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2017年12月20日水曜日

全国民にガスマスクを配布せよ!ー 湾岸戦争(1991年)の際、イラクからのミサイル攻撃の脅威にさらされていたイスラエルは国民にガスマスクを無償配布した

(イスラエル政府が配布したガスマスク マイコレクションより)

冒頭の写真のこのガスマスクは、留学のため米国滞在中、ミリタリー関連のカタログ通販で購入したものだ。米国では銃器や刀剣なども通販で購入可能だ。

外箱にはヘブライ語で、「ガスマスク 自己防衛 個人用セット」と書いてある(*ヘブライ語の読解は友人の中東アフリカ料理研究家の教示による。ヘブライ語は右から左に読む)。

ミリタリーオタクではなくても、ガスマスクや赤外線ナイトビジョンなど、イスラエルがその世界では有名なことは知っておいて損はない。ITセキュリティの存在が有名になる以前から、イスラエルにはサバイバルにかんしての素地がある。

ガスマスクを購入したのは米国に滞在中のことだが、それは1990年から1992年にかけてであった。湾岸戦争に始まり、その後にソ連が崩壊したという、まさに世界情勢が激変した時期であった。

1991年の湾岸戦争の際、イラクからのミサイル攻撃の脅威にさらされていたイスラエルは全国民にガスマスクを無償配布したのだという。実際に、イラクからのスカッドミサイルがテルアビブでは着弾し死傷者が出ている。イスラエル国防軍が民間企業と共同開発したミサイル防衛システム「アイアン・ドーム」導入(2008年)以前の話だ。

このガスマスクは、そのイスラエルからの放出品(サープラス)だ。無償でイスラエル国民に配布されたガスマスクが、湾岸戦争後には米国でも流通していたというわけだ。イラクからの毒ガス攻撃は回避されたため不要となったのである。

JBPressの連載コラムで「どんな都市? よく分かるエルサレムとテルアビブ-イスラエルの米国大使館「移転」問題の意味を考える」(2017年12月19日公開)を執筆中に、ガスマスク配布にかんするエピソードを思い出した。わたしがイスラエルの渡航したのは、湾岸戦争後の1992年のことである。

(ガスマスクの交換用フィルター 筆者撮影)

フィルターには Zivilschutzfilter 68 とある。ドイツ語である。つまりドイツ製ということだ。zivil は「シビリアン」(=市民の)という意味の形容詞、Schutz は名詞で「保護」、Filter は名詞で「フィルター」。軍用ではなく、市民向けの保護フィルターということになる。

Zivilschutzfilter 68 はガスマスクとしてはヴィンテージものとしてオークションで売買されているようだ。

マイコレクションのこのガスマスクは、現在に至るまで幸いなことに使用せずに済んでいる。だが、「いま、そこにある危機」である北朝鮮からの攻撃は核ミサイルだけとは限らない。生物化学兵器の可能性もある。コンピュータウイルスによるサイバー攻撃の可能性もある。

ミサイル発射情報である「Jアラート」もいいのだが、日本政府は全国民にガスマスク配布するぐらいのことを検討してみてはどうか? 米国から「イージス・アショア」導入とのことだが、とても勃発する可能性のある「第二次朝鮮戦争」には間に合わない。

極端な話に聞こえるかもしれないが、生物化学兵器による攻撃の可能性はゼロではない。amazonでもイスラエル製ガスマスクは販売されているので、関心のある人は見てみるとよいだろう。






<ブログ内関連記事>

JBPress連載コラム15回目は、「どんな都市? よく分かるエルサレムとテルアビブ-イスラエルの米国大使館「移転」問題の意味を考える」(2017年12月19日)

早いもので米国留学に出発してから20年!-それは、アメリカ独立記念日(7月4日)の少し前のことだった

『イスラエル』(臼杵 陽、岩波新書、2009)を中心に、現代イスラエルを解読するための三部作を紹介

Pen (ペン) 2012年 3/1号(阪急コミュニケーションズ)の「特集:エルサレム」は、日本人のための最新のイスラエル入門ガイドになっている

映画 『戦場でワルツを』(2008年、イスラエル)をみた

『イスラエルのハイテクベンチャーから学ぶ会』に参加-まずはビジネスと食事から関心をもつのがイスラエルを知る近道であろう

書評 『アップル、グーグル、マイクロソフトはなぜ、イスラエル企業を欲しがるのか?』(ダン・セノール & シャウル・シンゲル、宮本喜一訳、ダイヤモンド社、2012)-イノベーションが生み出される風土とは?

