「アタマの引き出し」は「雑学」ときわめて近い・・日本マクドナルド創業者・藤田田(ふじた・でん)に学ぶものとは?

◆「アタマの引き出し」つくりは "掛け算" だ : 「引き出し」 = Σ 「仕事」 × 「遊び」
◆酒は飲んでも飲まれるな! 本は読んでも読まれるな!◆ 
◆一に体験、二に読書、その体験を書いてみる、しゃべってみる!◆
◆「好きこそものの上手なれ!」◆

<旅先や出張先で本を読む。人を読む、モノを読む、自然を読む>
トについてのブログ
●「内向きバンザイ!」-「この国」日本こそ、もっとよく知ろう!●

■■ 「むかし富士山八号目の山小屋で働いていた」全5回 ■■
 総目次はここをクリック!
■■ 「成田山新勝寺 断食参籠(さんろう)修行(三泊四日)体験記 」全7回 ■■ 
 総目次はここをクリック!
■■ 「庄内平野と出羽三山への旅」 全12回+α - 「山伏修行体験塾」(二泊三日)を中心に ■■
 総目次はここをクリック!


「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!

「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!
ビジネス寄りでマネジメント関連の記事はこちら。その他の活動報告も。最新投稿は画像をクリック!



ご意見・ご感想・ご質問 ken@kensatoken.com にどうぞ。
お手数ですが、コピー&ペーストでお願いします。

© 2009~2018 禁無断転載!



2018年9月17日月曜日

潜水艦もの映画を2本続けて見たー『Uボート』と『原子力潜水艦浮上せず』は、艦長のリーダーシップに注目!


ドイツ映画の『Uボート』(1981年)のディレクターズカット版(1996年)と、アメリカ映画の『原子力船浮上せず』(1977年)をDVDで2本続けて見た。

ずいぶん前だが、冷戦時代の米ソ対立を潜水艦の世界を舞台に描いた、トム・クランシー原作でショーン・コネリー主演の『レッド・オクトーバーを追え』は見ているが、上記2本は見たことがなかったからだ。見たいと思いながらも、ずいぶん月日がたってしまった。



『Uボート』は、ドイツが第一次世界大戦から実戦投入した潜水艦だ。Uボートとは、ドイツ語の Unterseeboot の略。Untersee とは、英語でいえば under the sea のことである。水面下を航海するボートということになる。

「通商破壊作戦」で多大な成果をあげて、「7つの海」を支配していた英国を中心とする連合国を震え上がらせた存在であった。「無差別潜水艦作戦」の宣言によって、図らずも米国の参戦を招いて、結果的にドイツの敗戦につながったことは「意図せざる結果」の実例として数えることができるだろう。あまりにも強すぎるドイツが、かえってドイツ敗戦をもたらした皮肉。

映画『Uボート』は、舞台背景は第二次世界大戦末期、ドイツの敗色が濃くなりつつあった時代、占領地フランス北部の軍港から出航したUボートの最期までが描かれる長編映画である。

ディレクターズカット版の『Uボート』は209分ときわめて長い。3時間以上もある。正直いってくたびれた。見るのに体力を要する。だが、後半の1/3の、攻撃によって海底に沈没したU96潜水艦が自力で浮上を試みるシーンは、重苦しくて精神的圧迫感を受けながらも、手に汗握る思いがした。予想外のラストシーンには、さすがヨーロッパ映画だな、という感慨をもつ。予定調和でハッピーエンドが常道のハリウッド映画にはありえない結論だ。

『Uボート』で印象的ななのは、艦長はじめ士官クラスが、ときおり英語を交えてしゃべっている点である。潜水艦内で「遥かなティペラリー」(It's a Long Way to Tipperary)を合唱するシーンもあった。交戦国の英国で、第一次世界大戦で流行した歌謡曲である。いったん航海が始まれば、完全に艦長が支配する世界となる潜水艦においては、ヒトラーに迎合する姿勢がいっさい見られないのである。



