出版にあたってインタビューを受けました。
以下に、その全文を転載いたします。
なお、インタビューが行われたのは、ことし2012年4月のことですので、現時点の最新情報とはズレがある箇所もありますので、あらかじめご了承ください。
(Q1) 佐藤さんのプロフィールに、「ミッションは、「自分で考え、自分で行動し、地球上どこでもやっていける「個」としての日本人を一人でも多く創り出すこと」。」 とあります。 「個」としての日本人が増えると、たとえば私たちの身近な場面では、どんな良い影響があるのでしょうか?
(A) マスコミ報道やウワサに左右されずに、自分で判断できる人が増えると、日本もいまよりか、はるかにいい国になると思います。
日本人は見えない「世間」という縛りのなかで生きているので、ついつい他人に同調していまいがちですよね。「空気」を読むことは必要ですが、過剰にあわせるとストレスもたまるし、あまりいいことはありません。周りにあわせる協調性は大事ですが、自分のなかに確かなものをもっていれば、まわりに流されることもないし、精神的にもラクに過ごせるようになると思います。
また、「個」として生きることは孤立の「孤」ではなく、「個」と「個」をつないだネットワークのなかで生きることでもあるので、本当の信頼関係をつくることもできるようになります。「3-11」で「安全神話」が完全に崩壊してしまいましたが、「安心」というものがいかにもろいものであることか多くの人が実感したことでしょう。
とはいえ、自分や自分の家族の生命財産は自分で守るという姿勢がでてきたのはいいことですし、とくに子育て真っ最中の女性を中心に放射能について「自分で考えて行動する」という動きがでてきたことは、草の根で日本が変わっていくためのキッカケになったと考えています。
(Q2) また、「個人を育てる」という意味において、現在の教育業界に「物申したい!」というようなことはありませんか?
(A) 高校や大学の授業でも、また社会人向けのセミナーでも、テレビ放送のような一方通行のレクチャーが多すぎて、「対話」するチカラが鍛えられていません。生徒や学生のひとりひとりとキチンと向き合うったワークショップ型の教育が必要でしょう。
「ハーバード白熱教室」のサンデル教授が注目されたのは、授業内容もさることながら、「対話」重視の姿勢が日本人には新鮮に映ったためではないかと考えています。
また、受験科目にないという理由で、理科や社会が選択されないのは大きな問題だと考えています。
昨年2011年の最大の驚きは、学校で放射能の授業がなくなってから、なんと30年もたっていたということ。理科のリテラシーを高めることは、自分の自分にかかわる人たちの生命を守ることにもなるので、取り組みを真剣に行ってほしいとつよく思います。
そのためには、「学びは遊び」、「好きだからやる」という子どもの姿勢を持ち続けることができるような教育を目指してほしいものです
(Q3) フェイスブックでは猫の投稿が多く見られます。あまりに表情豊かな猫の写真に「プロが撮ったものでは?」と思うこともあります。佐藤さん・・・もしや猫と会話できる能力をお持ちではありませんか?(笑)
(A) いえいえ(笑) さすがにネコと会話はできませんが、ネコが何を考えているのだろうか、感じているのだろうかは、なんとなくわかります。もともと動植物が好きで、とくに魚がすきでしたので、「さかな君」になるはずだった人です(笑)
ネコの習性をよく観察していると、何を考えているかは読み取れるようになるのですよ。観察の際に重要なのは、「なぜ?」という素朴な疑問と自然科学者のような「仮説と検証」です。
また、過剰な思い入れや思い込みなしに観察することですね。わたしの場合は観察対象がノラネコたちですので、「うちの子」ではありません(笑) だから、過剰な思い入れがないのだと思います。
(Q4)アジアの国々の事情にたいへんお詳しい佐藤さん。今一番注目していらっしゃるのはどの国ですか? また、その理由は?