書評 『無人暗殺機ドローンの誕生』(リチャード・ウィッテル、赤根洋子訳、文藝春秋、2015)-無人機ドローンもまた米軍の軍事技術の民間転用である

書評 『イスラエルとユダヤ人に関するノート』(佐藤優、ミルトス、2015)-プロテスタント神学 × インテリジェンスという独自のポジションから読み解く

イスラエル産スウィーティーの季節


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2015年5月21日木曜日

「第1回 国際ドローン展」に行ってきた(2015年5月20日)-百聞は一見にしかず!

   (自律制御システム研究所の大型有線給電型ドローン)

幕張メッセで本日(2015年5月20日)から3日間にわたって開催中の「第1回 国際ドローン展」に行ってみた。事前登録で入場料無料。
    
「国際ドローン展」とうたっているものの、「テクノ・フロンティア2015」というメカトロニクスとエレクトロニクス分野の要素技術と製品設計関連の展示会の一部であった。ビジネス向けの展示会である。
  
ことし2015年の5月に入ってから、政府官邸に墜落していたことがテレビ報道で大々的に取り上げられてから、日本でもドローン関連の話題が一般化しているが、この展示会は社会で話題になる前に企画されたものであろう、無人機ドローン関連の出展者数は総計50社程度と少ないが、ドローンのビジネス用途を考えるうえではおおいに参考になる。
  
上空からの観測や空撮、監視とセキュリティ、災害現場や農場でのモニターなどでの使用など、多様な用途にすでに取り組んでいる企業の出展があり、見ていてなるほどと思わされた。具体的にいえば、建設現場での活用に取り組んでいるコマツやセキュリティ関連のセコム、それに中日本高速道路などである。法規制の問題は残るが、さまざまな用途での応用が活発に検討されるようになっていることが確認できる。
   
展示会のなかで一番存在感があったのが株式会社自律制御システム研究所の展示。千葉大学の野波研究室における研究成果を商業化するために設立された大学発ベンチャーである。ミニサーベイヤーという商品名で量産化に着手している。飛行実演のデモも行われた。冒頭に掲載した写真は、大型有線給電型ドローン、かなりの大きさである。


自律制御システムのドローンは、室内やトンネル内などGPSが利用できない環境での自律飛行を可能としたことが重要だ。ドローンは基本的に GPS で位置確認し、インターネットを利用した無線によって遠隔制御を行う。これらは、いずれも米国発の軍事技術が起源であるが、その枠組みの外にある技術開発に注目すべきだろう。

いまではあたり前の情報通信技術のインターネット、衛星をつかって位置を特定する GPS(=Global Positioning System)、これらはみな米軍の軍事技術として誕生し、その後に民間に開放されてきたものだ。無人機ドローンもまたそうであり、しかも先にあげたの2つの軍事技術なくしては誕生しなかったものである。無人機そのものはハードウェアだが、無人機の運用はインターネットとGPSを統合したシステムなのである。
  

自分の仕事には直接関係がなくても、あるいはすぐにはかかわらないものであっても、話題になっているものは、自分の目で直接見て確かめるべきだろう。百聞は一見にしかず、である。






<関連サイト>

「第1回 国際ドローン展」(2015年5月20日~22日 幕張メッセ)

「ドローン 可能性と脅威のはざまで」 (NHKクローズアップ現代、2015年5月21日放送)


<ブログ内関連記事>

書評 『無人暗殺機ドローンの誕生』(リチャード・ウィッテル、赤根洋子訳、文藝春秋、2015)-無人機ドローンもまた米軍の軍事技術の民間転用である
・・インターネットとGPS、そしてその延長線上の軍事技術として開発されたドローン

書評 『21世紀の歴史-未来の人類から見た世界-』(ジャック・アタリ、林昌宏訳、作品社、2008)-12世紀からはじまった資本主義の歴史は終わるのか? 歴史を踏まえ未来から洞察する
・・プライバシーがなくなり監視がつよまる世界という未来図

法哲学者・大屋雄裕氏の 『自由とは何か』(2007年) と 『自由か、さもなくば幸福か?』(2014年)を読んで 「監視社会」 における「自由と幸福」 について考えてみる
・・ドローンの普及は、ビジネス面における利便性向上と同時に、上空からの監視の強化にもつながるであろう

(2015年5月22日 情報追加)




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2014年1月18日土曜日

書評『地獄へようこそ ― タイ刑務所/2700日の恐怖』(コリン・マーティン、一木久生訳、作品社、2008)― 無実の罪で投獄された白人ビジネスマンが手記につづるタイの刑務所の恐るべき実態



『地獄へようこそ  ―  タイ刑務所/2700日の恐怖』(コリン・マーティン、一木久生訳、作品社、2008)の原題は Welcome to Hell : One Man's Fight For Life Inside The Bangkok Hilton,  by Colin Martin, 2005.