『原子力船浮上せず』(原題は Gray Lady Down)は、日本語タイトルどおり、大型船との接触事故でノルウェー沖の大西洋の海底に沈没した潜水艦が、紆余曲折を経ながら救助される救出作戦とを描いた作品だ。退役間近で最後の航海となった艦長のリーダーシップと、部下の犠牲に直面して苦悩する内面を描いたものでもある。こちらも重苦しくて精神的圧迫感を受けながらも、手に汗握る思いで最後の最後まで引きつけられた。

第二次世界大戦で猛威を振るったドイツ海軍のUボートはディーゼルエンジン、1970年代のアメリカ海軍は原子力エンジン。1970年代の米国の原子力潜水艦(・・これは、まさに米ソ冷戦時代)と比べると、1940年代のディーゼルエンジンのUボートがなんと牧歌的なことか、という印象を受ける。

映像を見ていると、基本性能だけでなく。居住性の違いも歴然としている。Uボートの居住性の悪さは、かなり印象的だ。バラストを海水だけでなく、隊員の移動でおこなっている。

この2つの映画に共通するのは、「沈没した潜水艦」が浮上するというテーマだ。ジブラルタル海峡の強行突破作戦に失敗し、連合軍の攻撃で沈没してしまった『Uボート』では、自力での再浮上に成功し、大型船との衝突で海底に沈没した『原子力潜水艦浮上せず』では救出作戦によってかろうじて隊員が脱出できる設定になっている。

「沈没した潜水艦」は、文字通り「鉄の棺桶」状態。浮上できなれば全員死ぬことになる。兵と下士官 だけでなく士官クラスにも、パニックで精神に変調を来してしまう者がでてくるのも当然だろう。

結局のところ、乗組員の命が助かるかどうかは艦長のリーダーシップ次第なのだということなのだ。沈着冷静な態度に徹し、弱音は絶対に部下の前では吐かない、弱気な態度は絶対に部下の前では見せない。弱気は不安を呼び起こすからだ。 

潜水艦映画とは、つまるところ「リーダーシップの教科書」なのだな、と。








<ブログ内関連記事>

『レッド・オクトーバーを追え!』のトム・クランシーが死去(2013年10月2日)-いまから21年前にMBAを取得したRPIの卒業スピーチはトム・クランシーだった

マンガ 『沈黙の艦隊』(かわぐちかいじ、講談社漫画文庫、1998) 全16巻 を一気読み

映画 『キャプテン・フィリップス』(米国、2013)をみてきた-海賊問題は、「いま、そこにある危機」なのだ!

海上自衛隊・下総航空基地開設51周年記念行事にいってきた(2010年10月3日)
・・潜水艦を発見するための対潜哨戒機の練習基地

書評 『平成海防論-国難は海からやってくる-』(富坂聰、新潮社、2009)-「平成の林子平」による警世の書

書評 『海洋へ膨張する中国-強硬化する共産党と人民解放軍-』(飯田将史、角川SSC新書、2013)-事実を淡々と述べる本書で正確な認識をもつことが必要だ




(2012年5月18日発売の拙著です)




(2012年7月3日発売の拙著です)


 






Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!






end

2018年9月16日日曜日

山崎豊子の最後の小説であり遺著となった『約束の海』(2014年刊行)-未完の作品だが読む価値あり


山崎豊子の最後の小説であり遺著となった『約束の海』を読んだ(注*)。ちょうどいまから30年前の1988年、海上自衛隊の潜水艦と遊漁船が衝突して多くの犠牲者が出た「なだしお事件」をモデルにした小説だ。

主人公は28歳の潜水艦勤務の海上自衛隊士官等身大の主人公であるがゆえに読ませるものがある(しかも自分とは1歳違いだ)。構想段階では第三部まであったようだが、第一部が完成した段階で著者が亡くなった。そのために遺著となってしまったが、読み応えのある小説だった。

読んでいて思い出したが、30年前の「なだしお事件」での自衛隊バッシングは、それはもうひどいものだった時代背景は冷戦末期で、主人公たちは日本海でソ連の原子力潜水艦を追尾する任務を遂行している。小説の第一部はベルリンの壁が崩壊した時点で終わる。
   
