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2026年8月23日日曜日

書評『フィリピンと日本人』(野村進、ちくま新書、2026)― 日本とフィリピンは人的交流において切っても切れない関係にある

 

ノンフィクション作家の野村進氏による『フィリピンと日本人』(ちくま新書、2026)を興味深く読んだ。  


文庫化されたその記録である『フィリピン新人民軍従軍記 ナショナリズムとテロリズム』(講談社+α文庫、2003)は、本棚に入れたまま読んでない。いつか読もうと思っているのだが・・・ 

さて本書は、日本とフィリピンの長くて濃い関係を、戦国時代末期の16世紀、豊臣秀吉の時代から現在まで5つのテーマを設定し、オムニバス風にエピソードの束ろしてまとめられている。フィリピンとの濃厚な関係をもつ著者だけに、個人的な体験談や感想が随所にはさみこまれていて面白い。 

「目次」は以下にようになっている。 


プロローグ
第1章 国民的英雄と日本人の恋人 
第2章 豊臣秀吉とフィリピン 
第3章 ドゥテルテはなぜ米国を憎んだか ― 裏切られた比独立運動 
第4章 日本軍政下のフィリピンで何が起きたか 
第5章 独裁者はなぜ奇跡の “無血革命” で追放されたか 
エピローグ 



第1章の「国民的英雄」とは、35歳でスペイン植民地当局によって処刑された独立運動家ホセ・リサール(1861~1896)のことだ。現在でもフィリピンで英雄視されている彼と、日本滞在中の日本人女性との秘められた恋の話など、じつに興味深いではないか!  


(フィリピン独立運動の英雄ホセ・リサール Wikipediaより)

しかも、ホセ・リサールの銅像が、なんと日比谷公園にあるという。いずれ見に行かなくてはならないな。

ホセ・リサール処刑後もフィリピンは独立に向けて動くが、「米西戦争」(1898年)の結果として米国の植民地となって独立運動が挫折、米国による初期の苛烈な統治が日本への憧憬を生むことになる。

ところが、日米戦争の主戦場となることによって状況は反転独立を約束していた米国びいきと、民間人虐殺を招いた日本軍に対する反発が反日姿勢を生み出すことになる。大東亜戦争で日本人の最大の犠牲者を出したのがフィリピンであり、しかもそれはフィリピン人の犠牲をともなうものであったことを日本人は知らなくてはならない。 

日本とフィリピンの関係は、日米関係という要素もあって、あざなえる縄のごとし。なかなか複雑なのだ。

米国と植民地フィリピンの関係、そして米国と占領下日本、その双方に深くかかわることになったのがマッカーサー元帥である。占領下の日本では「農地改革」を断行したマッカーサーも、フィリピンでは行わなかった。このことが現在に到るまで大きな問題を残している。

日本のメディアでフィリピンがもっとも取り上げられたのは「ピープルパワー革命」(1986年)のことだった。わたしも、ベニグノ・アキノ議員の暗殺から、政治の素人であった未亡人のコラソンを担いで成就した結末にいたるまで、メディアをつうじてリアルタイムでフォローしていた。

とはいえ、「ピープルパワー革命」もすでに40年前のことである。本書ではじめて知る読者も少なくないことだろう。アキノ大統領が「農地改革」を実行できなかったことは、さらに知られていないかもしれない。なぜできなかったのか、その意味は本書を読むとよくわかる。本人が華人系の財閥出身であっただけでなく、日本の比ではないほどの、濃密な人間関係のなせるわざである。人間関係とカネは複雑にからまりあっている。

もちろん、現在の日本ではフィリピンといえば、現地の英語学校やオンラインをつうじた「英語留学」が想起されるのだろうか。米国統治時代に米国が普及させた英語がフィリピン人の武器となっているのである。米国のコールセンターもそのおかげで成立している。スペイン統治時代は、「知らしべし、寄らしむべからず」のポリシーで一般人にはスペイン語は教えなかったこととの大きな違いである。

そして、スペイン統治時代に根付いたカトリック信仰とその土着化、それが本来の南国気質と結びついたホスピタリティを忘れてはならない。 


(聖母マリア像 セブ島の国際空港にて筆者撮影)


土着化したカトリックにもとづくホスピタリティは、出稼ぎとして来日したフィリピンの女性エンターテイナーたちや、現在では介護労働者の女性たちに体現されている。そんなフィリピーナたちのおかげで、現在のフィリピン対日意識は好転し、世界有数の親日国になっているのである。 

このように、日本とフィリピンの関係は、国と国との関係もさることながら、庶民レベルにおける人間どうしの交流が濃厚であり、東南アジアのなかでは、切っても切れない関係の最たるものとなっていると言えるかもしれない。 