日本語訳タイトルは原著の直訳であるが、副題は「ある男のバンコク・ヒルトン内部で人生を賭けた闘い」である。まさにそれが「生存をかけ闘い」であることは本書を読むのが一番である。

バンコク・ヒルトン(The Bangkok Hilton)というスラングが英語にはある。もっぱらバンコク在住の「ファラン」たちのあいだで使われている。ファランとはタイ語で白人のことだが、フランス人を意味するフランセが語源だ。

もちろん、「バンコク・ヒルトン」は外資系高級ホテルのヒルトンのことではない。バンコク刑務所のことを指している。そこでは「快適な生活」が保障されるということだ。

著者は無実の罪で逮捕され、バンコクのツーリスト・ポリスで拷問を受け、投獄されたあげく、地獄のような環境のなかで2700日、すなわち約8年(!)の月日を持ちこたえたことを記している。

著者はアイルランド人ビジネスマン。タイのバンコクに本拠を置く詐欺組織に騙され、全財産を失っただけでなく、自力で犯人グループを追うなかで、その一人と取っ組み合いになって殴り殺してしまう。正当防衛ゆえの過失(?)と著者は主張するのだが・・・。

本書の前半は、著者の申告どおり受け取るにはやや疑問がなくはないのだが、白人が白人に騙されるケースもあるのだと知ることは意味のあることだと思う。というのも、バンコクでは日本人が日本人に騙されるケースが後を絶たないからだ。どうしても同じようなバックグラウンドをもっていて同じコトバをしゃべる同朋に安心してしまうのは洋の東西を問わないようだ。

著者を騙してカネを巻き上げた白人男もいくつもの偽名をつかっており、その「不良白人」ぶりには読んでいてあっけにとられる思いをする。

本書の後半は、「バンコク・ヒルトン」の内部での著者の体験を赤裸々に記したものだ。

読んでいて思うのは、これはインサイダーとして体験した者にしか書けないものだなということだ。ディテールの描写がこれでもかこれでもかと続きウンザリしなくもないのだが、タイの監獄の腐敗と不正ぶりにはなんともやってられない気分になる。まるで江戸時代の牢屋のような印象を受ける。

また、おざなりな裁判制度、法治国家ではあるが末端の組織では法律が法律として機能していない。すべてが見て見ぬ振りされているという実態・・・。

とにかくカネがすべてなのである。刑務所向けの予算がついてもすべて獄吏に着服されて受刑者にはいきわたらない現実。なにかあればカネ、カネ。カネさえあれば刑期さえ短くなる可能性もある。「地獄の沙汰もカネ次第」とはまさにこのことだ。

この本に書かれたことがただしいかどうかはわたしには判断しかねるが、もしただしいのであるならば、とにかくタイでは逮捕されないこと、投獄されないこと。犯罪を犯さないことはもちろん、事件に巻き込まれないこともきわめて重要だ。商売敵(がたき)に陥れられるケースは少なくない。

著者も刑務所のなかから裁判を起こしているが、日本よりもスピードがはるかに遅く、かつ真剣さの欠ける法律関係者のため、裁判で勝つのは容易ではない。ましてや外国人であればなおさらであろう。

日本は欧米先進国にくらべて人権後進国だとよく批判されるが、タイの現状はその比ではない。タイ以外の発展途上国もまた似て寄ったりというべきだろう。

読んでいて不快感を覚える描写もなくはないが、こういう本を読んでおくことは、自衛というセキュリティ感覚を向上させるために必要である。「バンコク・ヒルトン」の快適さは、生半可なものではないのだ。


(画像をクリック!)


目 次

序章 賄賂と投獄の選択
第1章 生い立ち
第2章 詐欺の全貌
第3章 執念の捜索
第4章 首謀者を追い詰める
第5章 意外な展開-用心棒の死
第6章 恐怖の拷問
第7章 果たして殺人か?
第8章 地獄への一歩
第9章 刑務所-ジャングルの掟
第10章 初公判
第11章 悪の巣窟-暴力・ギャンブル・レイプ
第12章 刑務所からの告発
第13章 判決
第14章 看守の暴力支配
第15章 結核との闘い
第16章 ムエタイとの出会い
第17章 敗北と恩赦
第18章 過去との決別
終章 明日に向かって
謝辞
訳者解説


著者プロフィール  

コリン・マーティン(Colin Martin)
イギリス生まれのアイルランド人。15歳でアイルランドに戻り、その後再びイギリスに渡って溶接工として働く。結婚し、2人の子供を得たのちにオランダで「スペクタック溶接建設」を起こす。1994年にタイに拠点をおく「海外建設サービス(OCS)」と取り引きをするためにタイに渡航。しかし、これは完全な詐欺で、全財産を騙し取られてしまう。以降、犯人グループ、タイ警察・裁判所・監獄システムの腐敗と7年半に渡って戦う (本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。
翻訳者:一木久生(いちき・ひさお)早稲田大学文学部西洋史学科卒業。出版社勤務を経てフリージャーナリストへ。カンボジア内戦のとき、タイのカンボジア難民キャンプ、ラオス難民キャンプ等を取材。その後、教職を経て再びフリージャーナリストとしてアイルランド各地を回り一年半滞在(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。


