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2009年12月1日火曜日

タイのあれこれ (23) DVDで視聴可能なタイの映画-① ムエタイもの、② バイオレンス・アクションもの


    
 これまで「タイのあれこれ」と題して、ガイドブックには載っていないようなネタを中心に取り上げ、それぞれのテーマに関連する映画の紹介も行ってきました。今回は「タイの映画」と題して、まとめて紹介を行っておきましょう。以下のテーマでジャンルを分類しておきましょう。
  
① ムエタイもの
② バイオレンス・アクションもの
③ 歴史もの
④ 人生もの(恋愛もの含む)
⑤ カトゥーイ×スポーツもの:「タイのあれこれ (19)
⑥ 怪奇映画:「書評『怪奇映画天国アジア』

 すでに紹介した⑤と⑥を除き、①から④までを、これから3回にわけて紹介します。
 基本的に、日本でDVDが発売されているものを中心に、映画祭などで過去に上映された作品も加えておきます。


① ムエタイもの

◆『マッハ!!!』(原題:オン・バク Ong Bak) 製作公開2004年 監督・製作:プラチャヤー・ピンゲーオ、主演:トニー・ジャー
◆『トム・ヤム・クン』(英語タイトル:The Protector)製作公開2005年 同上


 個人的に格闘技好きなので、何よりもまず、ムエタイ映画をあげておきましょう。ムエタイは一時期日本では、キックボクシングといわれたこともありますが、タイの国技です。

 ブルース・リー、ジャッキー・チェン、ジェット・リーと続いた香港・中国出身のカンフー映画に、中華文明圏以外からは初めて(・・まあタイも広い意味では中華文明圏といえるのかな)でてきたのが、この2つの映画で主役を演じた、タイのトニー・ジャーです。

 ちなみに、ブルース・リーの一つである 『ドラゴン危機一髪』(1971年 原題:唐山大兄 The Big Boss)の舞台設定が、中国人の出稼ぎ先であるバンコクを舞台にしているのも、何かしら感慨深いものがありますね。

 タイではすべての若者が、ムエタイの心得があるわけではありません。日本人がすべて空手の心得があるのではないのと同じです。主にイサーンなど地方出身の若者が一攫千金を狙って精進しているものです。ムエタイの試合を見に行った人は知っていると思いますが、たとえばルンピニ・スタジアムなどでも、観客は試合内容そのものではなく、ギャンブルとして観戦しているのが実態です。試合自体、大技がでることはまずありません。

 その点、とくに『マッハ』では、もともとが白兵戦において実戦使用された人間兵器である、古式ムエタイの技が次から次へと繰り出されるので、格闘技ファンにはたまりませんねえ。古式ムエタイの心髄が単なる蹴り技でなく、破壊力の観点から、ヒジ打ちとヒザ蹴りにあることがわかります。


 さて、『マッハ』は、村のお寺から盗まれた仏像の頭を取り戻すためにヤクザ組織と闘う主人公の八面六臂のアクションもの。日本版トレーラー英国版トレーラーを参照。

 『トムヤンクン』は、大事にしていた親子の象2頭をチィニーズ・マフィアの国際犯罪組織に盗まれた主人公がオーストラリアまで奪い返しにいくストーリーです。日本版トレーラー米国版トレーラーを参照。シドニーを舞台に、アジア人どうし(タイ人 vs. ベトナム人)の抗争も交えて、なかなか見応えのある内容になっています。ただし、技にかんしては、ムエタイ+合気道といったかんじなので、『マッハ』のほうが上でしょう。

 ちなみに、『マッハ』の主演のトニー・ジャーは日本でいうと織田裕二みたいな風貌ですが、バンコクではあまり好まれない容貌です。イサーン出身の主人公という設定がされるのも、そのためでしょう。どちらかというとジャニーズ系のイケメンが好まれるのは、韓国や最近の日本(・・いや一時期個性がもてはやされた時期を除けば一貫して)と同じですね。  

 また相方を務めるのは、イラストレーターの南伸坊を顔を少し小さくしたようなペットターイ・ウォンカムラオ(愛称マム)は、タイのTVによくでている有名なコメディアンですね。

 映画のなかでトニー・ジャーが、白人の大男どもををぶちかますーンに溜飲がさげるのは、全アジア人男性共通の感想でしょう。

 ムエタイものは、広い意味ではアクションもの、バイオレンス・アクションものといえるかもしれませんが、あえて別分類としておきました。


② バイオレンス・アクションもの

◆『レイン』(原題:Bangkok Dangerous) 製作公開1999年 製作:ノンスィー・ニミブット、監督・脚本・編集:オクサイド&ダニー・パン 米国版トレーラー
◆『6ixtynin9 シックスティナイン』 製作公開1999年 監督・製作・脚本:ペンエーグ・ラッタナルアーン タイ版トレーラー
◆『デッド・アウェイ-バンコク大捜査線-』 製作公開1999年 監督:チャルーム・ウォンピム


 BKK(バンコク)はL.A.(ロサンゼルス)なのか!? という気にさせられる、バイオレンス・アクションものも、ひとつの大きな映画ジャンルです。

 日本人がタイに抱いているイメージは、依然として"微笑みの国"でしょうが、実際のタイは、"犯罪発生率"(・・あくまでも発生率です、発生件数ではありません)は実に日本の約7倍(!)、とくに銃器を使用した犯罪は日常茶飯事というのが実態です。毎日のように殺人事件の話が新聞にのっています。

