真夏日に似合うのが ムケゲ の花。
漢字だと 「木槿」、あるいは 「無窮花」 と書きますね。
「無窮花」 を韓国語読みすれば「ムグンファ」。韓国の国花でもあります。
韓国語も固有語ではなく、漢字という共通語が背景にある単語だと、アタマのなかにすっと入ってくるのはありがたいものです。
そういえば、『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』という韓国小説の日本語訳がありました。韓国のいわゆる愛国反日小説といった内容でした。
タイトルと日本国内での衝撃(?)だけはつよく印象に残りながらも、小説じたいは読んでいません。どんな内容であるかについては、wikipedia で調べて見ましょう。
『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』(むくげのはながさきました)は、金辰明による韓国の小説。民族主義的、反日的な小説で、韓国では100万部を売ったベストセラーとなった。また、1995年に映画化され、1995年度 良い映画、第6回 春史映画芸術賞 男子優秀演技賞(イ・ヘリョン)、審査委員特別賞を受賞した。
作中に韓国が北朝鮮と手を結び南北共同軍を組織して日本に核を撃ち込むという戦略シナリオを読む部分がある。また、南北共同軍が対馬や九州を占領した後、熊本県の水前寺公園を意味も無く破壊したり、日本の農家から作物を収奪して食糧不足に悩む北朝鮮へ送るなどの記述もある。一連の南北共同軍による攻撃で、万策尽きた日本は韓国と北朝鮮に降伏し、多額の賠償金を支払う事や島根県の竹島の領有権主張を放棄する事、更には韓国が長崎県の対馬を36年間植民地にする事などを認める内容になっている。
原作は1993年出版のようですが、ずいぶん物騒な内容ですね。
日本語版は、 『ムクゲノ花ガ咲キマシタ 上下』(金辰明=キム・ジンヒョン、方千秋訳、徳間書店、1994)です。
ムクゲが咲くのは真夏、日本人であれば真夏の8月6日は「原爆記念日」なので、核戦争の小説は、たとえシミュレーションだとしても、正直いって好印象はもてません。
1995年に公開されたという韓国映画 「ムクゲの花が咲きました」のさわりの部分をYouTubeで視聴してみるとよいでしょう。 ⇒ https://www.youtube.com/watch?v=dJhvm4D506I
もちろん、わたしは反韓感情をあおるつもりなど毛頭ありませんが、 『ムクゲノ花ガ咲キマシタ 』については、その存在を知っていると知らないとではまったく異なります。
「韓流ブーム」で日韓関係は劇的に改善したなどという幻想は、もたないほうがよいのではないでしょうか? 『ムクゲノ花ガ咲キマシタ 』は、原作が出版されたのが1993年、映画化が1995年ですから、まだ20年もたっていないのです。
日韓ともに、相手に対しては勝手な思い込みをしがちな傾向がありますが、日本から見た韓国だけでなく、韓国から見た日本についても、つねに意識して「アタマの引き出し」のなかに入れておくことが必要です。
なにごとも「複眼的」に考えるクセをつけることが大事ですね。 『ムクゲノ花ガ咲キマシタ 』の存在は、ムクゲの花が咲く季節に、毎年思い出すべきでしょう。
<関連サイト>
韓国映画 「ムクゲの花が咲きました」
・・韓国人俳優のしゃべる日本語がヘンなので笑えるが、内容はちっとも笑えない
PS. 2012年8月15日の韓国大統領の暴挙と暴言について
この記事を 2012年8月6日に書いたときは、予想もしなかったのだが、2012年8月15日に韓国のイ・ミョンバク大統領が竹島上陸を断行しただけでなく、「謝罪せよ」などという天皇陛下に対する不敬発言さえ飛び出した。
8月15日は日本にとっては大東亜戦争の「敗戦記念日」だが、韓国から見れば民族の独立と国家主権を回復した「光復節」である。ここまでは、それぞれの「ものの見方」であるから、どうのこうの言うつもりはまったくない。複眼的に見るとはこういうことを指す。
しかし、韓国大統領の言動には違和感を感じるだけでなく、怒りを感じている日本国民はすくなくいないと思う。たとえ、政権末期でレイムダック化した大統領だとはいえ、これら一連の暴挙と暴言が許されざる行為であることに異論はあるまい。
韓流そのものを否定するつもりはまったくないが(・・いいものはいい、悪いものは悪いの是々非々でいくべきだから)、韓流ブームによって過去を水に流したなどとは夢にも思わぬことだ。
そもそも日本と韓国とでは歴史観がまったく異なるのである。この点については、書評 『日本文明圏の覚醒』(古田博司、筑摩書房、2010)-「日本文明」は「中華文明」とは根本的に異なる文明である をぜひご参照いただきたい。
アングロサクソンほどではないが、あくまでも事実ベースでものを考えるのがプラグマティストである日本人の発想であるなら、韓国人や中国人は「~であるべき」という発想でものを考えがちである。ドイツ語でいえば、ザイン(=である)とゾレン(=であるべき)の違いである。
とくに韓国人は、朱子学という儒教原理主義ともいうべき悪弊に染まっており、日本人とは歴史観をすりあわせることはきわめて困難であると、古田博士は述べておられる。
南北朝鮮民族の思考方法に精通した碩学・古田博司先生の発言は、まさに値千金である。われわれは、あくまでもアングロサクソン的な事実中心主義(ファクトベース思考)でいくべきである。
つまりは国際的な場で第三者による判定(ジャッジ)を求めるべきなのだ。まずは言論のチカラによって。
(2012年8月22日 記す)
<関連サイト>
今度こそ本気の韓国の「核武装論」 日本の核武装も認め、米国への言い訳に(鈴置高史、日経ビジネスオンライン 2013年2月28日)・・ついにこんな議論が韓国でも出てくるようにになってきたのか。
<ブログ内関連記事>
原爆記念日とローレンス・ヴァン・デル・ポストの『新月の夜』
書評 『原爆と検閲-アメリカ人記者たちが見た広島・長崎-』(繁沢敦子、中公新書、2010)
書評 『原爆を投下するまで日本を降伏させるな-トルーマンとバーンズの陰謀-』(鳥居民、草思社、2005 文庫版 2011)
広島の原爆投下から66年-NHKスペシャル 「原爆投下 活かされなかった極秘情報」 をみて考える
書評 『忘却に抵抗するドイツ-歴史教育から「記憶の文化」へ-』(岡 裕人、大月書店、2012)-在独22年の日本人歴史教師によるドイツ現代社会論
「日韓併合100年」に想うこと (2010年8月22日)
書評 『日本人は爆発しなければならない-復刻増補 日本列島文化論-』(対話 岡本太郎・泉 靖一、ミュゼ、2000)・・日本は儒教国ではない!
書評 『日本文明圏の覚醒』(古田博司、筑摩書房、2010)-「日本文明」は「中華文明」とは根本的に異なる文明である
書評 『醜いが、目をそらすな、隣国・韓国!』(古田博司、WAC、2014)-フツーの日本人が感じている「実感」を韓国研究40年の著者が明快に裏付ける
書評 『悪韓論』(室谷克実、新潮新書、2013)-この本を読んでから韓国について語るべし!
(2014年4月8日 情報追加)
(2012年7月3日発売の拙著です)
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