(「TOKYO2020」のメダル獲得数 Wikipediaより)
2021年7月23日から17日間にわたって開催された「TOKYO 2020」を振り返ってみよう。
結論としては、「ホスト国」(=開催国)の日本は、結果としてではあるが、「フェアネス」を貫いたといっていいのではないだろうか。
「オリンピック TOKYO 2020」が閉幕した。日本のメダルラッシュ(総合3位)と躍進、しかも新型コロナウイルス感染拡大の同時進行の17日間であった。
開催中止、あるいは来年に再延長でもよかったのではないかと個人的には思っている。だが、それでも「1年遅れの開催」で、しかも「無観客開催」となった。
個人的には、「無観客開催」となったことは、あくまでも結果としてではあるが、意外にも、大いに評価すべきであると考えている。なぜなら、これによって「ホスト国の日本」は「フェアネス」を貫くことができたからだ。
そうでなくても、「アウェイ」開催に対して「ホスト国」が有利になるのは理の当然だ。しかも、この状態で、海外からの入国制限を行ったうえで日本人観客のみ入れるとなったら、外国人選手の立場からすればフェアであるとは言い難い。大会関係者を除いて、観客の9割以上が日本人という異常な状態となっていたからだ。
誤審問題がヒートアップした可能性があることは、近隣諸国の反応をみれば明かであると言うべきだろう。SNSを中心にした誹謗中傷では済まなかった可能性もある。
つまり、ホスト国の日本が、無観客開催でこれだけの成果を出すことができたということが素晴らしいのだ。そう評価すべきではないだろうか。
言うまでもなく、今回の「TOKYO2020」は、開催前に問題噴出となった。ギリギリのところでイベントそのものは、関係者の献身的な努力で、かろうじて最後までオペレートすることができた。
「人権問題」をはじめ、日本社会が抱えるさまざまな「闇」が明かにされたが、こんな機会でもなければ顕在化すことはなかっただろう。そう考えれば、日本再生のためにチャンスをもらったと前向きに捉えるべきではないかもしれない。
「記録か、記憶か?」という問いがある。好成績を叩き出した「記録」もさることながら、結果としては、さまざまな意味で「記憶」に残るオリンピックになったことは間違いない。
前回の1964年大会は、「戦後復興」ということで、高度成長への道筋をつけたことに意義があり、これが韓国や中国にも「モデル」として採用されたくらいだが、おそらく今後はオリンピック熱は大きく減退していくことだろう。50年後にオリンピックが開催されているかどか不透明になってきたかもしれない。
♪ 東京でやる五輪は これが最後ねと さみしそうに 君がつぶやく
イルカの「なごり雪」をもじって、こんなことをくちずさんでしまう人もいるかもしれない。
とはあれ、今回の「TOKYO2020」を 後世にどう語りつぐか、それは日本国民のそれぞれにとっての課題となる。マスコミによる世論誘導を離れた、ノンフィクション作家たちの仕事を楽しみにしている。
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