<関連サイト>

タイ映画 『わすれな歌』(英語タイトル:Mon-Rak Transistor)に、主人公の田舎のタイ青年が収監されて臭い飯を食うシーンがある



PS タイの監獄に収容されていた日本人元死刑囚の手記が出た

『求刑死刑 タイ・重罪犯専用刑務所から生還した男』(竹澤恒男、彩図社、2017)という本がそれだ。

著者プロフィールには、「栃木県O市でアジア雑貨店を経営。仕入れのために日本とタイを行き来するうちに、ヤーバー(錠剤型覚せい剤)の密輸に手を染めるようになる。2002年12月、バンコクのドンムアン空港で逮捕され、一審で求刑死刑、判決終身刑。二審で懲役30年に減刑され、タイのバンクワン刑務所に服役する。2016年9月、服役14年で、特赦により釈放帰国。」とある。

ぜひ、『地獄へようこそ-タイ刑務所/2700日の恐怖-』(コリン・マーティン、一木久生訳、作品社、2008)と内容を読み比べてみたいものだ。(2017年9月14日 記す)






<ブログ内関連記事>

書評 『タイに渡った鑑識捜査官-妻がくれた第二の人生-』(戸島国雄、並木書房、2011)-「鑑識36年」の著者がタイで体験したマッチョで無茶な生き様

タイのあれこれ (23) DVDで視聴可能なタイの映画-① ムエタイもの、② バイオレンス・アクションもの

書評 『誰も語らなかったアジアの見えないリスク-痛い目に遭う前に読む本-』(越 純一郎=編著、日刊工業新聞、2012)-「アウェイ」でのビジネスはチャンスも大きいがリスクも高い

アジア進出に際しては「失敗事例」を押さえたうえで「成功方法」を考えよう-『なぜ中小企業の中国・アジア進出はうまくいかないのか?』 と 『アジアで成功する企業家の知恵』を読む

タイのあれこれ 総目次 (1)~(26)+番外編


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2011年9月14日水曜日

書評『タイに渡った鑑識捜査官 ― 妻がくれた第二の人生』(戸島国雄、並木書房、2011)―「鑑識36年」の著者がタイで体験したマッチョで無茶な生き様


■タイ警察で鑑識実務を実地指導してきた「鑑識36年」の著者によるマッチョで無茶な生き様をつづった貴重なドキュメント■

 『タイに渡った鑑識捜査官  ―  妻がくれた第二の人生』(戸島国雄、並木書房、2011)は、単身でタイ社会に飛び込んで、カラダを張ってタイ警察で鑑識実務を実地指導してきた「鑑識36年のベテラン」の著者による、マッチョで無茶な生き様をつづったドキュメントである。

 あくまでも「現場」に徹底的にこだわりつづけた著者のエピソードが満載、内容も盛りだくさんで、単行本三冊分以上にも相当する。読んで面白い、じつに貴重なレポートである。

 最愛の妻を病気で亡くし、茫然自失の日々を送っていた54歳の日本警察の鑑識捜査官は、JICA(国際協力機構)が募集していたタイ国派遣事業に応募し合格する。新天地の仕事で気分一新しようと思い立った著者は、二年間の任期の新しい仕事にとりかかるのだが、これが最初から「想定外」のことばかりで、読んでいるこちらがハラハラしてくるほどだ。

 現地での仕事は、基本的に数ヶ月に一回の鑑識セミナーの実施のみ。しかしそれに飽き足りない著者は、一大決心のもと現場に飛び込んで肌身をつうじてタイの現状を把握することからはじめる。「上から目線」の教えてやるではなく、「現場」に飛び込んで現地の鑑識捜査官たちとともに汗を流すことが必要だと悟ったからだ。

 本書で語られているのは先駆者の苦労の数々というべきだが、それにしても、著者が現場で指導するまでのタイ警察の実態には驚かされることばかりだ。著者がタイに飛び込んだ1995年当時は、警察の鑑識などあってないようだと言っても言い過ぎではなかったのだ。タイ人特有の「マイペンライ」意識のいいかげんさと同時に、プロ意識も濃厚なタイ警察の警察官たちの素顔も面白い。

 著者みずからが「現場」に飛び込んでかかわったエピソードのひとつひとつはとてもハンパなものじゃない。数多くの殺人事件、運河でのバラバラ遺体発見、スラム街での火事、バンコクにいる日本の暴力団との命がけの渡り合い、タクシン首相時代の「麻薬撲滅作戦」、クーデター、プーケットを襲った2004年の「インド洋大津波」での膨大な遺体の鑑識作業などなど。まさに、日本人鑑識捜査官によるタイ王国事件簿とでもいったらいいような内容だ。灼熱の国タイは事件においても原色の世界なのだ。

