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2019年12月3日火曜日

JBPressの連載コラム第66回は、「ローマ教皇は宗教弾圧国家・中国とどう向き合うのか-世界が注目するバチカンと中国共産党の関係」(2019年12月3日)



JBPressの連載コラム第66回は、「ローマ教皇は宗教弾圧国家・中国とどう向き合うのか-世界が注目するバチカンと中国共産党の関係」(2019年11月19・20日)
⇒ https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/58413

ローマ教皇フランスシスコの訪日が無事終了し、先週11月25日に離日した。

今回の訪問はタイとあわせての8日間だったが、30℃を超える暑さのバンコクから、いきなり氷雨の降る東京、さらには長崎、広島、ふたたび東京への駆け足の移動は、82歳の教皇にとっては、かなり過酷なものがあったのではないだろうか。

長崎と広島では原爆廃絶のメッセージを全世界に向けて発信、日本国民に好印象を残していった教皇フランシスコ。東京ドームでのミサで5万人のカトリック信徒を集めた教皇フランシスコ。まさに「ロックスター教皇」の人気ぶりがうかがわれる。

だが、教皇フランシスコが昨年(2018年)9月に中国共産党と結んだ「合意」についてご存じだろうか。数年にわたる秘密交渉の末に、21世紀の「叙任権闘争」ともいうべき長年の対立を終結させた「合意」の内容は非公開だが、明らかになっているい点だけみても、中国共産党に歩み寄りすぎという印象は禁じ得ない。

バチカンは伝統的に反共産主義であり、共産主義を「悪魔」とみなして戦ってきた。そのバチカンがなぜ中国共産党に歩み寄っているのだろうか。疑問は尽きない。ソ連共産党と中国共産党とに、なにか大きな違いでもあるのだろうか?

バチカンは、あえて「悪魔」と手を握ったのか?

つづきは本文で https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/58413


<ブログ内関連記事>

JBPressの連載コラム第65回は、「ローマ教皇が仏教国のタイと日本を連続訪問する理由(前編・後編)」(2019年11月19・20日)

JBPressの連載コラム第64回は、「亡命から60年、懸念される偽ダライ・ラマの出現-チベット弾圧の中国政府、ダライ・ラマ後継者選びにも介入か」(2019年11月5日)


■バチカン関連

600年ぶりのローマ法王と巨大組織の後継者選びについて-21世紀の「神の代理人」は激務である

「免罪符」は、ほんとうは「免罪符」じゃない!?

書評 『バチカン株式会社-金融市場を動かす神の汚れた手-』(ジャンルイージ・ヌッツィ、竹下・ルッジェリ アンナ監訳、花本知子/鈴木真由美訳、柏書房、2010)

映画 『スポットライト』(2015年、米国)をみてきた(2016年5月5日)-カトリック司祭による児童の性的虐待スキャンダルを追うジャーナリズム魂、ローカルコミュニティに根ざす地方紙の葛藤

映画 『悪魔祓い 聖なる儀式』(2016年、イタリア)を見てきた(2017年12月4日)-シチリアのパレルモの教会で行われる悪魔祓い(=エクソシスト)を描いたドキュメンタリー映画


■イエズス会の布教メソッド「インカルチュレーション」

イエズス会士ヴァリニャーノの布教戦略-異文化への「創造的適応」

書評 『幻の帝国-南米イエズス会士の夢と挫折-』(伊藤滋子、同成社、2001)-日本人の認識の空白地帯となっている17世紀と18世紀のイエズス会の動きを知る
・・「イエズス会が日本布教から撤退した17世紀初頭、南米ではイエズス会のミッションは「教化村」という形で原住民たちとの理想郷をつくりあげていた。現在のパラグアイがその中心であった。南米大陸の中心にある内陸国である。(・・中略・・)イエズス会のミッションとしてはもっとも成功したが、160年の歴史をもちながら、いまではその痕跡が廃墟として残るのみとなった「パラグアイ・ミッション」は、清朝の中国における「典礼問題」とともに、同時代のヨーロッパではもっとも知られていたイエズス会の活動である」

(2020年1月19日、9月22日 情報追加)




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2017年12月9日土曜日

映画『悪魔祓い 聖なる儀式』(2016年、イタリア)を見てきた(2017年12月4日)― シチリアのパレルモの教会で行われる悪魔祓い(=エクソシスト)を描いたドキュメンタリー映画



映画『悪魔祓い 聖なる儀式』(2016年、イタリア)を見てきた(2017年12月4日)。イタリア南部のシチリアのパレルモの教会で行われる悪魔祓い(=エクソシスム)の一部始終を記録したドキュメンタリー映画である。