(2026年は「日本。フィリピン友好年」)



本書は、そんな日本とフィリピンの関係を描いたノンフィクションであり、新書としてはやや長めの300ページ超もある本だが、エンタテインメントとして楽しみながら読める好著である。 


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著者プロフィール
野村進(のむら・すすむ)
1956年、東京都生まれ。上智大学外国語学部中退。1978~1980年、フィリピンに留学。帰国後、『フィリピン新人民軍従軍記』(講談社+&文庫)を発表して、ノンフィクションライターに。1997年、『コリアン世界の旅』(講談社+&文庫)で大宅壮一ノンフィクション賞と講談社ノンフィクション賞をダブル受賞。1999年、『アジア 新しい物語』(文春文庫)でアジア・太平洋賞を受賞。2004~2025年、拓殖大学国際学部教授。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)


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2025年11月17日月曜日

書評『柔術狂 ― 20世紀初頭アメリカにおける柔術ブームとその周辺』(藪 耕太郎、朝日選書、2021)― 日露戦争前後の数年間、アメリカで大衆的なブームになった「柔術」をめぐるスポーツ文化史

 

 黒船による「開国」で始まった日米関係。建国から100年に日本を「開国」させたアメリカ、「開国」によって国際社会への登場を強いられた日本。 

当時は日米ともに「新興国」であり、「近代文明」の先輩格であるアメリカと、「近代化」でキャッチアップを図ることになった日本の関係は良好なものであった。 

日米関係の分水嶺になったのは日露戦争(1904~1905)である。

開戦当初は、大国ロシアと戦う小国日本に同情的だった米国世論であったが、日本の優勢が目立ち始めると世論が劇的に変化が始まる。そのころから「黄禍論」が台頭するようになり、「排日移民法」の成立などにより日本国内の世論も硬化、最終的に日米戦争にいたった歴史はよく知られていることだ。

日露戦争の前後にアメリカで大流行したのが「柔術」(jiu-jitsu)であった。具体的にいえば1900年にブームが始まり、1906年にはブームが終焉している。柔術ブームは、大衆消費社会に出現した現象であったのだ。 

『柔術狂  ―  20世紀初頭アメリカにおける柔術ブームとその周辺』(藪 耕太郎、朝日選書、2021)は、そんな知られざる歴史を、具体的な人物に即して掘り起こし、アメリカの新聞メディアに登場した言説を丹念に読み解くことで解明したスポーツ文化史の労作である。 

「柔術」といえば、現在ではグレーシー一家の「ブラジリアン柔術」を連想することが一般的であろう。「日本固有の伝統文化」としてアメリカで喧伝された「柔術」だが、アメリカで受け入れられたのは武術としてよりも、健康法の一環としてであったようだ。

アメリカでは大衆文化としてもてはやされた「柔術」ハイブラウな文化として参入をはかった「柔道」。後者の柔道は明治時代になってから生まれたものであり、前者の柔術は前近代からのもじょとはいえアメリカで変容している。 したがって、両者ともに「日本固有の伝統文化」とは言い難い。

とくに「柔道」にかんしては、日本のナショナリズムの確立と同時の「創られた伝統」であったことをを知っておかなくてはならないだろう。「近代武道」という表現は、まさにそのことを示している。 

セオドア・ルーズベルト大統領が「柔道」を稽古していることを公表したのは、中国政策をめぐって日本に好意的な世論をつくるための政権の広報戦略の一環であったという指摘が興味深い。日露戦争を語る際には留意しておきたいことだ。金子堅太郎の話ばかり持ち出すと間違いかねない。

日米関係は、近代文明の先輩格である超大国アメリカと日本の非対称的な関係である。とはいえ、日本人が一方的にアメリカナイズされているわけでもない。この200年の歴史においては、紆余曲折があるとはいえ、相互浸透していることもまた事実である。 

日米文化交流史の一側面として、本書はじつに面白い内容であったが、博士論文をベースにしたものであるためだろう、ややディテールにこだわりすぎているのが難点かもしれないが、詳細な註も参考資料として有用だ。 


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目 次
序論
第1章 熱狂のとば口  ― ジョン・オブライエンと20世紀初頭のアメリカ 
 補論1 世界大戦と柔術  ―  リッシャー・ソーンベリーを追って 
第2章 柔術教本の秘密  ―  アーヴィング・ハンコックと「身体文化」 
 補論2 立身出世と虚弱の克服  ―「身体文化」からみた嘉納治五郎 
第3章 柔術家は雄弁家  ―  東勝熊と異種格闘技試合を巡る物語 
 補論3 私は柔術狂! ―  ベル・エポック期パリの柔術ブーム 
第4章 柔道のファンタジーと日露戦争のリアリズム  ―  山下義韶と富田常次郎の奮戦
 補論4 日本発祥か中国由来か  ― 「日本伝」柔道を巡って 
第5章 「破戒」なくして創造なし  ―  前田光世と大野秋太郎の挑戦 
 補論5 「大将」と柔術・「決闘狂」と柔道  ―  南米アルゼンチンにおける柔術や柔道の受容 あとがき 
註/史料・文献/図版出典一覧