著者は「あとがき」で、とりわけ取材に苦労したと書いているが、苦労しただけあって海上自衛隊の潜水艦と勤務にかんする記述のディテールが詳しい。それだけでも読む価値のある作品となっている。

ずいぶん昔のことだが、元大本営参謀でシベリア抑留から帰国後に伊藤忠会長にまでなった瀬島龍三をモデルにした大作『不毛地帯』がビジネスパーソン必読書(!)として推奨されていたので読んだことがあるが、もしかすると、この作品がそれにつぐものとなったかもしれないと思うと、残念な気がしないでもしないではない。

とはいえ、未完に終わった『約束の海』は、読んでいろんなことを考えさせる作品だ。一気に読んでしまった。


*2018年5月31日にFBに投稿したもの。加筆修正を加えた上で、ここに再録することにした。




<ブログ内関連記事>

『レッド・オクトーバーを追え!』のトム・クランシーが死去(2013年10月2日)-いまから21年前にMBAを取得したRPIの卒業スピーチはトム・クランシーだった

マンガ 『沈黙の艦隊』(かわぐちかいじ、講談社漫画文庫、1998) 全16巻 を一気読み

海上自衛隊・下総航空基地開設51周年記念行事にいってきた(2010年10月3日)



■日本の「海防」

書評 『平成海防論-国難は海からやってくる-』(富坂聰、新潮社、2009)-「平成の林子平」による警世の書

書評 『海洋国家日本の構想』(高坂正堯、中公クラシックス、2008)-国家ビジョンが不透明ないまこそ読むべき「現実主義者」による日本外交論

書評 『日本は世界4位の海洋大国』(山田吉彦、講談社+α新書、2010)-無尽蔵の富が埋蔵されている日本近海は国民の財産だ!


■「仮想敵国」はソ連から中国へ

書評 『尖閣を獲りに来る中国海軍の実力-自衛隊はいかに立ち向かうか-』(川村純彦 小学館101新書、2012)-軍事戦略の観点から尖閣問題を考える

書評 『海洋へ膨張する中国-強硬化する共産党と人民解放軍-』(飯田将史、角川SSC新書、2013)-事実を淡々と述べる本書で正確な認識をもつことが必要だ

書評 『語られざる中国の結末』(宮家邦彦、PHP新書、2013)-実務家出身の論客が考え抜いた悲観論でも希望的観測でもない複眼的な「ものの見方」




(2012年5月18日発売の拙著です)




(2012年7月3日発売の拙著です)


 






Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!






end

2018年9月15日土曜日

喉元過ぎれば熱さを忘れる?-「リーマンショック」から10年(2018年9月15日)


2018年9月15日は、その後「リーマンショック」と呼ばれることになった「世界金融危機」が勃発してから10年になる。1998年のこの日、アメリカの大手証券会社リーマンブラザースが破綻したのだ。

もうすっかり忘れているかもしれないが、「リーマンショック」は、その日突然というよりも、その後じわじわと世界中に拡がっていく性格をもった金融危機であった。日本もまた例外ではなく、そのなかに巻き込まれたのであり、気がついたときには不況のまっただ中に放り出されていた。

日本では、さらにさかのぼること、その10年前、すなわち1998年には長銀が破綻している。長銀とは、いまは亡き日本長期信用銀行のことだ。ことしはリーマンショックから10年の年であるとともに、長銀破綻から20年の年でもある。私自身その渦中にいただけに、記憶はナマナマしい。

1997年から始まった日本の金融危機が、三洋証券、山一証券と波及し、その翌年には長銀、日債銀が破綻して国有化、金融業界も再編と集約化が一気に進むことになった。今は昔の物語である。その当時はまだ生まれていなかった大学生1年生にとっては、すでに日本近現代経済史の一コマかもしれない。

このように振り返ってみると、ことし2018年が金融危機の年と連想されてもおかしくないのだ。はたしてどうなるかはわからないが、リーマンショック級の金融危機が発生しないことを祈りたい。

すくなくとも、2008年の「世界金融危機」の発生源となったアメリカ経済について、とくに金融という側面から考えるうえで読むことを勧めたいのが『超・格差社会アメリカの真実』(小林由美、文春文庫、2009)だ。これは2006年の日経BP版の増補版。資本主義の総本山であるビジネス国家アメリカを理解するためには、必読書といっていい。

