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2021年5月30日日曜日

「キャット空中三回転」は本当だった!-20m上空の鉄塔から飛び降りたコネコが空中で三回転して前足から着地した動画から分解写真を作成

 
先日のことだが、米国のシカゴで火災に見舞われたビルの5階からクロネコがジャンプして無事着地するという事件(いや快挙!)があったことが動画ニュースで報道されていた(2021年5月15日)。

「決死のダイブ」と言われているが、それはあくまでも人間の考えであって、そもそも無謀に飛び出す性質をもつネコのことだから、おそらく何も考えずにダイブしたのだろう。ネコの交通事故死が多いことから、そう考えるのが自然だろう。


だが、このクロネコは、スカイダイビングのように両手両脚を拡げて飛び出しているので、空中では1回も捻りは行っていない


なにかいい動画がないものかと探していたら、見つかったのが「子猫を救え! 地上20m...はしご車も出動」(FNNプライムオンライン 2019年11月12日)というタイトルの動画記事だった。


どんな内容だったか、動画につけられたキャプションを引用しておこう(*太字ゴチックは私による)。

高知市内の野球場に到着したのは、3人の消防隊員。彼らに課されたのは、救出のミッション。長いはしごを立てた観客席の先にいたのは、1匹の子ネコ。地上20メートルで行われた2日がかりの救出劇、その一部始終の様子をとらえた。

高知市内の野球場で、地上およそ20メートルの高さにあるネットによじ登ってしまった子ネコ。駆けつけた消防隊員が綱に手をかけ、ワイヤの上をつたっていく。まさに、命がけの救出作戦。
しかし、気配を察した子ネコは離れていってしまった。子ネコが鉄柱に移動したタイミングで、再び救出を試みる消防隊員。すると...ネコはネットを駆け下り、急降下。一瞬、ヒヤッとする場面も。この日は、保護を断念せざるを得なかった。

それからひと晩たち、翌日、出動したのは「はしご車」。消防隊員が、保護用の網を慎重にかぶせ、保護に成功と思った次の瞬間...。子ネコが網から飛び出し、真っ逆さまに落下。息をのんだ、その直後...。
       
消防隊員「子ネコは落ちてしまったけど、元気に走って逃げていきました」 よく見ると、確かに前足から無事、着地していた。2日間にわたる救出劇は、見事な着地で幕を閉じた


動画は時間がたてば削除される可能性もあるので、スロー再生のビデオを、さらに0.5倍速で再生し、キャプチャして動作を分解してみた。いわゆるモーション・スタディとして。

以下、コネコが飛び出してから着地までを見てみよう。パラパラまんがとして楽しんでほしい。動画だと、ギャラリーの悲鳴とともに過ぎ去った、ほんの一瞬の出来事である










ここで1回転目。けっして「真っ逆さまに落下」していない!









2回転目









ここで3回転目が始まる!




その後の着地シーンも動画にあった。





なるほど、往年のアニメ『いなかっぺ大将』(1967年~1972年放送。川崎のぼる原作)に登場する「にゃんこ先生」の「キャット空中三回転」は本当だったのだなと実感した次第。このアニメは、昭和40年代に小学生だった人なら、よく知っていると思う。


ただし、すべて成功するわけではないのである。あくまでも、ネコが自分の意志で飛び出したときにには、着地に成功することもある、ということだ。そもそも太ったネコだと着地はムリだろう。

(上記の動画よりキャプチャ)

よい子の皆さんは、間違っても「キャット空中三回転」を真似したり、ネコを20mの高さから落としたりすることはしないように!



<参考>

『コマの科学』(戸田盛和、岩波新書、1980)の「第11章 回転のあれこれ」に「ネコの落下」という一節がある。

要するに、ネコは脚を身体から遠ざけたり、近づけたりして、前半身や後半身の慣性モーメントを別々に時々刻々と変える。慣性モーメントの大きな部分は回転させにくいから、慣性モーメントの小さい部分だけを大きく回すことができるのである。(P.161)

ネコは、通常は背中から落ちることはないのである。


この実験においては、何メートルから落としたか書かれていないが、人間の背の高さ程度なのであろう。




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2017年11月19日日曜日

オスネコの本能である「エクスカーション」を知る-「NHKダーウィンが来た-生き物新伝説」で全2回の「ネコ特集」!(2017年11月12日・19日)

(大怪我を負って戻ってきたノーブル君 筆者撮影)

「NHKダーウィンが来た-生き物新伝説」で、待望の「ネコ特集全2回」が放送された。猫島として有名な福岡県の相島(あいのしま)に生きる、茶猫のノラネコの若いオスの生態を追ったものだ。その若いオスネコは、個体識別法により「コムギ」と名付けられている。

第1回(11月12日)は、本能にプログラムされたオスネコの「エクスカーション」、第2回(11月19日)は「猫口密度」の高い狭い島で、オスネコがあらたに身につけた「社会性」とでもいうべき新発見を扱っている。

とくに第1回の放送は、この番組はノラネコ研究のいいおさらいになった。『わたしのノラネコ研究』(山根明弘、さえら書房、2007)の著者で、フィールドワークによるノラネコ研究の第一人者・山根明弘氏が監修している。

かつて、うちに近くにいたオスのノラネコ「ノーブル君」が大けがして戻ってきたことがあったが、あれは「エクスカーション」だったのだ(上掲写真)。

(高貴なたたずまいの若いオスネコ「ノーブル君」 筆者撮影)

「エクスカーション」とは、オスが自分のいつもの居場所から離れて「遠征」にいくことだ。数日から十数日にわたる遠征には突然ふいと出かけてしまうだけでなく、突然戻ってくるものの怪我をしていることもあるので飼い猫の飼い主を驚かせることがある。飼い猫といえでも、オスネコの本能は消えることはないのである。

(土足で他ネコの領域に踏み込む傍若無人なノーブル君 筆者撮影)

高貴なたたずまいだったので、私が勝手に「ノーブル君」と命名していたのだが、やや無謀なところのある、眼光鋭い若武者だった「ノーブル君」は、けっして逃げないネコだった。

激しいキャッツファイトで負傷したのだろう。その後、彼は姿を消して二度と戻ってこなかった。いまから6年前、2011年のことだ。

ノラネコ観察中に撮影したオスネコどうしの激しいケンカのシーンを動画に撮影しているので、ここであらためて紹介しておこう。タイトルは、「炸裂するキャッツ・ファイト!オスネコどうしのガチンコ対決」。おお、なんと視聴回数が10万回を超えているではないか! 

コンテンツとして評価されているのだろう。NHKではキャッツファイトそのものは残酷という批判を恐れて放送しないのだろうか?ぜひご覧いただきたい。


今回の2回の放送には3年間をかけているという。これまた密度の濃い番組なのだ。またいつの日か、「NHKダーウィンが来た-生き物新伝説」でのネコ特集の放送を大いに楽しみにしていう。




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