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2014年3月30日日曜日

書評『持たざる国への道 ー あの戦争と大日本帝国の破綻』(松元 崇、中公文庫、2013)- 誤算による日米開戦と国家破綻、そして明治維新以来の近代日本の連続性について「財政史」の観点から考察した好著


「財政史」という、いっけん地味だがきわめて重要な観点から描いた「高橋是清後の日本」。もともとは 『高橋是清後の日本-持たざる国への道-』(大蔵省財務協会、2010) というタイトルで出版されたものを大幅に加筆し、2012年4月の日銀の黒田総裁による「非伝統的金融政策」も織り込んで新版である。

新版では元版の副題「持たざる国へに道」をメインタイトルにし、「あの戦争と大日本帝国の破綻」があらたな副題に変更された。わたし自身この副題を含んだあらたなタイトルに惹かれて読み始めた。「持たざる国」「あの戦争」「大日本帝国の破綻」というキャッチワードである。

著者は一貫して「あの戦争」と書き、「先の大戦」とも「太平洋戦争」とも「大東亜戦争」とも書かない。それは著者の認識では、真珠湾攻撃からはじまった「日米戦争」こそ国際政治経済の観点からみた日米経済関係、日本の財政構造から絶対に回避しなければならなかった戦争だという思いとともに、日米戦争の伏線となった中国大陸での戦争は、日米戦争がはじまるまで宣戦布告なき戦争であったことが念頭にあるためだろう。苦々しい思いが伝わってくる表現である。

ではなぜ日本は、世界の中心にある英米アングロサクソンを敵に回す戦争を起こしてしまったのか? 

冒頭でもみたように、著者は現役の財務官僚としての豊富な体験と読書から「財政史」の観点からその解答を考察している。「財政」とは「国家」そのものである。財政とは、国民から税金という形でカネを集め、そのカネを運用しながら民生安定のための再分配を行い、国家の将来のために必要な投資を行うことだ。

イレギュラーに発生し、しかも国民の人命と国家財政を大きく毀損(きそん)する可能性があるのが戦争である。日清戦争では多額の賠償金をゲットしてペイしたが、辛くも逃げ切った日露戦争ではコスト割れし、外債発行によって資金調達した借金が長く財政を圧迫しつづける。このように財政の観点から考えると、たとえ20世紀前半が「戦争の時代」であったとはいえ、戦争は回避するに限るというのが財政の観点であろう。

本書は、一般に流布しているわかりやすい「欺瞞的な説明」を排して、国家税制と日銀の金融政策の観点から「あの戦争」を考察したものだ。読むにあたっては経済と財政の基礎知識が必要だが、読めば大いに得るものは大きい。


財政史の観点から見た無謀な戦争に突入して自滅した理由

本書は二部構成である。「第一部 持たざる国への道」「第二部 軍部が理解しなかった金本位制」で構成されている。第二部は第一部の補足解説として執筆されているるが、独立して読んでも面白い。

「第一部 持たざる国への道」では、中国大陸における日本陸軍の占領政策が経済と財政の基本を理解しないものであったたために日本の窮乏化を招き、英米中心の国際金融の世界を敵に回すことによって自滅した歴史を財政史の観点から描いている。

「第二部 軍部が理解しなかった金本位制」は、江戸時代の通貨と財政の仕組みを押さえたうえで、明治維新以降の日本近代の財政と通貨制度が、その後、英米を中心とした先進国の世界標準となった「金本位制」の枠組みと制約条件のもとで運営されたことをくわしく説明している。

著者の主張は以下のとおりである。

経済と財政の基本を理解していなかった軍部が、軍需物資の大半をアメリカから輸入していた(!)にもかかわらずアメリカの虎の尾を踏むような愚策を続けた結果、日本は英米を中心とする国際資本市場から締め出されることになる。

日露戦争以来、外債によって国際資本市場から資金調達するのが当たり前になっていたのが日本であるが、それが不可能になっただけでなく、外国貿易の決済も米ドルで行えなくなったのである。

