国民的議論を行うことなく、ステルスで日本政府が推進している「移民政策」。おそらく、その背景には経済諸団体があるのだろう。
もちろん、「労働力不足」が背景にあることは、リアルのビジネス現場を知っているわたしも重々承知している。とはいえ、短期的にはメリットがあるものの、中長期的には多大なデメリットが発生することは、火を見るよりも明らかだ。
いや、すでに問題が多発している。これはX(旧 twitter)などのSNSを見ていれば「常識」といっていいだろう。 問題の具体的な現れについては、いちいちここには書かないが、多発しているのが、いわゆる「外免切換」、つまり外国で取得した自動車免許証を日本の免許証に書き換えることが、あまりにも安易に行われていることが原因となった交通事故である。
先日も小学生の列にクルマが突っ込んで負傷者が出るという事故が発生したが、さすがにオールドメディアも無視することができなくなった。しかしながら、これは氷山の一角に過ぎない。
作家でジャーナリストの門田氏と、元駐オーストラリア大使で現在は外交評論家の山上氏との対談という形をとっている。ともに現在は「反中」の立場に立つ人たちである。
「元大使が政治家・官僚を実名告発」と帯にあるように、太字ゴチックで筋金入りの「媚中派」や「親中派」の実名が書かれている。
山上氏が外務省の「中の人」であっただけに具体的であるが、圧倒的大多数が「外の人」人である読者は、一読したあとはあっという間に忘れてしまうことだろう。 だが、それでもいい。外務省が問題であることが明らかにされているからだ。遅きに失したとはいえ、まだ情勢を転換するチャンスはゼロではない。
1980年代のことだったと記憶しているが、当時の最高実力者・鄧小平も欧州のとある政治家を恫喝して、以下のような内容の発言を行っているではないか。「中国には余るほど人がいる。中国の言うことを聞かないと、大量に中国人を送り込むぞ!」、と。
現在の習近平の中国共産党がやっているのは、この「人海戦術」そのものなのである。
「移民」として中国人を日本に送り込み、「帰化」させて日本国籍を取得させ、日本社会を内側から食いつぶすという中国共産党による「工作」。 この動きを阻止しないと、そう遠くない将来、日本は日本でなくなってしまう。
日本国民は、「いま、そこにある危機」であることを認識しなくてはならない。
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目 次
はじめに 日本侵略を他人事と思っていませんか(門田隆将)
第1章 致命傷になる中国人ビザ大緩和
第2章 日本はいかに中国の術中に嵌まったか?
第3章 中国にひれ伏す日本外務省「驚愕の実態」
第4章 中国のハンドリングをどこで間違ったか
第5章 牙をむく中国と倶に天を戴かず!
第6章 日本の「隷属外交」をどう変えていくか
おわりに 眠れる日本よ、覚醒せよ(山上信吾)
著者プロフィール
門田隆将(かどた・りゅうしょう)
1958年、高知県生まれ。作家、ジャーナリスト。中央大学法学部卒業。『週刊新潮』元デスク。『この命、義に捧ぐ―台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(集英社、のちに角川文庫)で第19回山本七平賞受賞。著書多数
山上信吾(やまがみ・しんご)
1961年、東京都生まれ。東京大学法学部卒業後、1984年、外務省入省。コロンビア大学大学院留学を経て、2000年、在ジュネーブ国際機関日本政府代表部一等書記官、その後、同参事官。北米第二課長、条約課長を務めた後、2007年、茨城県警本部警務部長という異色の経歴を経て、2009年には在英国日本国大使館政務担当公使。国際法局審議官、総合外交政策局審議官(政策企画・国際安全保障担当大使)、日本国際問題研究所所長代行を歴任。その後、2017年、国際情報統括官、2018年、経済局長、2020年、駐オーストラリア日本国特命全権大使に就任、23年12月に退官し、外交評論活動を展開中。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)
■中国共産党による「対日工作」は、すでに70年前(!)から始まっていた
『媚中(びちゅう)』のなかでも門田氏が言及していたが、現在の惨状を招いた中国共産党による「対日工作」が始まったのは、最近のことではない。すでに70年前(!)から始まっていたのである。
自民党と公明党がいかに中国共産党によって骨抜きにされていったか、その70年にわたる「工作」の歴史が、徹底的な取材と具体的な証言によって掘り起こされている。現代史ノンフィクションとしてめっぽう面白いが、その内容にはため息をつかざるを得ない。
帯の裏に書いているコピーを引用しておこう。ここにキーワードがすべて網羅されている。
対日工作は70年前から始まっていた
ランの花、有名女流作家、創価学会、日本の権力闘争、贖罪意識、巨大市場・・・あらゆるルート、あらゆる手法を用いた「友好」という名の「侵略」を明らかにする
とくに「日中国交正常化」(1972年)の前史が興味深い。それ以前にかんしては、わたし自身リアルタイムでは経験していないからだが、「日中友好」を積極的に推進したある民間人には、石原莞爾の「東亜連盟」というバックグラウンドがあったことを知る。
中国共産党の周恩来と創価学会池田大作との橋渡しを行ったのが、著名な作家・有吉佐和子であったことも含め、「善意」の人たちが行った「行為」が、その人たちの「意図」に反する「結果」をもたらすことにつながっていったのである。なんたる皮肉であることか。
「天安門事件」(1989年6月4日)で世界中から非難された中国共産党。そんな「天安門事件」後の中国共産党に救いの手をさしのべ、対中投資ラッシュの再開の口火を切ったのが日本政府と財界であった。 かれらが習近平体制の中国共産党をのさばらせる原因をつくったことは、日本国民は銘記しておくべきだろう。
安倍晋三氏が暗殺されて以後、自公政権が「売国的な媚中政権」になっていることは言うまでもない。
「トランプ問題」は「国難」ではない。ほんとうの「国難」とは、中国共産党に浸食され骨抜きにされている自公政権が政権を握っていることである。
目覚めよ、日本人!
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目 次
はじめに
プロローグ
第1章 始まった「対日工作」
第2章 自民党工作のスタート
第3章 公明・創価学会への中国工作
第4章 権力抗争はこうして始まった
第5章 世界の流れが変わった
第6章 もう一人のキーマン
第7章 「中国」巡って政界大動乱
第8章 日華断交は可能なのか
第9章 「椎名特使」をめぐる攻防
第10章 台北の怒りと混乱
第11章 ”丸裸” だった日本
第12章 始まった「日中友好絶対主義」
第13章 世界を驚愕させた人権弾圧
第14章 変貌する中国
第15章 ハニートラップの凄まじさ
第16章 「破壊者」登場の悲劇
第17章 不可避だった ”米中激突”
第18章 「友好」に躍った五十年
エピローグ
おわりに
参考文献
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