 観光ガイドにはけっして書かれることのないタイとタイ人のほんとうの姿を知りたい人、鑑識捜査官の仕事の実際について知りたい人、タイ人を部下にもっている人、南部のリゾート地に大被害をもたらした2004年のインド洋大津波の被災地の現場がどんな状態であったかを知りたい人にはぜひ薦めたい一冊である。

 ただし、挿入された写真にはボカシが入れてあるが、文章にはボカシはいっさいない。心臓の弱い人は読まない方がいいかもしれないと付け加えておこう。


<初出情報>

■bk1書評「タイ警察で鑑識実務を実地指導してきた「鑑識36年」の著者によるマッチョな無茶な生き様をつづった貴重なドキュメント」投稿掲載(2011年9月13日)
■amazon書評「タイ警察で鑑識実務を実地指導してきた「鑑識36年」の著者による貴重なドキュメント」(2011年9月13日)


(画像をクリック!)


目 次

序 消えた「微笑み」

第一部 鑑識技術に国境はない
 タイ赴任初日の大失態
 謎の言葉「マイペンライ」
 日本人の腎臓を狙った怪事件?
 日本とタイの鑑識の壁
 事件現場につきものの「葬儀団」
 タイに受け入れられた日本の鑑識技術
 やっとタイの食べ物が合ってきた?
 やさしい笑顔
 タイ警察の有名人「トチャイ将軍」
 「日本のヤクザなら撃ち殺せ」
 いまどきの日本の若者
 行方不明になった日本の大学生
 タクシー強盗に間違われる?

第二部 眠らない街バンコク
 チャイナタウンの殺人事件
 運河に漂流する肉片
 蜂に襲われた警官
 タイの麻薬撲滅作戦
 部下がくれた黄金のお守り
 チャオプラヤー川の船舶火災
 長い長いタイの葬式
 邦人殺害事件
 軍事クーデター勃発
 年越しの大火災
 五つ星ホテルの盗難

第三部 悪夢のインド洋大津波
 被災地への出動命令
 「これから何をすればよいのか?」
 津波発生三日目、指紋採取を開始
 刑務所行きを覚悟の「指紋採取」
 スピードアップした指紋採取
 やっと交代できる……
 被災地で迎えた六四歳の誕生日
 初めて出会った日本人ジャーナリスト
 ついに感染症の危険
 足りない棺桶
 日本の鑑識チームと合流
 久しぶりの入浴
 霊がさまよう村
 ボランティアを知らないボランテイア
 世界の歴史に残る仕事をやり遂げた
 長い夜
 事件は続く……

終わりに
著者略歴


著者プロフィール

戸島国雄(とじま・くにお)

1941年1月1日生まれ。1960年自衛隊に入隊、第一空挺団に所属。1965年警視庁巡査。1970年警視庁刑事部鑑識課現場写真係。三島由紀夫割腹事件、三菱重工爆破事件、ホテル・ニュージャパン火災、日航123便墜落事故、オウム真理教関連事件などを担当。警視総監賞部長賞等107回受賞。1995年、JICA(国際協力機構)の専門官として、タイ内務省警察局科学捜査部に派遣され、犯罪捜査および現場鑑識の指導にあたる。1998年帰国。警視庁似顔絵捜査官が設立され、犯人手配用の似顔絵専門捜査官001号の任命証を警視総監より受理。2001年警視庁を定年退職。2002年3月 JICA のシニアボランティアとしてふたたびタイに渡る。警察大佐を拝命。2004年12月、スマトラ島沖地震による大津波発生の直後から被災地に入り、遺体の身元確認に従事。2011年7月帰国。『似顔絵捜査官001号(仮題)』の出版も予定(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。



<書評への付記>

 副題には「妻がくれた第二の人生」とあるが、感傷じみた記述はいっさいない、ハードボイルドな男の第二の人生の記録というべき内容だ。

 出版社の並木書房は、軍関係や警察関連書が中心の出版社だが、その趣味をまったくもたない人には、タイ関連の本でこれほど良書がでたことを失念してしまう可能性があると思い取り上げた。というより、中身はめちゃくちゃ面白い。

 書評にも書いたが、「観光ガイドにはけっして書かれることのないタイとタイ人のほんとうの姿を知りたい人、タイ人を部下にもっている人」には、ぜひ薦めたい。

 専門が何であれ、日本人とタイ人は、同じアジア人仏教徒といっても相違点もかなり多い。この状況を肌身をつうじて体感してきたからこそ語ることのできる内容が満載なのだ。

 とくに興味深いのは、このブログでも何回か書いているが、死体にたいする日本人とタイ人の感覚の大きな違いである。日本人は死体と遺体を完全に区別しているが、タイ人の死体感覚は、ある意味ではキリスト教の欧米人に近いものもある。タイの上座仏教徒は、火葬後はハイを川に流すか山に蒔くかして墓をつくらないのだ。

