、2012)-なぜドイツは「挙国一致」で「脱原発」になだれ込んだのか?



(2012年7月3日発売の拙著です)





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