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■「アーティストの人格と芸術が融合した”創造の空間”」を見せてくれる写真集■
1974年から1995年までに撮影された世界的な画家、彫刻家、ビデオアーティストたちのアトリエをバックにしたポートレートと、アーティストたちとの一期一会の出会いを回想した写真家の文章で構成される。
副題にもあるようなサルバドール・ダリ、ジョアン・ミロ、マルク・シャガール、さらに岡本太郎といった超巨匠だけでなく、故人も含めて総勢32名のアーティストが登場する。
何年もかけて追い続けた末に会うことを許されたアーティスト、生涯の友人になったアーティストなど、つきあいの濃淡は人さまざまだが、アートの現場を撮影した写真と短い文章は、彼らの芸術感、ライフスタイルについて触れるものであり、短いが通常のインタビューとは異なる趣を与えている。
1974年のオイルショックで仕事がなくなった当時29歳のフリーのカメラマンは、「落ち込みながらも孤独に自分の心と向かい合い、悩みに悩んだ」すえ結論を下した。
自分の好きなアーティストの現場を覗いてみたい、と。
これが、現在ではヨーロッパを中心に、歴史的建築物や絵画作品、世界遺産などをテーマとする写真家南川三治郎氏の原点となった。
本書は、著者もいうように、「アーティストの人格と芸術が融合した”創造の空間”」を見せてくれる写真集となっている。
気軽に写真を見て、読んで楽しめる現代アーティスト紹介というべき本になっている。
分厚い美術書ではない新書版なので、手元に置いておきたい一冊だ。
■bk1書評「「アーティストの人格と芸術が融合した”創造の空間”」を見せてくれる写真集」(2009年7月28日投稿掲載)
<付記>
芸術家(アーチスト)関連の投稿が続いているので、たまには軽い読み物として、この機会を利用して以前に書いたままの文章を紹介する事にした。
新書本なので、気軽に手にとってアートを楽しんでいただきたい。
(2012年7月3日発売の拙著です)
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