 「微笑みの国」タイの仏教徒なら、人を殺すハズなどないだろうなんて思う常識は捨てたほうがいい。いとも簡単に人が殺されるのがタイ社会である。なんせ人口比で日本の 7倍も殺人事件が発生するタイである。これは銃器が自由売買されているという事情も大きい。この点にかんしては、日本よりも米国社会に近い。上座仏教のは自力救済の世界である。

 しかも、血だらけの死体の写真がタイ語のタブロイド紙には平然と掲載される。死体とか血に対する感覚がどうも日本人とは違うのだ。いや、ある意味では平安時代末期までの日本に近いのかもしれない。

 本書にも、鑑識のために遺体安置所に入るシーンが何回かでてくるが、著者は魚市場のように無造作に死体が積まれていると、光景を描写している。読んでいるだけで、視覚と嗅覚を中心に五感を刺激される内容だ。

 本書には、日本人がらみでも表沙汰にならない事件が多数紹介されている。現地紙にはでても日本では報道されない事件や、もみ消される事件も少なくないのだ。その意味でも「バンコク事件簿」として目を通しておくことを奨めたい。

 鑑識捜査官の観点から、タイが日本よりもすぐれているのは、タイ国民は15歳になったら全員が指紋を登録しなければならないという制度の存在だ。おかげで、2004年のインド洋大津波で 10名の部下を率いて最初に被災地に入り3カ月間にわたって従事した遺体の身元確認では、これが大いにものをいう結果となったのだ。
 
 バンコクに駐在する日本人ビジネスパーソンたちのように、安全な日本人居住区に住むわけではなく、しかも運転手つきのクルマが提供されるようなご身分ではない。

 著者は、職場ではみずからエアコンのない大部屋で積極的に部下たちと接触し、部下とともに現地食を食べ、実地でタイ語を覚えていくという日々を送っていた。

 完全にタイ社会のなかにどっぷりと溶け込んだ生活が、技術移転を成功に導いただけでなく、肌感覚あふれるタイ社会の内部レポートに結実したといいっていいだろう。



<関連サイト>

【著者に聞きたい】戸島国雄さん『タイに渡った鑑識捜査官』(産経新聞、2011年9月4日)


<ブログ内関連記事>

書評 『地獄へようこそ-タイ刑務所/2700日の恐怖-』(コリン・マーティン、一木久生訳、作品社、2008)-無実の罪で投獄された白人ビジネスマンが手記につづるタイの刑務所の恐るべき実態 (2014年1月18日 追加)

書評 『地雷処理という仕事-カンボジアの村の復興記-』(高山良二、ちくまプリマー新書、2010)
・・あくまでも「現場」に徹底的にこだわりつづける著者と同じマインドをもった、元自衛官によるボランティアの記録

鎮魂!「日航機墜落事故」から26年 (2011年8月12日)-関連本三冊であらためて振り返る
・・遺体鑑識の現場についての報告が『墜落遺体-御巣高山の日航機123便-』(飯塚訓、講談社+α文庫、2001 単行本初版 1998)にある。戸島氏は御巣高山での鑑識作業にもかかわっている

タイのあれこれ (23) DVDで視聴可能なタイの映画-① ムエタイもの、② バイオレンス・アクションもの
・・タイ映画に多いバイオエンス・アクションものは絵空事ではない。その背景をしるためにも本書は必読だ

書評 『三陸海岸大津波』 (吉村 昭、文春文庫、2004、 単行本初版 1970年)

書評 『津波てんでんこ-近代日本の津波史-』(山下文男、新日本出版社、2008)


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2011年5月17日火曜日

「小国」スイスは「小国」日本のモデルとなりうるか?-スイスについて考えるために


    
 先週金曜日(2011年5月13日)のメルマガ KON362【「津波プレイン」で復興へ~スイスのように国民の自立を促す政策が必要だ】~大前研一ニュースの視点で、大前研一さんが「小国スイスに学べ」という趣旨のことを書いていました。

 ちょっと長くなりますが、メルマガの後半部分のスイスにかんする文章を引用させていただきます。


▼ 日本復興にあたって、スイスは研究する価値がある
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 これから日本の復興を考えていく際、スイスという国は研究に値すると私は思っています。

 日本に負けず劣らず資源が少ない国なのに、世界のトップ企業が数多く存在している国です。海外の成功事例として、日本にとっては参考にしたいところです。

 スイスは、国が小さい上に周囲を大きな国で囲まれているという特徴があります。国土の点から見るとオーストリアなど今は比較的小さい国ですが、かつてはオーストリア=ハンガリー帝国という巨大国家として君臨していました。