同著者の第2弾である超一極集中社会アメリカの暴走』(新潮社、2017)は、もう格差が止まらないどころか、勝者総取り(The winner takes it all)状態のアメリカに絶望さえ感じさせる内容になっている。

こういった本を読んだから、どうなるというものではないが、人間はイヤなことはすぐに忘れていまうことで精神的均衡を保っている面もあることを考えれば、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とならないよう、あえてイヤなことを思い出すことも必要ではないだろうか。

つぎの金融危機が、いつになるかは現時点ではわからないが・・。備えあれば憂いなし!?






<ブログ内関連記事>

書評 『マネー資本主義-暴走から崩壊への真相-』(NHKスペシャル取材班、新潮文庫、2012 単行本初版 2009)-金融危機後に存在した「内省的な雰囲気」を伝える貴重なドキュメントの活字版

書評 『世紀の空売り-世界経済の破綻に賭けた男たち-』(マイケル・ルイス、東江一紀訳、文芸春秋社)-アメリカ金融業界の周辺部からリーマンショックに迫る人間ドラマ

書評 『ブーメラン-欧州から恐慌が返ってくる-』(マイケル・ルイス、東江一紀訳、文藝春秋社、2012)-欧州「メルトダウン・ツアー」で知る「欧州比較国民性論」とその教訓

書評 『超・格差社会アメリカの真実』(小林由美、文春文庫、2009)-アメリカの本質を知りたいという人には、私はこの一冊をイチオシとして推薦したい

CAPITALISM: A LOVE STORY 
・・ムーア監督2009年の作品『キャピタリズム-マネーは踊る』

『資本主義崩壊の首謀者たち』(広瀬 隆、集英社新書、2009)という本の活用法について

「宗教と経済の関係」についての入門書でもある 『金融恐慌とユダヤ・キリスト教』(島田裕巳、文春新書、2009) を読む




(2012年5月18日発売の拙著です)




(2012年7月3日発売の拙著です)


 






Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!






end

2018年9月11日火曜日

JBPress連載コラム第34回目は、「日本に住みつき「技術」を伝えたドイツ人捕虜たち 戦場は中国・青島、第1次世界大戦で戦った日本とドイツ」(2018年9月11日)


JBPress連載コラム第34回目は、「日本に住みつき「技術」を伝えたドイツ人捕虜たち 戦場は中国・青島、第1次世界大戦で戦った日本とドイツ」(2018年9月11日)⇒ http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54058

今回は、JBPressの編集部による「リード文」がついてますので、そのまま引用しておきましょう。 


第1次世界大戦時、日本に多くのドイツ人捕虜がいたことを知っているだろうか。彼らは、中国・青島から連行されたドイツ兵。その一部は大戦後も日本にとどまり、さまざまな技術を伝え、日本の発展に寄与した。第1次大戦において日本が英国と共に実行した「青島攻略戦」と、その後のドイツ人捕虜による知られざる「技術移転」を紹介しよう。(JBpress)

いまから100年前、ハムやソーセージはドイツ人捕虜から日本に伝わったという事実、皆さんは知ってますか?

(つづきは本文で) ⇒ http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54058


次回のコラム公開は、9月25日(火)です。お楽しみに!



<ブログ内関連記事>

フォルクスワーゲンとヒトラー、そしてポルシェの関係

書評 『あっぱれ技術大国ドイツ』(熊谷徹=絵と文、新潮文庫、2011) -「技術大国」ドイツの秘密を解き明かす好著

ドイツ製文房具は機能的でかつデザインもよい-鉛筆に特化したシュテットラー社は「隠れたチャンピオン」

ドイツが官民一体で強力に推進する「インダストリー4.0」という「第4次産業革命」は、ビジネスパーソンだけでなく消費者としてのあり方にも変化をもたらす

「自分の庭を耕やせ」と 18世紀フランスの啓蒙思想家ヴォルテールは言った-『カンディード』 を読む




(2012年5月18日発売の拙著です)




(2012年7月3日発売の拙著です)









Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!






end

2018年9月9日日曜日

船橋名産のホンビノス貝を食べる-白ワインの酒蒸しの場合、フタがあくまで「忍」の一字で!