(A) それはなんといってもミャンマーですね! 「民主化」が急展開で進んでいることや、「最後のフロンティア」といったビジネス的な意味についてはニュースでも報道されているのでご存じの方も多いと思います。
ミャンマーは親日の仏教国。タイは日本人にも人気の高い観光地ですが、ミャンマーもじつに魅力的ですよ。また、ミャンマー人のほうが、はるかに日本人に近いと思います。顔立ちも性格もよく似ていますし。ミャンマー料理は、タイ料理とはぜんぜん違いますが、美味しいですよ!ぜひ一度ミャンマー料理店で食べてみてください。カレーも麺もすごく美味しいです。
(Q5) 出版を数ヵ月後にひかえ、みなさんにメッセージをお願いします。
(A) まだ正式なタイトルは決まっていませんが、「アタマの引き出しの増やし方」(仮題)として、今年の7月に こう書房 から出版される予定です(・・インタビュー時点の発言です)。
この本は、「守備範囲の広い人」、「引き出しの多い人」などという評価をいただいてきた私が、自分自身のこれまでの経験をもとに、「雑学」を身につけて「引き出し」を増やしたい願うビジネスパーソンのために書いたものです。
とくに20歳代から30歳代前半のビジネスパーソンをターゲットにしたビジネス書ですが、「引き出し」をもっと増やせと部下にはアドバイスしながらも、その方法論をキチンと説明するのに困難を感じているマネージャーの方々、従業員には「引き出し」の多い人になって、豊かな発想をもとにビジネスを創り出してほしいと願っている経営者の方々、参加者のさまざまな意見をさばく必要のあるファシリテーター、また教育関係者などさまざまな方々に読んでいただけるものになっていると思います。
「引き出し」の増やし方と活性方法について、ぜひ参考にしていただければと考えています。この本を読んで、ぜひ雑学豊富でイノベーティブな人を目指してほしいと思います。乞うご期待!
(出典):T嬢のコンセプトワークス備忘録
http://ameblo.jp/cw-kitasandou/entry-11231327881.html
http://ameblo.jp/cw-kitasandou/entry-11231569924.html
(2012年7月3日発売の拙著です)
<関連サイト>
株式会社ケン・マネジメント 公式サイト
http://kensatoken.com/
こう書房の『人生を変えるアタマの引き出しの増やし方』のサイト
http://www.kou-shobo.co.jp/book/b102659.html
⇒ このサイトから「はじめに」「目次」「序章」「第1章一部」が読める立読み版PDF(無料)がダウンロードできます。
人生を変えるアタマの引き出しの増やし方(本についての facebookページを開設しました)
http://www.facebook.com/atamanohikidashi
<新聞の書評欄で取り上げられました>
⇒ 日刊工業新聞(2012年11月22日付け)で『人生を変えるアタマの引き出しの増やし方』(佐藤けんいち、こう書房、2012)が紹介されました!
⇒ 「サンケイビジネスアイ」(SankeiBiz)に『人生を変えるアタマの引き出しの増やし方』(佐藤けんいち、こう書房、2012)の紹介が掲載されました。 (2012年10月24日)
<ブログ内関連記事>
書評 『「空気」と「世間」』(鴻上尚史、講談社現代新書、2009)
コロンビア大学ビジネススクールの心理学者シーナ・アイエンガー教授の「白熱教室」(NHK・Eテレ)が始まりました
NHK・Eテレ 「スタンフォード白熱教室」(ティナ・シーリグ教授) 第8回放送(最終回)-最終課題のプレゼンテーションと全体のまとめ
「ハーバード白熱教室」(NHK ETV)・・・自分のアタマでものを考えさせるための授業とは
ダイアローグ(=対話)を重視した「ソクラテス・メソッド」の本質は、一対一の対話経験を集団のなかで学びを共有するファシリテーションにある
「理科のリテラシー」はサバイバルツール-まずは高校の「地学」からはじめよう!
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