 そのような環境の中で、スイスはいつでも自分たちが征服されるかもしれないという恐怖を抱え、そして緊張感を持ち続けたのだと思います。国民皆兵制度にも、こうした歴史的な背景が影響しているのでしょう。

 国民性を見ると、まず非常に「国際的」です。スイスの中では、それぞれの地域で主要言語として、フランス語、ドイツ語、イタリア語に加え英語も話されています。

 多国籍企業も多く、海外に勤務している国民も多数います。この点、英語も話せずにドメスティックに過ぎる日本人とは正反対だと言えるかも知れません。

 また直接民主主義ということもあって、驚くほどに「議論」をする国民性を持っています。私は学生の頃ルームメイトにスイス人がいましたが、彼らの議論に向かってくる姿勢は全く日本人と違っていて驚きました。

 そのスイス人の友人とは未だに交友関係がありますが、今でも会えば議論になります。一緒に散歩に出掛けても、散歩の間に議論をけしかけてくるほどです。昔を懐かしむ話をする余裕などまるでありません。

 これがスイス人としての標準で、街の中でも平気で議論しますし、政治経済の事柄に限らず様々なテーマを扱います。

 日本人の国民性とは相当に違いますので、一朝一夕にスイス人のようなメンタリティを身に付けることは難しいかもしれません。そして、もちろんスイスの全てが成功事例という訳でもありません。

 しかしそれでも、研究する価値は十分にあると私は思っています。日本がこれから復興の道を歩んでいくにあたって、スイスという小国 がどのように発展してきたのか、それを学びとしてもらいたいと思います。

(出典)KON362【「津波プレイン」で復興へ~スイスのように国民の自立を促す政策が必要だ】~大前研一ニュースの視点 (2011年5月13日)


 大前さんが書かれているとおり、「直接民主制」のスイスは、大国に周囲を囲まれた小国のためでしょう、「国民皆兵」であるだけでなく、議論するチカラによっても「武装」しているというわけですね。

 ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語と、公用語が 4つあるスイスでは、現在は英語が普及した結果、自分の母語以外に公用語を覚えようとしないという問題点も出てきているようですが、それでも平均的な日本人よりは、はるかに「国際的」であることは、一度でもスイスを訪問したり、スイス人とかかわったことがあればわかることだと思います。

 もちろん、日常使用しているコトバの影響は思っている以上に大きいものがあり、ドイツ語を母語とするスイス国民と、フランス語を母語とするスイス国民とでは、文化面でも、気質の面でも違いがあるようですが、それでも「盟約によって成立したスイス」という国においては、スイス国民は団結するときは団結するのです。

 フランス語世界の啓蒙思想家ジャン・ジャック・ルソーのいう「社会契約論」そのものですね。「直接民主制」の背景にはこの思想があります。ちなみに、ルソーはフランス人ではなく、フランス語圏のジュネーヴ出身で時計職人(!)の子として生まれたスイス人です。

 「盟約という社会契約によって成立したスイス」は、「在りて在る日本」のような自然発生的な国家とは異なりますが、それでも周囲を米国や中国やロシアといった「大国」にかこまれた「小国」という点においては、共通するものがあるといっても間違いはありません。スイスも欧州の「陸の孤島」と形容されることもある、欧州の交通の要衝(ようしょう)でありながら、アプローチがかならずしも容易ではない「山岳国家」です。

 スイスについては、わたしもブログに「書評」という形式をつかって、何本か記事を書いていますので、この場を借りて整理して紹介いたします。


書評  『ブランド王国スイスの秘密』(磯山友幸、日経BP社、2006)
・・ビジネスパーソンにとっては「ブランド王国スイス」という捉え方が面白い

書評 『マネーの公理-スイスの銀行家に学ぶ儲けのルール-』(マックス・ギュンター、マックス・ギュンター、林 康史=監訳、石川由美子訳、日経BP社、2005)
・・「マネーの防衛」というのがスイス流の投機。セキュリティの観点から投資と投機を考える

書評 『民間防衛-あらゆる危険から身をまもる-』(スイス政府編、原書房編集部訳、原書房、1970、新装版1995、新装版2003)
・・スイスといえば、いまでは「国民皆兵」は日本人の常識になったことと思う。スイス人の家庭には、一家に一冊備え付けなのが、この本と銃器一式!