「ブロック経済」化が進展する世界情勢のなか、軍部主導で中国大陸の占領地で米ドルを媒介としない「円元パー」という等価による固定レート制の「円通貨圏」策を展開したが、経済と財政の基本を知らない愚策であり、これが日本国内から大陸への正貨流出を招き、日本の窮乏化へと追い込むことになる。「持たざる国」となったことが戦争の引き金となったのである

この真因を理解せず、「英米に追い込まれた」というわかりやすい説明を信じた国民が軍部を積極的に支持しただけでなく、むしろ突き上げた結果、無謀な戦争に突入したのであると。

じつに明快な説明ではないか。文庫版の詳細な解説を執筆している加藤陽子教授の  『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(加藤陽子、朝日出版社、2009) などの著作とあわせて読むと、納得のいくものである。

著者はまた、「開戦時の日米の国力差」のほうが「日露戦争時の日露の国力差」より小さかった(!)ことにも注意を向けている。後者が戦わなければ滅亡したかもしれない戦争であったことは否定できないが、はたして前者はしなければならなかった戦争なのか? 英米アングロサクソンを敵に回すことの意味を考えればそう言わざるをえないだろう。

「持たざる国」というタイトルについては誤解を生むといけないが、もともと「持てる国」が転落して「持たざる国」になったのではなく、「持たざる国」が経済の愚策によって窮乏化し、身の丈をはるかに超えてムリにムリを重ねた結果、破綻したしたと理解するべきだろう。

とくに「円元パー」という、日本と植民地における通貨政策が、実質的な意味で、海外市場に活路を見出した中小商工業者優遇策となっており、政治的には廃止が難しかったことも著者は指摘している。

「円元パー」による正貨流出による国内のカネ回りの悪化という形の国民が窮乏化したこと戦争のための大規模動員による人的資源不足(・・その結果、植民地と占領地から労働不足解消のための強制徴募を行ったことが現在も訴訟という形で尾を引いている)・・・・。これでは戦争に勝てるわけがないではないか。失敗すべくして失敗したことは誰の目にも明らかではないか。

昭和の陸軍軍人たちもまた当時のエリート官僚であるが、その教養においては工学と人文学にかたより、社会科学、とくに経済学の理解が欠けていたことが大きな問題だったのだ。

読んでいて思うのは、日米戦争は経済合理性の観点だけでなく、軍事的合理性の観点からいっても「誤算」以外のなにものでもなかったということだ。当時の日本は、米国から軍事関連物資を輸入していたのである。その米国と戦争するなどということ自体が常軌を逸していたわけである。





財政史の観点からみたせ「戦前」と「戦後」の連続性

本書は、「戦前」と「戦後」の連続性「戦前」と「戦後」の連続性に気づかせてくれる本として読むことも可能だろう。

明治維新以来の近代日本は、経済と財政の基本を知らない軍部に振り回され、誤算によって英米アングロサクソンを敵に回す愚をおかしたが、敗戦後は明治維新以来の「親英米路線」に復帰した。財政と金融の観点でいえば、敗戦後は国際金融の世界に復帰したということである。

米ドルという基軸通貨を中核にした国際貿易における決済システムを握っている米国、「サッチャー革命」によって金融街シティが「ウィンブルドン化」によって復活した英国。英米アングロサクソン中心の国際金融体制はきわめて強固である。国際金融の世界は、依然としてアングロサクソン世界の独壇場である。

「財政史」という観点からみると、「戦前」と「戦後」の断絶よりも連続性のほうがつよいことを本書を読んでいて実感する。連続性という観点から明治維新以降の日本近現代史をみると、大東亜戦争の4年間が「親英米路線」からの「逸脱」であったと理解すべきなのではないかと思うのである。英米アングロサクソンとの協調は日本の支配層にとっては「国是」なのである。みずからを英国流の立憲君主として理解していた昭和天皇にとってもそれは「常識」であった。

とはいえ、戦時下において大蔵省(当時)が戦費捻出のためにさまざまな策を講じていることに注目しておくべきだろう。また戦前は「金本位制」の制約のもとに金融財政があったという理解も不可欠だ。