著者プロフィール
藪 耕太郎(やぶ・こうたろう) 
1979年兵庫県生まれ。仙台大学体育学部准教授。2002年、立命館大学文学部文学科(英米文学専攻)卒業。2011年、立命館大学大学院社会学研究科(応用社会学専攻)博士後期課程修了。博士(社会学)。専門は体育・スポーツ史。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)



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2025年11月16日日曜日

書評『アメリカ・イン・ジャパン ― ハーバード講義』(吉見俊哉、岩波新書、2025)― 日米関係200年を日本人のアメリカへの「まなざし」の変化と連続性で考える

 

『アメリカ・イン・ジャパン  ―  ハーバード講義』(吉見俊哉、岩波新書、2025)を通読。2018年に米国の大学で英語で行ったレクチャーを日本人向けに書き替え、日本語で活字化したものだ。  

日本人とアメリカとのかかわりの200年の歴史を、日本人のアメリカへの「まなざし」として描いている。ただし通史ではなく、社会学者でメディア研究を専門とする著者が重要とみなした、主要な10のトピックで描いたテーマ史である。 

建国から100年のアメリカの「西漸運動」の延長線上にある「黒船来航」から始まり、「開国後」の幕末維新から明治時代以降、準拠軸を中国文明からアメリカ文明に舵を切り替えた日本の近代。 

この200年のあいだには全面衝突した時期もなんどかあったものの、日本人とアメリカとの愛憎関係は、基本的に連続していると考えるべきであろう。この点は、近代以降の日中関係とは根本的に異なるものだ。あくまでも日米関係あっての日中関係である。 

第一次トランプ政権時代にハーバード大学に席をおいていた著者の基本的立場は、まもなく建国250年を迎えようとしているアメリカは「内部崩壊」が始まっているという認識をもっている。批判的な立ち位置である。

そういった著者の姿勢はさておき、そのときどきにおいて日本人のアメリカへの「まなざし」に変化が起ころうとも、無意識レベルにまで浸透して、それと気がつかないほどアメリカナイズされているのが、現在の日本と日本人であることは否定できない事実である。 

実際にアメリカで生活してみたら、日本とアメリカが一体化しているなどとはとても思えないが、政治経済のみならず文化面でも日米が相互浸透していることもまた、否定できないことを知ることになる。 

このように密接な関係にある日本とアメリカは、現実的に考えれば、たとえその関係が、非対称的なものであろうとも、日本側から縁を切ることなど簡単にできることではないだろう。このアメリカとは縁を切れない現実が、日本の未来にかんしていかなる影響をもたらすか。この問題については、読者自身の判断にまかされる。





目 次
はしがき イントロダクション アメリカ・イン・ジャパン  ―  非対称的なクラインの壷 
第1講 ペリーの「遠征」と黒船の「来航」―  転位する日本列島 
第2講 捕鯨船と漂流者たち  ―  太平洋というコンタクトゾーン 
第3講 宣教師と教育の近代  ―  アメリカン・ボードと明治日本 
第4講 反転するアメリカニズム  ―  モダンガールとスクリーン上の自己 
第5講 空爆する者 空爆された者  ―  野蛮人どもを殺戮する 
第6講 マッカーサーと天皇  ―  占領というパフォーマンス 
第7講 アトムズ・フォー・ドリーム  ―  被爆国日本に “核” の光を 
第8講 基地から滲みだすアメリカ  ―  コンタクトゾーンとしての軍都 
第9講 アメリカに包まれた日常  ―  星条旗・自由の女神・ディズニーランド 
参考文献

著者プロフィール
吉見俊哉(よしみ・としや) 
1957年東京都生まれ。1987年東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在:東京大学名誉教授。國學院大學観光まちづくり学部教授。専攻:社会学・文化研究・メディア研究。著書多数。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)



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・・「宣教団体であるアメリカン・ボードのカネを引っ張ってきた手腕、巧みに有力者から寄付金を引き出した手腕は、まさにたぐいまれなる資金調達能力を示しているといえる。自分のカネではなく他人のカネを最大限に活用する能力である。」





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(2026年1月22日 情報追加)


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2025年2月11日火曜日

日米でほぼ同時代に「自己啓発」が前面に出てきたのは偶然か? ー 『言志四録』の佐藤一斎と『自己信頼』のエマソンは同時代人!


