映画『隊長ブーリバ』(1962年、米国)をはじめて視聴。全盛期ハリウッドのスペクタクル超大作映画。142分。
主演のブーリバ役はユル・ブリンナー、ブーリバの息子はトニー・カーティスと、往年の名優が演じている。
コサックというと、どうしても日露戦争で秋山好古率いる帝国陸軍の騎兵隊と戦った歴史から、どうしてもロシアというイメージが強いが、じつはウクライナが発祥の地なのだ。だから、ウクライナのコサックは、日本のサムライのようなものである。
原作は、ロシアの文豪ニコライ・ゴーゴリの『タラス・ブーリバ』(1835年)だが、ゴーゴリもじつはウクライナ人。ロシア語で作品を書いていたので、ロシアの文豪とみなされがちだが、正確には「ウクライナ人ロシア語作家」というべきだろう。
『タラス・ブーリバ』は、16世紀ウクライナ史をもとに書かれた小説で、ウクライナの草原の支配をめぐってのポーランド王国との戦いがテーマ。当時は、ロシアよりもポーランドのほうが、はるかに強大だったのだ。 また、黒死病(=ペスト)の時代でもあり、映画の後半はそのシーンが登場。
最初から最後まで、大いに楽しめるエンターテイメント作品であった。さすが、『ベン・ハー』や『スパルタカス』(・・トニー・カーティスはこちらにも出演)など、古代ローマがテーマの歴史超大作映画がさかんに製作されていた頃のハリウッド映画である。
なんといっても、いまから60年前の作品で、CGなんてない時代だから、すべて実写である。1万人(!)の騎馬シーンも、すべて実写なのである! とにかくロケ地さがしに苦労したらしく、撮影はアルゼンチンで行われたという。
アルゼンチン軍騎兵隊と、エキストラとして牧童のガウチョが撮影に参加したらしい。この規模の映画の製作では、なるほどリメイクが製作されないわけだ。
コサックは、ウクライナ人にとっての誇りなのである。もともとが「尚武の民」なのである。
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