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2019年12月21日土曜日

美術展「ゴシック写本の小宇宙 ー 内藤コレクション展 文字に棲まう絵、言葉を越えてゆく絵」(国立西洋美術館)に行ってきた(2019年12月20日)ー 新たに加わった西洋中世美術のコレクションが美しい


美術展「ゴシック写本の小宇宙-内藤コレクション展 文字に棲まう絵、言葉を越えてゆく絵」(国立西洋美術館)に行ってきた(2019年12月20日)。国立西洋美術館に新たに加わった西洋中世美術のコレクションは必見だ。

現在、国立西洋美術館で開催されている企画展「ハプスブルク展-600年にわたる帝国コレクションの歴史」のついでに見てきたが、むしろこれを見るためにだけでも価値ある展示だといっていい。常設展の入場券で来場可能。新館2階の版画素描展示室にて。

羊皮紙(=パーチメント。この展示会では「獣皮紙」となっている)に手書きで制作され、カラフルな装飾が施された中世カトリックの聖書や祈禱書手写本(hand manuscript)として書籍形式でして制作されたが、なんらかの理由でバラバラにされて流通している「零葉」(れいよう)のコレクションである。


(パンフレットより)

長年にわたって収集してきた医学者・内藤裕史氏の個人コレクションが、一括して国立西洋美術館に寄贈されたものだ。これだけまとまったものが、実物として日本国内で鑑賞できる機会はこれまでなかった。その意味だけでも貴重だが、それだけではない。本来の制作目的を離れても、美術品としての価値も高いのだ。

もともと大学学部時代に西洋中世史を専攻したこともあって、私自身はこのテーマには大いに関心があるが、そうでない人にとっても、紙が普及する以前の羊皮紙(獣皮紙)そのものを見る機会でもある。


(「ラテン語聖書零葉:ヨシュア記・本文第1章(イニシャルE/ヨシュアに語りかける父な神)、ロレーヌ地方、1310~20年頃、インク・金・彩色/獣皮紙」 筆者撮影 )


書籍の装飾の動植物が、文字のあいだに入り込んだりするのは、手書きならではのものだ。もちろん動物や魚や植物には、キリスト教的な意味もあるのだが、そういった背景をはずしても、ビジュアル的に美しい13世紀以降のゴチック時代のものであるが、ロマネスク的な要素が入り込んでいるということか。日本人の感性にフィットしている。だから、勝手な推測だが、内藤氏も個人的に収集してきたのだろう。

今回はじめて知ったのは、通常のサイズのものだけではなく、ポケットサイズの書籍もあったことだ。文字も装飾も小さい。印刷ならまだしも、手書きでよくそんな小さな文字を書き込めたものだなと感心してしまう。


(パンフレットより)

個人コレクションを寄贈した内藤氏が、そのいきさつについて綴った「コレクションへの道のり」(2019年10月、国立西洋美術館)という会場内で配布されているパンフレットによれば、篤志家の資金援助も得てコレクションを充実した上で寄贈したのだという。詳しくは内藤氏の著書『ザ・コレクター :中世彩飾写本蒐集物語り』(新潮社、2017)に記されている。

もともと個人的な楽しんだあとはオークションで売却して老後の資金にあてる予定だったのだが、一括して寄贈することにしたのは、またバラバラになって散逸してしまうのがもったいないこと、国立西洋美術館の弱点を補うコレクションになると考えたからだという。

こういう志の高い個人コレクターのおかげで、日本国内で鑑賞できることになったことはまことにもって喜ばしい。この場を借りて感謝の気持ちを内藤裕史氏に伝えたいと思う。






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