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2022年1月4日火曜日

中国SFの超大作『三体Ⅲ 死神永世 上・下』(劉慈欣、大森望他訳、早川書房、2020)を年始の3日間で読了。ついに2年かけて「三部作」を読み終えた

 
中国SFの超大作『三体Ⅲ 死神永生 上・下』(劉慈欣、大森望他訳、早川書房、2020)を年始の3日かけて読了。前2作にも劣らぬ、とてつもない壮大なスケールの、このSF作品に圧倒された。  

2年かけて、全部で2000ページ以上におよぶ『三体・三部作』を読み終えたが、なんと言ったらいいのか、「ものすごく遠くから眺めているような感覚」というか、「いま自分がどこにいるのかわからないような感覚」を覚えている。 

『三体Ⅱ 黒暗森林 上・下』を読了して1年たつので、どんな内容だったか忘れていた。あたかも作中の登場人物のように、「人工冬眠」によって1世紀のあいだ眠っていたかのような気分である。読み進めていくうちに、ようやく意識と記憶が解凍し始めるのを覚えた。 

前作の『三体Ⅱ 黒暗森林』は、いまから4世紀後の世界だが、『三体Ⅲ 死神永生』は、そんな半端な未来ではない。太陽系から出て宇宙の果てまで、そして宇宙の終わりまで、はてしなく連れて行かれるのだ。人間の感覚にとっては長期に感じられる「4世紀」という時間も、宇宙全体の歴史からみたら、ごくごく短いタイムスパンに思えてしまう。 

この三部作のベースにある物理学については、もちろんすべてが理解の範囲内ではないが、それでも最後まで読ませる作家としての力量がすばらしい作者の劉慈欣は1963年生まれのエンジニア、わたしとは同世代だ。 原書出版は2010年なので、すでに10年たっているが全世界で評価は高まる一方だ。

それにしても、すごい才能である。構想もすごいが、書き上げるエネルギーもすごい。そして、こんな作品を日本語訳したこともすごい。もちろん、読むのも多大な体力を要したことは言うまでもない。 

これ以上、余計なコメントは差し控えることにしよう。




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