「円安」が止まらないのは、日米の金利差が拡大しているからだが、米国が金利を上げ続けているのは、激しいインフレを沈静化するためだ。
では、なぜ日本を除いた先進各国で激しいインフレとなっているのか? これこそ、まさにいま知りたいことだ。この疑問に答えてくれるのがこの本。
『世界インフレの謎』(渡辺努、講談社現代新書、2022)。つい最近、リアル書店で知った。ことしの10月の新刊のようだ。
米英を中心とした西欧各国で激しいインフレが発生している理由は、ウクライナ戦争ではない。戦争は、増幅させているだけだ。
結論をいってしまえば、パンデミックが原因なのだ。世界で同時に発生したパンデミックが原因の「供給不足」がインフレを招いている。モノ不足の背景にある労働力不足。サービス経済化の終わり。
ほぼすべての経済学者も政策担当者も想定もしなかった事態が発生している。だから、事前に予測できなかったし、対応も後手後手になっているのだ。米国の金融当局は金利を上げるしかなすすべがない・・
詳しくはぜひ読むことを勧めたい。じつにわかりやすく書かれているので、日頃に見聞きしている経済ニュースの背景がよく理解できることだろう。
目次第1章 なぜ世界はインフレになったのか―大きな誤解と2つの謎第2章 ウイルスはいかにして世界経済と経済学者を翻弄したか第3章 「後遺症」としての世界インフレ第4章 日本だけが苦しむ「2つの病」―デフレという慢性病と急性インフレ第5章 世界はインフレとどう闘うのか
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