「アタマの引き出し」は「雑学」ときわめて近い・・日本マクドナルド創業者・藤田田(ふじた・でん)に学ぶものとは?

◆「アタマの引き出し」つくりは "掛け算" だ : 「引き出し」 = Σ 「仕事」 × 「遊び」
◆酒は飲んでも飲まれるな! 本は読んでも読まれるな!◆ 
◆一に体験、二に読書、その体験を書いてみる、しゃべってみる!◆
◆「好きこそものの上手なれ!」◆

<旅先や出張先で本を読む。人を読む、モノを読む、自然を読む>
トについてのブログ
●「内向きバンザイ!」-「この国」日本こそ、もっとよく知ろう!●

■■ 「むかし富士山八号目の山小屋で働いていた」全5回 ■■
 総目次はここをクリック!
■■ 「成田山新勝寺 断食参籠(さんろう)修行(三泊四日)体験記 」全7回 ■■ 
 総目次はここをクリック!
■■ 「庄内平野と出羽三山への旅」 全12回+α - 「山伏修行体験塾」(二泊三日)を中心に ■■
 総目次はここをクリック!


「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!

「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!
ビジネス寄りでマネジメント関連の記事はこちら。その他の活動報告も。最新投稿は画像をクリック!



ご意見・ご感想・ご質問 ken@kensatoken.com にどうぞ。
お手数ですが、コピー&ペーストでお願いします。

© 2009~2024 禁無断転載!



2017年7月26日水曜日

『遍歴放浪の世界』(紀野一義、NHKブックス、1967)はいつになっても全編読み通せない。その理由は・・・


今週のことだが熱帯夜のある日、朝3時頃に目が覚めてしまった。それから眠れなくなってしまったので、寝室にある書棚の本を整理しはじめたら、とある本が目に入ったので手にとって読み始めた。

『遍歴放浪の世界』(紀野一義、NHKブックス、1967)がその本だ。

いつになっても全部読み通したことがない本なのだが、その理由は内容が難しいからではない。 読み始めると、「人生」について切実にいろいろ考えてしまうことが多いからなのだ。だからその時点で本をいったん閉じてしまうと、その先を読めなくなってしまうのだ。立ち止まって考えてしまうのだ。

紀野一義氏は、宗派に関係ない立場で、広く大乗仏教の教えを説きつづけてきた人。本来は『般若心経』のサンスクリット原文からの原典訳などの実績のある仏教学者なのだが、平易な語り口で人生講話的な法話をつづけてきた人だ。この本も、素材は仏教に限らず文学全般に幅広く求めている。

じつはお目にかかったことも、肉声は一度も聞いたことがなく、しかも読んだ本はそのごく一部にしか過ぎないのだが、どの一節であれ読むたびに深く「人生」について考えてしまわざるをえない仏教は、生きるということは「苦」であると明言しているからであろうか。

スマホで検索してみたら、紀野一義さんは、すでに2013年にお亡くなりになっていた。そうだったのか。いや、そうだろうなあ。この本の奥付には、1922年生まれとあるから。戦中派で学徒動員の世代なのだ。しかも出征中に広島の家族は原爆で全員亡くなっているらしい。

自分がもっているのは、1993年の「新装版」なのだが、「新装版」のあとがきで、著者は44歳のときに書いた本で、自分はすでに70歳だと書いている。

そうか、50歳をまえに書かれた本だったのか・・・。迷い、惑い、不安に満ちた40歳代。この事実じたいが、なんだかまたいろいろ考えさせられてしまう。40歳代でこんな本を書ける人だったのか。

初版がでた1967年は、いまからちょうど50年前、新装版からもすでに24年。時がたつのは、じつに早い。この本を買ったとき、自分はまだ30歳を少し過ぎたぐらいだったのか、とあらためて知る。

もちろん、多くの日本人にとって「遍歴放浪」は憧れであっても、実行できる人は少ない。でも、それでいいのだろう。

そんな「遍歴放浪」に身を投じた、西行法師や一遍上人、芭蕉や山頭火など、過去の日本人の軌跡をたどることで、一般人もまた空想のなかであっても「放浪遍歴」に身をゆだねることができる。それでいいのだろう。

そんなことを思いつつ、二度寝することにした。







<ブログ内関連記事>

「シャーリプトラよ!」という呼びかけ-『般若心経』(Heart Sutra)は英語で読むと新鮮だ
・・中村元・紀野一義訳の岩波文庫版は繰り返し読んできた

自分のアタマで考え抜いて、自分のコトバで語るということ-『エリック・ホッファー自伝-構想された真実-』(中本義彦訳、作品社、2002)
・・人生の前半を「放浪生活」に送った哲学者

書評 『目覚める宗教-アメリカが出合った仏教 現代化する仏教の今』(ケネス・タナカ、サンガ新書、2012)-「個人のスピリチュアリティ志向」のなかで仏教が普及するアメリカに読みとるべきもの
・・個人単位の仏教実践がアメリカ流

書評 『仏教要語の基礎知識 新版』(水野弘元、春秋社、2006)-仏教を根本から捉えてみたい人には必携の「読む事典」




(2017年5月18日発売の新著です)


(2012年7月3日発売の拙著です)







Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは
http://kensatoken.com です。

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!



end