 なんせ、タクシー運転手でも護身のためにピストルをもっているものさえいます。バイオレンスは決して映画のなかだけではないのです。米国とかわりません。

 もちろん、バンコクは夜中歩けないなんてことはありませんが、凶悪犯罪が多いのも否定できない事実です。麻薬(クスリ)がらみの犯罪、ディスコでの発砲事件、若者どうしの銃撃戦、深夜未明のカーチェイス、強姦事件・・・なんでもありですね。とくにラチャダー・ソイ4といえば、東京だと新宿・歌舞伎町のイメージでしょうか。

 なんで仏教国のタイが、なぜそんなに犯罪が多いのか、殺人は仏教の"殺生戒"に反するのではないか・・・なんて考えてみたところで、詮ない話でしょう。弱きもの、なんじの名は人間というのが、仏教世界のみならず、どの国でも偽らざる実態であります。

 しかしそうはいっても、見境なく人を殺したり、いとも簡単に銃を発砲する輩が少なくないのも事実です。"微笑みの国"の住民であるタイ人は、普段は虫も殺さぬようなおとなしさを示していますが、いったんスイッチが入ると、ぶち切れ方は日本人の比ではないでしょう。路上でつかみ合いのケンカをしている二人の女を目撃したことがありますが、すさまじいものではありましたね。タイに限らず、東南アジア全般にいえることのようです。基本的に暑い地域ですから、血も沸騰しやすい。だから、つねに"ジャイ・ジェン・ジェン"(冷静に!落ち着け!)と諭されるわけです。

 しかし、米国や日本のように、いわゆる"無差別大量殺人"はほとんど発生していません。バンコクにいた際に、東京の秋葉原の無差別殺人事件のニュースを知りましたが、本当に背筋の凍る思いでした。バンコクではああいう事件はまず発生することはないでしょう。

 殺人事件の大半が、三角関係のもつれという個人的な事情によるものです。あとは雇われたプロの殺し屋による商売ガタキ暗殺、対立する政治家の暗殺など、因果関係の比較的明快な殺人事件が多いのもタイの特徴でしょう。基本的に外国人を巻き込んだ殺人事件は少ないので、その点は安心(?)です。

 バイオレンス・アクションものは、その意味では、リアリティがあるわけです。これからも、バンコクを舞台にして今後もまだまだ大量に製作されていくことでしょう。華人世界を通じて、アンダーグラウンドでは、バンコクは香港やその他中華圏の犯罪組織とつながっていますし、なんせ"ゴールデン・トライアングル"を抱えているので、麻薬関連の話は尽きることがありません。

 というわけで、バイオレンス・アクションものはネタが尽きることがないわけです。決して荒唐無稽なお話でもないわけですが、もちろんアクションですので誇張表現はされていますが。


 さて、日本公開時のタイトルが『レイン』となっていた映画ですが、原題は Bangkok Dangerous、昨年公開されたニコラス・ケイジ主演の『バンコク・デンジャラス』はそのリメイクです。昨年はニコラス・ケイジのものもバンコクで公開されていましたが、私は見ていないので論評しようがありません。

 内容は、耳の聞こえない青年の殺し屋が、次から次へとターゲットをヒットしていく。ふと知り合った女性と自分の正体を隠して付き合うが・・・。バイオレンス・アクションものでは、最高にクールな作品です。何度も見たい映画の1つですね。

 『6ixtynin9 シックスティナイン』ときいて、エロと想像する人がいたら、それは違うことを考えてますよ(笑)。内容は、リストラされた女性社員に偶然もたらされた大金をめぐって、次から次へと起こる不条理な事件に巻き込まれていくという、緊迫する展開のバイオレンス・アクション。これも脚本が実によく練られていて、見るものをぐいぐい引き込んでゆく内容です。これも記憶に残る作品。


 『デッド・アウェイ-バンコク大捜査線-』は、スケールの大きなバイオレンス。アクションもの。麻薬組織へのおとり捜査をする警察特殊部隊と犯罪組織との死闘を描く。エンターテインメントとしては、前二者にくらべると、趣味性が強くないので、一般的な観客にもわかりやすい内容といえるでしょう。

 バイオレンス・アクションものは大量に製作されています。タイの連ドラ(=連続ドラマ:タイ語でラコーン)でもこのテーマは多いですね。

 「DVDで視聴可能なタイの映画 ③ 歴史もの」に続きます。

 





<ブログ内関連記事>

タイのあれこれ (24) DVDで視聴可能なタイの映画-③ 歴史もの

タイのあれこれ (25) DVDで視聴可能なタイの映画 ④人生もの=恋愛もの

書評 『怪奇映画天国アジア』(四方田犬彦、白水社、2009)-タイのあれこれ 番外編-

タイのあれこれ (19) カトゥーイ(=トランスジェンダー)の存在感
・・カトゥーイものの映画2本を紹介

「タイのあれこれ」 全26回+番外編 (随時増補中)








(2012年7月3日発売の拙著です)









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