戦時中の昭和15年(1940年)に税制改革を筆頭にさまざまな「戦後改革」が先行して実施に移されていたこと、この点は本書にはいっさい言及がないが、大蔵省出身の経済学者・野口悠紀夫教授が『1940年体制』というネーミングで一般化したとおりである。

野口教授の『1940年体制』は、「戦時体制」が現在にいたるまで強固に解体されないまま残存しているのが問題だというのがメインテーマであったが、国際標準の金融財政制度から逸脱するものがあったとしても、日本独自の制度が戦後復興と高度成長を実現する原動力になったことは否定できない。

著者は強調しているわけではないが、戦後復興と高度成長を実現する前提条件が、敗戦後のハイパーインフレーションによる国家債務帳消しにあったことは重要である。

国家が公債発行と日銀による引き受けをつうじて日本国民からかき集めた「負債」は、裏返しにみれば国民の「資産」であったが、敗戦後のハイパーインフレーションで「国家債務」が帳消しにされ、その後の高度成長実現のためのラッキーな前提になったという点である。国民からの借金が踏み倒されたということであり、国民資産を犠牲にした実質的な大増税であったのだ。

この歴史的事実はアタマのなかに入れておいたほうがいい。

すでに財務省(旧大蔵省)は財政再建のためのラストリゾートとして「前例」をもっているのである。「前例主義」の官僚のマインドセットからいえば、ふたたび実行に移される可能性なきにしもあらずと考えるのが自然というべきだろう。

2013年4月から開始された日銀による国債大量購入という「非伝統的な金融政策」だが、これはすでに戦前の高橋是清が実施したものであることを著者は指摘している。ただし「出口戦略」を誤ったのが井上準之助による金本位制復帰とデフレ政策であったのが歴史的事実であった。はたして今回の黒田日銀総裁は「出口戦略」をスムーズに実行できるのか?

いま日本の財政はふたたび破綻にむかって突き進んでいる。学ばねばならない教訓は多い。だが、教訓を学んだとて、悪化する現実という津波には飲み込まれてしまうのかもしれない。


国家指導者の視点から国家経営を考える

著者は本書出版時は内閣府事務次官というポストにあった現役の財務官僚であり、統治する側の視点から国家経営を考えている。

財務省(旧大蔵省)の視点なので「上から目線」を感じなくはないが、政策担当者の思考を知るうえで貴重な一冊といえるだろう。

先に戦時中の金融財政改革について触れたが、戦時中に導入された直接税や源泉徴収などはあくまでも「税金をとる側」(=タックスコレクター)のものであって、「税金を払う側」(=タックスペイヤー)のものではない本書はタクスペイヤーの視点を欠いていることを指摘しておかなければならない。

経済の基本がわかっていないと、昭和の軍人を見る視点には「司馬遼太郎史観」(・・もしそういうものが存在すればだが)的なものを感じなくはないが、それは厳然たる事実であるので否定する余地はない。

