映画『ドローン・オブ・ウォー』(2014年、米国)を amazon prime video で視聴。102分。原題は Good Kill、意味は「任務完遂」。Good Job のもじりか。
地上勤務に異動し、攻撃型ドローンの操縦任務になった元戦闘機パイロットが主人公。オバマ政権下の2011年頃の対テロ作戦をベースにつくられた映画。
ラスヴェガス郊外の空軍基地で、エアコンの効いた操縦室で2人1組で行う対テロ作戦。CIAの指揮命令下で、上空で待機するドローンからピンポイントでターゲットをミサイル攻撃して暗殺する。命中すれば全員即死だ。
これで任務が終わりではない。ドローン攻撃による損害測定(=ダメージ・アセスメント)が必要なのだ。ボディ・カウントである。何人が死亡したか、遠隔操作で目視確認するのである。
ときには、非戦闘員の女性や子どもを巻き添え(=コラテラル・ダメージ)にしてしまうこともある、精神的につらい任務だ。これでは精神的に煮詰まってバーンアウトしてしまう隊員が少なくないのも当然だろう。
映画を見ているこっちも精神的に疲れてくる。こんな任務はイヤだな、と。よほど精神的にタフか、あるいは鈍感でないとできない任務だ。
いま上映中の『トップガン マーヴェリック』は、海軍の戦闘機パイロットのアクションものだが、時代は遠隔操作のドローンへと移行しつつある。戦闘機パイロットは、絶滅危惧種となりつつあるのだ。
その意味では、『トップガン』はそう遠くない将来にファンタジー、あるいはノスタルジー映画として回顧されることになるのだろうな。
遠隔操作でピンポイント攻撃するのは、現時点ではまだ人間の操作によるものだ。だが、いずれ AI によって完全自動化されるのだろう。そのときには操縦者はいないので、精神的葛藤もなくなるのだろうが、はたしてそれは倫理的によいことなのかどうか。
そんなことを考えてしまう。
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