書評 『スイス探訪-したたかなスイス人のしなやかな生き方-』(國松孝次、角川文庫、2006 単行本初版 2003)
・・とはいえ、スイスも曲がり角にきていることが、スイス大使として赴任した國松元警視庁長官のやわらかな筆致で描かれている

1980年代に出版された、日本女性の手になる二冊の「スイス本」・・・犬養道子の『私のスイス』 と 八木あき子の 『二十世紀の迷信 理想国家スイス』・・・を振り返っておこう
・・現在から30年前はまだスイスは観光先としてしか認識されていなかったようだ。そういう現状認識への異議申し立ての内容でもある

「急がば回れ」-スイスをよりよく知るためには、地理的条件を踏まえたうえで歴史を知ることが何よりも重要だ
・・欧州の「陸の孤島」とも形容されるスイス、まずは地形を知り、歴史を知るのが「急がば回れ」となる


 「小国」日本の将来を考えるあたって、わたしは、いい意味も悪い意味もふくめて、さらには「反面教師」としての意味においても、英国、スイス、イスラエル、ポルトガルを徹底研究することが重要だと考えています。

 このうちスイスについては、上記の記事を参考にしていただけると、執筆者としては幸いこれに過ぎるものはありません。



PS その後に書いたブログ記事を追加しておきます。(2014年6月2日 記す)

書評 『ゲームのルールを変えろ-ネスレ日本トップが明かす新・日本的経営-』(高岡浩三、ダイヤモンド社、2013)-スイスを代表するグローバル企業ネスレを日本法人という「窓」から見た骨太の経営書
・・スイスを代表するグローバル企業(多国籍企業)ネスレは、米国流とは異なる経営

映画 『アルプス-天空の交響曲-』(2013、ドイツ)を見てきた(2015年5月28日)-360度のパノラマでみる「アルプス地理学」

ペスタロッチは52歳で「教育」という天命に目覚めた
・・「預言者故郷に容れられず」という格言があるが、理想主義者のペスタロッチの試みは、すくなくとも生前においては故国のスイスでは受け入れられなかった。」

「チューリヒ美術館展-印象派からシュルレアリスムまで-」(国立新美術館)にいってきた(2014年11月26日)-チューリヒ美術館は、もっている!

「フェルディナント・ホドラー展」(国立西洋美術館)にいってきた(2014年11月11日)-知られざる「スイスの国民画家」と「近代舞踊」の関係について知る

(2016年3月7日 情報追加)


<関連サイト>

Swissinfo.ch (スイス放送協会が発信するネットのスイス情報 日本語)
・・「スイスのニュースやビジネス情報、文化、スポーツ、天気予報を提供するプラットフォームです。スイスをあらゆるアングルから捉えた最新情報を日本語で、全世界の読者の皆様にお送りします」(ウェブサイトより)


企業の楽園としてのイメージを失うスイス-国民投票で移民規制を承認、企業や富に対する態度に変化か? (JBPress 2014年2月17日 Financial Times 翻訳記事)
・・「スイス企業に深刻な打撃を与える可能性があるとの警告にもかかわらず、スイスはぎりぎりの過半数で欧州連合(EU)からの移民に割り当てを課すことを決定したのだ・・(中略)・・総合すると、様々な投票は、企業や富に対するスイス国民の態度に根本的な変化があったのではないかという疑問を提起している。」 
金融覇権も失い、そのうえ人材面でも大きな問題を抱えつつあるスイス。直接民主制の弊害も「指摘されている

移民急増を拒絶したスイス国民投票の衝撃-5月の欧州議会選挙で右派勢力に追い風か (熊谷 徹、日経ビジネスオンライン、2014年2月20日)
・・つまりこの国民投票は、グローバル化によって利益を得る大都市の住民と、グローバル化に対して不安を抱く地方在住の市民の対決でもあったのだ」。 

大量移民制限案可決の影響-二つの経済課題に直面するスイス連邦政府-(JETRO、 2014年11月 Pdfファイル)
・・「2014 年2月9日に実施された国民投票で、外国からの大量移民の受け入れ人数を制限す るイニシアティブ(国民発議)がスイス国民の 50.3%の賛成を得て可決された。・・(中略)・・ 改正内容は、スイスで滞在あるいは働く外国人の総数と毎年の受け入れに対し、 数量枠を設けることを規定するものだ。その最大の特徴は、これまで、数量枠の対象とは なっていなかった EU 及び EFTA の加盟国(欧州経済領域)の国籍者に対しても、受け入 れ数に上限を定めることになるという点だ。スイスと EU 間で締結した協定にある「人の 移動の自由」に反する内容である。」

ベーシック・インカム導入案、反対大多数で否決(Swissinfo.ch、2016年6月5日)
・・「働いているか、いないかに関わらず、国民全員に生活に必要最低限のお金を支給するベーシック・インカム(最低生活保障、最低所得保障)導入案は、反対約8割で否決。公共サービスの改善を求めたイニシアチブ(国民発議)と道路財源を巡るイニシアチブも否決。難民法改正案および着床前診断に関する法案は可決された。


(2014年2月18日 項目新設)
(2014年11月21日、2015年9月24日、2016年6月28日 情報追加)

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