 
本日(2月11日)は「建国記念の日」。法律によって定められた国民の祝日となっている。西暦2025年の本年は皇紀2685年。正式には「神武天皇即位紀元」である。

「皇紀」は明治維新後に制定されたものであり、江戸時代までは存在すらしなかった。いわゆる「創られた伝統」(invented tradition)の一つである。

日本という国がいつ成立したかなど、じつのところ正確に定めることなどそもそも不可能である。とはいえ、長い歴史をもつ国であることは否定できない。『源氏物語』の時代でさえ、すでに千年前の話である。


■歴史の長さにかんしては真逆の日本と米国だが・・・
  
そんな日本と真逆にあるのが、米国ことアメリカ合州国である。米国の建国記念日は、1776年7月4日。まもなく建国250年を迎えることになる。
 
歴史の長さということでは根本的に異なる日本と米国であるが、18世紀末から19世紀にかけて社会が急速に変化を遂げつつあった点は共通している。
 
そんななか米国に登場したのが、『自己信頼』の著者ラルフ・ウォルドー・エマソン(1803~1882)だ。「アメリカの知的独立」を宣言し、思想面でのヨーロッパからの自立を推進した人物である。 
 
エマソンとほぼ同時代の日本に生きたのが、『言志四録』の著者で儒者であった佐藤一斎(1772~1859)である。彼が生きた時代は、江戸時代後期から幕末に至る激動期であった。
  
エマソンとは生没年に30年近いズレがあるので、「同世代」ではないが「同時代人」というべきであろう。だが、激動する社会のなかに生き、あるべき生き方を説いた点では共通している。


■同時代の日米に生きた佐藤一斎とエマソンが説く内容はよく似ている
 
「超訳シリーズ」の一巻として、佐藤一斎とエマソンに取り組み、その両者を読み込んで思ったのは、かなり似ている点が多いな、ということだ。
 
「自己は光」であるという認識や、自分をたのみにするという「自己信頼」という生き方知識は行動に移さなければ意味はないとする「知行合一」を主張していた点、、その他にも天文学から自然学全般に対する旺盛な好奇心も両者に共通している。
 
そこで、わたしとしては、ぜひ佐藤一斎とエマソンを読み比べてみてほしいと思っているのだ。相互に影響関係がないにもかかわらず、発言内容が似ているからだ。
 
そのひとつの理由に、東洋思想に対する関心があったことをあげることができるかもしれない。
  
儒者であった佐藤一斎は、いうまでもなく朱子学と陽明学という中国哲学の研究者であり、漢詩もつくり、嗜みとして和歌も詠んでいる。哲学者で詩人であったエマソンは、インド哲学にもっとも共感を感じていたとはいえ、朱子学を中心に中国哲学にも親しみを感じていた。
 
ここで出版にまつわる楽屋話をさせていただくと、じつは当初はエマソンを先にやるつもりだったのだ。佐藤一斎を先行させたのは、たんなる偶然である。
  
「超訳シリーズ」も、『自省録』から始まって、ガンディーという例外はあるものの、英語圏を中心に西洋人ばかり取り上げてきたので、「たまには日本人をやっておくか」という程度のノリで、佐藤一斎に取り組むことにしたのである。
 
とはいえ、怪我の功名というべきか、先に佐藤一斎にじっくり取り組んだのは正解だった。エマソンの読みが深くなったような気がするからだ。
  
それだけでなく、なぜ明治時代前期にエマソンが読まれたのか、その理由がわかるようになった。

そもそも朱子学じたい、人間のもつ向上意欲を重視した、性善説にたつ「自己啓発」の哲学だということが可能かもしれない。

佐藤一斎は禅仏教に対しては、ひたすら距離をとろうと務めていたが、その「静坐」のメソッドはきわめて「座禅」に似ている。座禅は言うまでもなく、インドに起源をもつ大乗仏教の瞑想法である。


■日米でほぼ同時代に「自己啓発」が前面に出てきたのは偶然か?
  
「自己啓発」というとアメリカ生まれで、日本は一貫してその影響を受けてきたという理解がされることが多い。

しかもそれだけではない、「自己啓発」が盛んなのは、アメリカ以外では日本が突出しているとされ言われる。この事実をどう理解すべきなのか?
  
たしかに、アメリカ発の「自己啓発」を喜んで受け入れる素地が日本にあるというのは、その答えのひとつである。とはいえ、むしろ共通のメンタリティーが日米の双方にあるというべきなのではないか?
 
そんな意味でも、佐藤一斎とエマソンは、ぜひ読み比べてみてほしいと思っている。ほぼ同時代に生きてきたというだけでなく、両者の共通性から浮かび上がってくる風景を感じ取ってほしいのだ。


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