(ホンビノス貝を白ワインの酒蒸しで 筆者撮影)

ひさびさに船橋名産のホンビノス貝を食べた。 

ホンビノス貝は北米原産。貨物船に付着したり、バラストとして使用されている水と一緒に東京湾に渡来したものらしい。つまり外来種というわけだ。ホンビノスなんていうと外国名みたいだが、じつは漢字で書くと本美之主貝。なんだ、日本語かよ、というネーミング。

最近は東京湾の船橋漁港でも国産のアサリの水揚げが減っているが、それに反比例して外来種で繁殖力の強いホンビノス貝の出荷が増加しているというわけだ。そして、ホンビノス貝は東京湾に面した船橋漁港のあらたな名産となった。



網焼きのバーベキューという手もあるが、家庭内で料理するには白ワインで酒蒸しするのがベターだろう。というわけで酒蒸しに。

ところが、ホンビノス貝は、貝殻が分厚くて、ものすごく重いのだ。そもそも形がハマグリに似ている。このため、おなじ二枚貝のアサリみたいに、あっという間にパカパカとフタがあいてくれるわけでない




意固地といえるくらい、フタがあくまですごく時間がかかるので、白ワインの量も想定よりも多めにしないといけない。そうでなければ、途中で注ぎ足さねばならない。ひたすら「忍」の一字でフタが開いてくれるのを待つのみ。正確な時間は計っていなかったが、5分くらいかかっているのではないか?



だが、身は肉厚でプリプリの食感で旨い! ハマグリみたいなもんだからね。食べ応えもある。とくに白ワインにはよくあう。 酒蒸しで食べるのもいいが、白ワインとニンニクと唐辛子で出したスープは、パスタにからめて食べるべきだったな、とちょっと後悔。

次回は、ホンビノス貝のパスタにしよう。千葉県外にも流通しているのかどうか知らないが、もし見かけたら一度は試してみることをお薦めしますよ。





<ブログ内関連記事>

8月最後の日に海を見に行く(2018年8月31日)-東京湾に残る貴重な浅瀬と干潟の船橋の三番瀬は「生物多様性」の宝庫

船橋漁港の「水神祭」に行ってきた(2010年4月3日)

"昭和ノスタルジー"な一夜・・・船橋漁港直送 「いわし料理 ふなっ子」にて

クラゲを英語で jellyfish というわけ-クラゲは円盤状で弾力性のある透明なゼラチン質のかたまり

ふなっしーにとって「非公認」こそ増殖する「ゆるキャラ」のなかでの "勲章" であり "差別化" ポイントだ




(2017年5月18日発売の拙著です)





(2012年7月3日発売の拙著です)









Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!







end

2018年9月4日火曜日

書評 『王室と不敬罪-プミポン国王とタイの迷走-』(岩佐淳士、文春新書、2018)-このタイトルではバンコク紀伊國屋書店の店頭に並ぶことはないだろう


『王室と不敬罪-プミポン国王とタイの迷走-』(岩佐淳士、文春新書、2018)という本が出版された。8月20日にでたばかりの今月の新刊だ。amazonで購入して、さっそく読んでみた。

それにしても、タイトルがあまりにも直球ど真ん中すぎる。タイに現在も関わっている人、過去に関わったことのある人なら、あらためて言わずもがなことだろう。こんなタイトルの本を出版するとは、この著者はよほど腹が据わっているのか、それとも・・?