現在の自衛隊幹部がどこまで経済と財政について理解しているか知らないが、専守防衛時代においては占領地経営の必要はないので、考えなくてもいい課題かもしれない。

財政史を狭義の専門家以外にも読んでもらうことを意図した本なので、じっくりと読み込めば得るものは多いはずだ。ぜひ読んでほしい本である。





目 次

第一部 持たざる国への道
 第1章 あの戦争はなんだったのか
 第2章 日本の孤立を招いた上海事変
 第3章 中国戦線の実態
 第4章 「持たざる国」への道
  1. 池田蔵相(第一次近衛内閣)の対英米協調路線
  2. 満洲経営と華北分離工作
  3. 国内経済の犠牲における満洲の発展
  4. 華北における経済戦の敗北-自ら招いた正貨流出問題
  5. 実らなかった戦争回避路線
  6. 米国との経済的な交戦状態への突入
  7. 金(きん)の献納運動-対米金塊現送
 第5章 予算制約の有名無実化
  1. 盧溝橋事件前
  2. 世相の変遷
  3. 大蔵省の「物の予算」と日本銀行による軍需産業支援
  4. 臨時軍事費特別会計(昭和12年9月10日~21年2月28日)
  5. 欲しがりません勝つまでは-国民貯蓄奨励運動
  6. 皇国租税理念-6倍もの大増税
  7. 予算統制の有名無実化
  8. 紙の上だけの物動計画
  9. 国家の災いをもたらしたもの-陸軍のエリート教育
 第6章 誤算による日米開戦
  1. ABCD包囲陣
  2. 誤算による日米開戦-日露戦争との違い
  3. ハイパー・インフレ-無理な物資調達による巨大な戦争被害
 第7章 先の戦争が残したもの
  1. 経済的、財政的な負け戦に終止符を打った敗戦
  2. 先の戦争が残したもの-税制、教育制度、地主制度の改革
  3. 地方への財源保障
 第8章 軍部の暴走を許したもの
  1. 明治22年の内閣官制
  2. 弱い首相を支える試み
  3. 軍の暴走-シベリア出兵と軍の機密費
第二部 軍部が理解しなかった金本位制
 第1章 江戸の通貨制度
 第2章 江戸の金銀複本位制から明治の金本位制へ
 第3章 金本位制の番人だった日本銀行
 第4章 英米の中央銀行-悩み多き金融制度の守護神
おわりに
解説(加藤陽子)
参考文献
関連年表

著者プロフィール 
松元 崇(まつもと・たかし) 
1952年、東京生まれ。1975年、国家公務員上級試験と司法試験に合格。1976年、東京大学法学部卒業。同年大蔵省(現・財務省)入省。1980年米スタンフォード大学MBA取得(同時に日本人として初めて優秀学生として表彰される)。1982年尾道税務署長、1983年証券局総務課課長補佐、1986年主計局主計官補佐、1991年熊本県企画開発部長、1993年銀行局中小金融課金融会社室長、1994年主税局総務課主税企画官、1995年主計局調査課長、1997年主計局主計官、2001年主計局総務課長、2003年大臣官房参事官兼審議官、2004年主計局次長、2007年内閣府政策統括官(社会経済システム担当)、2009年内閣府大臣官房長を経て、2012年より内閣府事務次官に就任。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。



<関連サイト>

アベノミクスの原型・高橋是清の経済政策を顧みる 積極財政の誤解と国債の日銀引き受けから学ぶこと (松元 崇、ダイヤモンドオンライン、2014年12月12日)

(2014年12月12日 項目新設)




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財政こそ国の要(かなめ)

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書評 『警告-目覚めよ!日本 (大前研一通信特別保存版 Part Ⅴ)』(大前研一、ビジネスブレークスルー出版、2011)-"いま、そこにある危機" にどう対処していくべきか考えるために

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ドイツを「欧州の病人」から「欧州の優等生」に変身させた「シュレーダー改革」-「改革」は「成果」がでるまでに時間がかかる
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書評 『成金炎上-昭和恐慌は警告する-』(山岡 淳一郎、日経BP社、2009)-1920年代の政治経済史を「同時代史」として体感する
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通貨について知る

『ピコラエヴィッチ紙幣-日本人が発行したルーブル札の謎-』(熊谷敬太郎、ダイヤモンド社、2009)-ロシア革命後の「シベリア出兵」において発生した「尼港事件」に題材をとった経済小説
・・私企業である日本の中小商社が発行した通貨ピコラエヴィッチ。通貨発行の本質もそのテーマの一つである経済小説

三度目のミャンマー、三度目の正直 (5) われビルマにて大日本帝国に遭遇せり (インレー湖 ④)
・・日本軍占領下のビルマで発行されたルピー軍票に書かれた大日本帝国の文字

『エンデの遺言-「根源」からお金を問うこと-』(河邑厚徳+グループ現代、NHK出版、2000)で、忘れられた経済思想家ゲゼルの思想と実践を知る-資本主義のオルタナティブ(4)
・・「補完通貨」というオルタナティブなマネーである「地域通貨」の仕組みとその背後にある思想を知る

(2014年4月22日、12月12日 情報追加)


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