エクソシストというと、映画『エクソシスト』のことを想起するだろうが、じっさいの悪魔祓いの現場は超常現象ではない。精神や肉体の病を抱えていながら、いかなる治療にも見放されたあげくにたどりついたラストリゾートともいうべき存在が悪魔祓いの執行者、すなわちエクソシストなのである。

カトリック国イタリアの場合は、カトリックの司祭が執り行う悪魔祓いになる。精神医学や心理療法では解決不能な問題が悪魔祓いによって解決されることもある。ただし、解決までに至る期間は人によって大いに異なる。

このドキュメンタリー映画は、背景説明もほとんどなく、悪魔祓いを行う老司祭と、悪魔祓いの対象となる人(・・女性が多い)と、その家族のやりとりを映像と音声として記録したものだ。全編がほぼ悪魔祓いの祈祷と会話でのみ成り立っている。

普段はふつうに日常生活を送っている快活な人たちが、教会で行われる悪魔祓いの儀式に参加すると、突然大声を出して暴れ出したり、地面に這いつくばって獣のような行動を示したりする。あまりの変貌ぶりには、正直いって驚かざるを得ない。衝撃的といってもいいだろう。



こういう書き方をすると、たんなる興味本位の映像作品のような印象を与えてしまうかもしれないが、悪魔祓いの対象者の人生をそのものが視野に入ってくることで、興味本位の関心ではない関心が見る者のなかに生まれてくるだろう。

とはいえ、突然の大声での絶叫には、映画を見ながら眠気をもよおした者も驚かさずにはいられない。悪魔が憑依していると思い込んでいる人たちも、教会で悪魔祓いの儀式が始まったとたんに悪魔が目覚めることになる。そういう状況のなかで、あくまでも冷静にかつ情熱を込めて祈祷文を繰り返しクチにする老司祭の姿が印象的だ。

悪魔祓いで使用される祈祷文は何度も繰り返されるだけでなくシンプルな祈願文なので、字幕を見ているとイタリア語も理解できてしまうくらいだ。つまり、悪魔祓いの儀式自体はきわめて単調なものだ。悪魔祓いによって喚起される「悪魔」と、悪魔祓いそのものは同じではない。

映画の原題は Liberami(リベラーミ)、イタリア語で「わたしたちに届けてください」という意味だ。その意味は、映画をみて考えてみるといいだろう。


(イタリア版ポスター 伝統的な悪魔のイメージが投影)


先日は、NHKのBSでも 『世界神秘紀行「イタリア エクソシスト VS.悪魔』というドキュメンタリー番組が放送されている(2017年8月5日)が放送されており私も視聴したが、映画 『悪魔祓い 聖なる儀式』(2016年)とは異なる対象を取材しているので、悪魔祓いの「事例」としては映画も見る価値がある。
 
なぜ現代人が悪魔祓いに救いを求めるのか、そしてなぜ悪魔祓いを求める需要が増大傾向にあるのか、その理由は映画ではよくわからないが、そういう傾向が確実にあるということは明らかなのだ。

悪魔祓いは、けっして超常現象でも、過去の中世の話でもない。いま、まさに現在のイタリアではさかんに実行されていることであり、映画の最後の方でローマでの研修会のシーンを見ればわかるように、世界中のカトリック司祭が関心を抱いて研修に参加しているのである。

なかにはアフリカ人司祭たちや、フィリピン人かベトナム人かとおぼしきアジア人司祭たちも映画に登場していた。ちなみにカトリック人口の多い韓国では、『プリースト 悪魔を葬る者』(2016年)という映画が製作されている。悪魔祓いは、シャマニズム傾向の強い韓国では関心も高いのであろう。

たんなる興味本位の関心からでもいいが、このドキュメンタリー映画をみることは、現代人が抱えている心の問題を考える一つのアプローチになることは間違いない。


(画像をクリック!)



<関連サイト>

映画 『悪魔祓い 聖なる儀式』(公式サイト)

Liberami, clip del film (イタリア語版 YouTube映像)


<ブログ内関連記事>

書評 『治癒神イエスの誕生』(山形孝夫、ちくま学芸文庫、2010 単行本初版 1981)-イエスとその教団の活動は精神疾患の「病気直し」集団のマーケティング活動
・・そもそもキリスト教は「病気治し」、しかも「心の病の治癒」から始まったのだ

ヘルメスの杖にからまる二匹の蛇-知恵の象徴としての蛇は西洋世界に生き続けている

書評 『河合隼雄-心理療法家の誕生-』(大塚信一、トランスビュー、2009)-メイキング・オブ・河合隼雄、そして新しい時代の「岩波文化人」たち・・・

書評 『韓国とキリスト教-いかにして "国家的宗教" になりえたか-』(浅見雅一・安廷苑、中公新書、2012)- なぜ韓国はキリスト教国となったのか? なぜいま韓国でカトリックが増加中なのか?

(2017年12月10日 情報追加)


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