早いもので、もう31年も立つのか。「天安門事件」とは、自由を求める学生たちを中国共産党が人民解放軍を使って暴力的に鎮圧し、多数の死者を出した事件だ。1989年6月4日のことである。
6月4日なので、中国では「六四天安門事件」という。事件以後、中国政府=中国共産党は、「6月4日」は禁止用語となっており、ネットに書き込んだ瞬間に削除されるワードとなっている。
その中国共産党は、香港での「天安門事件」の追悼集会を認めなかった。初めてのことである。香港政府は、新型コロナウイルスの感染対策を名目に集会の開催を認めなかったが、この事実そのものが、中国共産党の本質を物語っているといえよう。「一国二制度」は、もはや空文化した。
イタリアの首都ローマでは、こんな集会が開催されたらしい。冒頭に掲載したポスターに書かれた英語の文言を日本語訳すると以下のとおりだ。
2020年6月4日 木曜日
中国によるイタリア植民地化反対宣言
CHINA
新千年紀の「第4帝国」か?
チベット、新疆ウイグル、香港、台湾...そしてイタリア
このポスターに描かれているのは「トロイの木馬」だ。CCP(=China Communist Party 中国共産党)による偽装浸透工作を暗示したものだ。
「チャイナ第4帝国」とは「第3帝国」を前提にした表現であろう。言うまでもなくナチスドイツの「第3帝国」(サード・ライヒ)のことだ。中国共産党をナチスになぞらえている。
財政難に苦しむイタリア政府は、中国共産党の「一帯一路」を欧州では一番最初に調印して、中国共産党の軍門に降っている。
だが、そんな状況に異を唱える人たちもいるわけだ。 イタリアで新型コロナウイルスが感染爆発した理由はいったい何か? 日本人もよく考えるべきだろう。まさに「チベット、新疆、香港、台湾...そしてイタリア」であり、このフレーズのイタリアを日本に読み替える必要がある。
新型コロナウイルスを世界中にまき散らした中国共産党は人類社会の敵としか言いようがない。そしてその中国はいま、米国との冷戦のまっただなかにある。
だからこそ、米国と同盟国の日本は、中国共産党による日本の政界と財界への「トロイの木馬」すなわち偽装浸透工作を見破らなくてはならないのだ。いままで以上に、情報の真贋を見分ける技能を高めなくてはならない。
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