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2022年7月23日土曜日

書評『エルヴィス 最後のアメリカン・ヒーロー』(前田絢子、角川選書、2007)ー エルヴィスの意外な側面を知った

 

エルヴィスにかんするほぼすべてが網羅された好著だが、さすがに25年以上も前の本でもある。


アメリカ文化研究者での著者にエルヴィス関係の新著がないか探してみたら、『エルヴィスー最後のアメリカン・ヒーロー』(前田絢子、角川選書)という本が2007年に出ていることを知り、さっそく取り寄せてみた。  

『エルヴィスー最後のアメリカン・ヒーロー』は、前著とはやや趣向を変えて、1950年代から1970年代にかけてのアメリカ社会との大変化のなかに、エルヴィスによるロックンロール誕生を位置づけたもので、アメリカ文化史として興味深い内容であった。 

もちろん、前著とは重なる部分が多々あるのは、ある意味では 仕方ないが、新著のほうにはひじょうに興味深い箇所もあった。

それは、エルヴィスの読書傾向についてだ。 

1960年に2年間の兵役を終えて米国に帰国してから、もっぱら映画に出演するようになったエルヴィスだが、1968年にカムバックして音楽活動に専念するまでライブの音楽活動を中断していた10年間のあいだに、移動する際には鞄に本を詰め込んで、キリスト教やニューエイジ関連の宗教書や哲学書を移動先で読み込んでいたらしい。

自分の使命はなにかを探し求めていたのだ、と。 

読み込んでいた本のなかには、あるヨギの自叙伝』や『解脱の真理』など、インド関連のスピリチュアルものも含まれていたのだという。ヒッピー世代のビートルズより早いだけでなく、スティーブ・ジョブズよりも早いではないか。 

もちろん、南部のバイブルベルトのどまんなかのテネシー州出身であり、読書をつうじて最終的に自分の原点がゴスペルにあったことを再確認することになったわけだが、それほどスピリチュアル世界の探求に没頭していたとは、まったく知らなかった。 

ロックンロールが、南部の黒人音楽であるリズム&ブルースから生まれたことは周知のとおりだが、黒人教会のゴスペルもまた源泉の一つであったことは、映画『エルヴィス』でもよく描かれている。

エルヴィスがインド世界にも接近しながら、ビートルズのようにインド世界にはまってしまうことがなかったのは、もともときわめて熱烈なキリスト教徒であったためでもあろう。 

世代的にはヒッピー世代とも重なるが、西海岸のカリフォルニアのような土地とは違って、保守的な南部で生まれ育った人だったからでもあったのだろう。 エルヴィスは礼儀ただしく振る舞うよう厳しくしつけられた人でもあった。


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目 次
プロローグ
第1章 こんな危険な音を!(1954年 メンフィス) 
第2章 エルヴィスが社会を動かした(1950年代)
第3章 永遠なるものを求めて(激動の1960年代)
第4章 全体が一つのゴスペルだったコンサート(コンサート時代)
第5章 最後のアメリカン・ヒーローその栄光と死、そして復活
参考文献
あとがき
エルヴィス CD・DVDカタログ
 
著者プロフィール
前田絢子(まえだ。あやこ)
東京都生まれ。フェリス女学院大学教授。専門は現代アメリカ文学・文化、とくにアメリカ南部研究。早稲田大学文学部卒業。同大学院文学研究科博士課程修了。フェリス女学院大学文学部教授として教鞭を執った。日本におけるエルヴィス・プレスリーの研究家としても知られ、1998年にミシシッピ大学で開催されたエルヴィス・プレスリー世界会議にゲスト・スピーカーとして招かれている。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)


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・・I have a dream で有名な黒人解放運動の指導者キング牧師は1963年にエルヴィスの故郷メンフィスで暗殺。エルヴィスは、公式にキング牧師に哀悼の意を示すことはできなかった。1968年カムバック曲  If I Can Dream を想起せよ!

スティーブ・ジョブズの「読書リスト」-ジョブズの「引き出し」の中身をのぞいてみよう! ・・『あるヨギの自叙伝』(パラマハンサ・ヨガナンダ、森北出版、1983) 、とくにこの本は、ジョブズが生涯のあいだに、なんどもなんども読み返し読んだ本だそうです。iPad2 に唯一ダウンロードしていた本だとか。


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