2014年の最新のクーデター以降、いまだに民政移管が実現せず軍政が続いているタイ王国。立憲君主制のタイであるが、王政と民主主義の関係は、プミポン国王ラーマ9世がご健在であられた頃とはまったく様相を異にしている。民主化(といっても限定付きだが)以前の軍政時代のミャンマーを想起しないわけにはいかないのである。

ところが、この本は実際に読んでみると、タイトルから連想されるほどの刺激的な内容ではないことがわかる。参考文献をよく読みこなしたうえで関係者へのインタビューによるナマの声を拾い上げ、現在に至るタイ現代史を一般読者向けによく整理した内容になっている。タイにかんするホンネとタテマエの落差を明らかにした内容だ。

ただし、その参考文献のなかには、具体的な書名はここには書かないが、タイには持ち込み禁止の英文文献も含まれている(・・その英文書籍は、私も通読している。日本国内では入手可能だ。だが、出版されてから12年もたつが、日本での翻訳が出る気配もないのはなぜ?)。

個々の事象にかんして、著者自身の個人的な見解も加えられているが、私もその見解にはおおむね同意する。とかく王室関連の話題は、それこそ「不敬罪」のからみがあるので検証不可能なものが多い。そのため、推論するしかないのだ。

ただし、間違ったクチコミ情報が多いので、情報は精査する必要がある。フェイクニュース対応に限らず、情報リテラシーが求められるところだ。これは「不敬罪」が存在するタイでは、なおさらのことだろう。


2014年クーデターから新国王即位までのタイ情勢

著者は、毎日新聞の記者で2012年4月から2016年9月までバンコクに駐在していた外信記者。まさにその赴任期間中にクーデターが発生し、現在まで続く軍政が開始されただけでなく、プミポン前国王の崩御とワチラロンコーン新国王即位があった。この本のもとになったのは毎日新聞に連載された記事とのことだ。 私はその記事は読んでいない。

だが、こんなストレートで直球なタイトルの本は、たとえ日本語であってもタイ国内への持ち込みは不可だろう。バンコク空港の税関で検査官にカバンを開けられて見つかったら、英語文献ほどその可能性は大きくないが、即没収される可能性もある。常識的に考えれば、この著者にタイ再入国許可が下りない可能性が高いし、無理に再入国は考えないほうが無難であろう。


(Kinokuniyaのネット書店の在庫状況 左からタイ、シンガポール、マレーシア 2018年9月2日現在の情報)

海外に出店している日本の紀伊國屋書店のネット店(Bookstore Kinokuniya)で在庫確認してみるとよい。東南アジアのタイ、シンガポール、マレーシアで在庫検索してみたところ、案の定タイでは在庫確認はおろか、タイトルさえ検索できなかった(上掲の画像の一番左がタイ)。皆さんも試みてみるといいだろう。タイの紀伊國屋書店の日本語書籍のサイトは以下のとおり。⇒ https://thailand.kinokuniya.com/t/books/japanese-books

著者も新聞社も、タイでは販売はおろか著者も再入国不可能の可能性もあることは想定内のことなかどうかは知らない。この本に書かれた内容は、タイの政治経済に関心のある人(・・とくに実際にかかわっている人)にとっては、当たり前と思えるようなことも多いので、イマイチといった感想が出るだろうし、あまり関心のない人にとってはどうでもいいようなことかもしれない。タイに興味はあるが、詳しくは知らないといった読者向けというべきだろう。

とはいえ、これをもって「不敬罪と王室」にかんする一般論にはしないほうがいい。タイのエスタブリッシュメントが、現在世界中に蔓延しているポピュリズムを否定しているという点をもって、素晴らしいなどとはとは思わない方がいい。あくまでも、タイという固有のコンテクストのなかで解釈すべき事象だからだ。


「王政と民主主義はそもそも本来相容れない」???

本書を貫くスタンスにかんして私が違和感を感じたのは、著者が「王政と民主主義はそもそも本来相容れない」とアタマから決めてかかっていることだ。

1976年生まれという世代のせいなのだろうか、受けてきた教育のせいなのだろうか、それとも勤務先の毎日新聞社のスタンスによるものなのか? 著者の念頭には「立憲君主制の本家本元である英国」の存在が欠けているような印象を受ける。

たしかに「タイ式民主主義」は、米ソ冷戦時代の反共政策のもとに生まれてその後定着した歴史的な産物であり、その有効性は現在では大幅に形骸化してしまっている。

不敬罪」など存在しなければ、問題も発生しないということもまた、否定しようのない事実ではあり、現代に生きる日本人としては、「不敬罪」が野放図に乱用されている現状が望ましいとはとても思えない。治安維持法が存在した戦前の日本を知識と知っていれば、当然の反応だろう。

