「アタマの引き出し」は「雑学」ときわめて近い・・日本マクドナルド創業者・藤田田(ふじた・でん)に学ぶものとは?

◆「アタマの引き出し」つくりは "掛け算" だ : 「引き出し」 = Σ 「仕事」 × 「遊び」
◆酒は飲んでも飲まれるな! 本は読んでも読まれるな!◆ 
◆一に体験、二に読書、その体験を書いてみる、しゃべってみる!◆
◆「好きこそものの上手なれ!」◆

<旅先や出張先で本を読む。人を読む、モノを読む、自然を読む>
トについてのブログ
●「内向きバンザイ!」-「この国」日本こそ、もっとよく知ろう!●

■■ 「むかし富士山八号目の山小屋で働いていた」全5回 ■■
 総目次はここをクリック!
■■ 「成田山新勝寺 断食参籠(さんろう)修行(三泊四日)体験記 」全7回 ■■ 
 総目次はここをクリック!
■■ 「庄内平野と出羽三山への旅」 全12回+α - 「山伏修行体験塾」(二泊三日)を中心に ■■
 総目次はここをクリック!


「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!

「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!
ビジネス寄りでマネジメント関連の記事はこちら。その他の活動報告も。最新投稿は画像をクリック!



ご意見・ご感想・ご質問 ken@kensatoken.com にどうぞ。
お手数ですが、コピー&ペーストでお願いします。

© 2009~2024 禁無断転載!



2022年7月10日日曜日

映画『KCIA 南山の部長たち』(2020年、韓国)- 韓国の独裁者・朴正熙大統領は 1979年10月26日に側近の KCIA部長によって暗殺された!

 

日本公開時に見たかったが、結局見そびれていた。なぜか、昨日 amazon が強く勧めてきたのだが、よりによってこんな日にと思いながらも見ることにした次第。113分。 

1979年の朴正熙(=パク・チョンヒ)大統領暗殺事件を描いたものだ。1979年10月26日のことである。 

この事件のことは、リアルタムで知っている。当時は高校2年だった。日本の新聞の見出しは特段に大きかった隣国で起こったが衝撃的な事件だったのだ。それほど朝鮮半島の動乱は日本列島に大きな影響を与えるのである。


だからこそ、「事実を元にしたフィクション」とはいえ、その内幕を描いたこの映画はぜひみたいと思っていた。 

軍事政権の独裁者であった朴正熙大統領(・・当時の日本では、まだ韓国人の人名は日本語読みするのが当たり前だったので「ぼく・せいき」と言ったほうがピンとくる)を暗殺したのは、なんと側近の KCIA の部長だったのだ! 

(いわゆる「コリアゲート」で米国に亡命した前KCIA部長の手記は日本の週刊誌にすっぱ抜かれた)

KCIA とは韓国の CIA、大韓民国中央情報部のことである。南山(ナムサン)とは、その KCIA の本部がおかれていたソウル市内の場所のことだ。ナムサンといえば、KCIAの隠語とされていた。  

1960年のクーデタで政権を奪取したのが軍人の朴正熙であったが、かれら自身はそれを「革命」と呼んでいたのである。映画のなかで「革命」という表現がでてくるのはそのためだ。日本ではそういう認識は希薄だが、KCIA部長も軍人であり、朴正熙大統領による「革命」の「同志」であった。



暗殺事件にいたる40日間。大統領側近である KCIA部長と警護室長との権力闘争動揺するKCIA情報部長の内面の心情と葛藤を描いたこの作品を見ながら、世界的に激動の始まった「1979年」という年は、韓国もまたそうだったということをあらためて確認させられた。 

1979年には英国でサッチャー政権が誕生イランではイスラーム革命が発生し、中国では鄧小平の改革が始まった年だ。そのおなじ年の10月に韓国で大統領が暗殺されたのだ!

朴正熙大統領暗にかんしては、その前にも暗殺未遂事件があって大統領夫人が亡くなっていたが、ついに独裁者が斃れたのである。日本の高校生であった心のなかで快哉を叫んだものだ。ついに独裁者が倒されたのだ、と。

当時のマスコミ論調の影響であろうが、戒厳令が敷かれていた当時の韓国は、それはもう怖い国だと日本では考えられていたのである。朴正熙政権時代に韓国の経済発展の基礎が築かれたことなど知るよしもなかった。 「開発独裁」なんていうことばも概念も、知ったのは社会人になってからのことだ。

ところが、映画の終わりに説明されているが、朴正熙大統領が暗殺されても、韓国が民主化されたわけではなかったことを知っておかなくてはならない。

韓国陸軍の全斗煥将軍(ぜん・とかん=チョン・ドファン)による軍事クーデタで政権が掌握され、韓国南部で起こった「光州事件」という悲劇的な事件も発生、激動の時代を迎えた韓国は、ふたたび軍事政権に戻ってしまったのである。

独裁者が倒れても、それがそのまま民主化に直結するわけではないのである。一般化できるかどうかは別にして、教訓としてアタマのなかにいれておくべきであろう。

現職の大統領が側近によって暗殺されるという大事件がおこったのは、いまから40年以上も前のことになる。韓国も民主化が進展し(その中身については、ここでは問うまい)、関係者の多くも故人となったから、このような映画も製作が可能となったのであろう。 

主人公のKCIA部長を演じているのは、韓国を代表する俳優の一人であるイ・ビョンホンだが、実際に暗殺を断行した本人と似ているのかどうかまではわからない。 

けっして楽しい映画ではないが、いかにこの事件が衝撃的であったかを振り返るためにも見ておきたい映画である。 




<ブログ内関連記事>





(2022年12月23日発売の拙著です)

(2022年6月24日発売の拙著です)

(2021年11月19日発売の拙著です)


(2021年10月22日発売の拙著です)

 
 (2020年12月18日発売の拙著です)


(2020年5月28日発売の拙著です)


 
(2019年4月27日発売の拙著です)



(2017年5月18日発売の拙著です)

(2012年7月3日発売の拙著です)


 



ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!







end