原作が日本語訳されて話題になっていたのも同年のことで、映画の日本公開は2020年。
韓国だけでなく、日本でも女性に圧倒的共感をもって迎えられたという原作。育児と仕事の両立(が可能か?)という課題は普遍的なテーマでもある。 いわゆる「ワークライフバランス」であるが、ちょっと違うような気もする。
日本でも共感されたのは、現代の韓国社会で女性が置かれている状況が、日本社会の状況をそのまま描いているように見えてくるためだろう。映画の公開時点で、主人公は37歳ということになる。ただし、あくまでも中流以上のライフスタイルが前提になっていることに注意する必要はある。
男性で、しかも主人公より20歳も年上のわたしが完全に主人公に同化、つまり完全に感情移入できるわけはない。
だが、それでも主人公が精神的な追い詰められていることは、ダイレクトに伝わってくる。女性たちが置かれている状況は、男性も無縁ではないからだ。
職場におけるセクハラ問題、男性の育児休暇取得、家族関係における父と娘の問題など、さまざまなテーマが主人公の人生にからみあっている。主人公にとって幸せだったのは、母親の存在であった。母娘関係のむずかしさはこの映画にはない。
見ていて思ったのは、企業の人事担当者はかならず見るべき映画だな、ということ。なぜなら、企業はヒトで成り立っているからであり、そのヒトが置かれている状況への理解なくして企業経営など成り立たないからだ。
原作を読まずに映画を見るのは邪道かもしれないが、2019年という時点の韓国社会をまるごと映像として見ることができることに意味がある。
この映画は、思い切って視聴してよかった。
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