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2021年1月24日日曜日

映画『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』(2019年、ポーランド・ウクライナ・英国)ー 1933年にソ連で実行された「ホロドモール」(=大量餓死)の実態を告発した英国人記者のヒューマンドラマは、きわめてアクチュアルなテーマである



原題は Mr. Jones と、えらくそっけいない。ミスター・ジョーンズとは、主人公のウェールズ出身の英国人記者ガレス・ジョーンズ(Gareth Jones)のことだ。  

時代設定は1933年。ドイツでは、ヒトラー率いるナチス党が民主的に政権を獲得。第1次世界大戦で消耗し、経済が疲弊していた英国は、ドイツの動向に神経をとがらしていた。 

そんな状況において、スターリン率いる社会主義国家のソ連の「計画経済体制」による経済成長が驚異的であった。各国の指導者は、ドイツを牽制するためにソ連と手を組むこともオプションの1つとして見なすようになっていた。

英国は、大戦終了後にいちはやく1924年にソ連と国交を結んでいたが、米国はいまだ国交は結んでいなかった
(*ちなみに、米国と同様、東側からでロシア革命に干渉した日本は不毛な「シベリア出兵」で泥沼状態に陥ったが、関係改善の必要から1925年にソ連を承認している。映画には直接関係ないがアタマのなかに入れておきたい)。 




ソ連経済がめざましく成長しているとはいっても、はたして「計画経済」による重工業化を支える原資はいったいどこからきているのか? 英国をはじめとした海外直接投資だけではまかなえていないはずだ。そんな疑問を解明すべく、ジョーンズは単身ソ連に入国してスターリンにインタビューすることを目論む。英国首相ロイド=ジョージの外交顧問だったこともあって、ジョーンズはヒトラーとのインタビューに成功していたからだ。

ソ連に入国したものの行動の自由を大幅に制限されていた。そんななかで耳にしたのが、穀倉地帯ウクライナからの「飢餓輸出」であった。3月とはいえまだ厳冬期のウクライナに単身潜入し、自分の足で歩き、自分に目でしっかりと目撃した実態。

ウクライナ農民から食料となる穀物を奪い取り、輸出に回して外貨を稼いでいたのである。厳冬期に食糧不足が蔓延した大量飢餓状態。蔓延する餓死。人肉食(=カニバリズム)さえ行われていたという戦慄すべき状況・・。

1932年から翌年にかけて人為的に引き起こされた「大量飢餓」状態は、おなじくスターリンによる「大粛清」にも匹敵する秘密にされていた大惨事であった。数百万から千万もの餓死者が出たことが現在では判明している「ホロドモール(Holodomor)のことである。

ウクライナで真相を目撃したジョーンズ記者は、ソ連官憲に逮捕されて収監されるが、釈放されて出国が可能となった。英国に帰国後には、ジャーナリストとして真相を明らかにしようと試みるが、国際政治の現実が大きな壁となって立ちはだかる。

「ドイツ問題」のためソ連を敵に回すわけにはいかない英国国交樹立交渉の最中にあった米国。社会主義的なルーズベルト大統領のもと、米国がソ連との国交を樹立したのは、ジョーンズ記者が英国に戻ったあとの1933年のことであった。


ソ連が崩壊してから、すでに30年以上たっているが、この映画が取り上げたテーマは、けっして過去の話だと片付けるわけにはいかない。2020年代の現在においても、きわめてアクチュアリティの高いテーマなのである。

というのは、同様の事態が、いま中国共産党支配下のウイグルやチベットで進行しているからだ。しかも、その実態を知りながら、中国との政治経済関係を重視して現実を認めようとしないのが国際社会だ

2021年の今回は1933年とは違って、米英アングロサクソンは中国共産党を批判しているが、世界全体が動こうとしているわけではない。中国とのビジネス関係を犠牲にしてまで批判の列には加わろうとはしない。残念ながら、これが国際政治の現実なのだ。

映画の副主人公ともいうべきなのが作家のジョージ・オーウェル(ジョーンズ記者とも面識あり)だが、彼でさえ『動物農場(アニマル・ファーム)』という寓話という形でしか、ソ連の抑圧的な体制を批判することはできなかった。1945年8月17日の出版である。冷戦状況が開始される前は、そんな状況だったのである。いや、冷戦の渦中においても社会主義陣営ではそうだったのだ。

変化が現れ始めたのは、ソ連軍が民衆を過酷に圧殺した1956年の「ハンガリー動乱」以降のことである。ジョーンズ記者の告発は早すぎたのだ。20年以上も早かったのである。

(「ホロドモール記念日」2015年11月28日でジョーンズ記者を顕彰するポスター Wikipediaより)

後日談となるが、ジョーンズ記者は、今度はソ連の東側にあたる内蒙古での取材中にソ連の秘密警察NKVDによって拉致され、射殺されたという。この映画から2年後の1935年のことである。なんともやりきれない気分にさせられる。 

この映画は、2021年1月24日現在ロードショー公開中だが、amazon prime video で500円(48時間)払って自宅で視聴したのは、新型コロナ感染症(COVID-19)の緊急事態宣言が再度発令されているからだけではない。上映している映画館があまりにも少ないからだ。見たい映画だったので、たいへんありがたい。





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・・これは自然災害だが、上空を多い続けた噴煙のため北半球では凶作となり飢餓状態が蔓延。日本の東北では「人肉食」が行われていたことが旅人によって報告されている

(2021年1月26日、4月4日 情報追加)


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