だが、タイ王国のゆくえは、タイ国民自身が考えるべき問題であり、そのことは絶対に忘れてはいけないことだ。ビジネスであれ、それ以外の分野であれ、関係者は状況を正確に把握し、将来を予測するために、あくまでも本書に記載された知識を活用するというスタンスに徹しなければならないのである。知識として知ってくことは重要だが、クチに出してぺらぺらと語るようなことではない。

そのためには、最新情報を踏まえて執筆された本書は、タイについてあまり知らない人にとっては、ある意味では役にたつ内容となっているといえよう。「不敬罪」をタブー視しない英語文献なら多数あるが、日本語でこのテーマにかんして書かれた本は少ないからだ。 

もっとも、タイといえば、観光(とくに夜の)にしか関心のない層には、まったく無縁の内容だろうが(笑)




目 次 
プロローグ 「タイ式民主主義」の光と影  
第1章 プミポン治世の終末  
第2章 「タイ式民主主義」とは何だったのか 
第3章 タクシンは「反王制」なのか 
第4章 2014年クーデターの真実 
第5章 プミポン国王後のタイ  
エピローグ
謝辞
主要参考文献



著者プロフィール 
岩佐淳士(いわさ・あつし) 
毎日新聞外信部記者。1976年神奈川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。2001年毎日新聞入社。福島支局を経て2006年4月に東京社会部。東京社会部では東京地検特捜部を担当し、小沢一郎氏の資金管理団体「陸山会」を巡る政治資金規正法違反事件などを取材した。2010年4月に外信部に異動。2012年4月から2016年9月までアジア総局(バンコク)特派員。タイやミャンマーなど東南アジア各国の政治・社会のほか、中国とフィリピン、ベトナムが対立する南シナ海の領有権問題などを取材した。2016年10月、東京本社に帰任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)







<ブログ内関連記事>

JBPress連載第12回目のタイトルは、「タイではなぜクーデターがスムーズに行われるのか-「勅令・枢密院・不敬罪」3つのキーワードでタイを理解する(2017年11月7日)

タイのあれこれ (8)-ロイヤル・ドッグ 
・・「タイ語のマンガ版が興味深いのは、タイ王国憲法では、「神聖にして絶対不可侵」の存在である国王陛下を(・・戦前の大日本帝国憲法と同じ)、いかにマンガに登場させるかという点にかんして作者が大いに悩んだという。その結果、国王陛下はすべて白塗りで、透明人間のような描き方となった」

書評 『タイ 混迷からの脱出-繰り返すクーデター・迫る中進国の罠-』(高橋徹、日本経済新聞出版社、2015)-「2014年クーデター」は「混迷からの脱出」を可能としたか?
・・プミポン国王在世の末期まで扱っている

『Sufficiency Economy: A New Philosophy in the Global World』(足るを知る経済)は資本主義のオルタナティブか?-資本主義のオルタナティブ (2)
・・プミポン国王が主唱した仏教経済哲学。これと対立していたタクシン首相の新自由主義的な経済思想

JBPress連載コラム第31回目は、「まるでスイスのような知られざるタイの避暑地-タイ北部の山岳地帯でコーヒーが栽培されるまで」(2018年7月31日)

タイ王国のラーマ9世プミポン国王が崩御(2016年10月13日)-つひにゆく道とはかねて聞きしかど・・・

タイのラーマ9世プミポン前国王の「火葬の儀」がバンコクで行われた(2017年10月26日)

「タイのあれこれ」 全26回+番外編 (随時増補中)


この本が面白い!-26年ぶりに再読した『トルコのもう一つの顔』(小島剛一、中公新書、1991)、そしてその続編である漂流する『漂流するトルコ-続「トルコのもう一つの顔」』(旅行人、2010)
・・著者は、トルコ共和国への再入国禁止を2回くらっており、2回目の禁止は現在に至るまで解けていない




(2017年5月18日発売の拙著です)





(2012年7月3日発売の拙著です)









Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!







end