本日5月31日は「世界禁煙デー」(World No Tobacco Day)。国際保健機関(WHO)が定めたものです。 それを受けて、日本でも厚生労働省が「世界禁煙デー」として、ポスターを作成して啓蒙活動を行っています。
しかし、それにしても違うのは、WHOによるポスターと、厚生労働省のポスターから受ける印象です。
(「タバコはわたしたちの惑星(=地球)を害している」)
見るからに毒々しく、ディストピアかハルマゲドンかといった、終末論的で不快感をもよおす強烈なインパクトのあるWHOのポスター。
それに対して、喫煙家にマイルドに禁煙を促す癒やし系な日本のポスター。優しいというべきか、微温的というべきか。
両者の違いは、北風と太陽というコントラストというべきでしょうか。
個人的には、モデルをつとめている波瑠(はる)さんは好みの女優なのですが、「禁煙の日」という趣旨からいえば、どうかなあという気がしないでもありません。
タバコは喫煙者や受動喫煙者の健康を害していて、わたしたちを殺しているだけでなく、「地球に有害」であり、「タバコは環境破壊だ」というメッセージのほうが、地球環境問題に敏感な若者へのアピールが大きいのではないのでしょうか? WHOのサイトにリンクされている動画を、ぜひご覧いただきたいと思います。
いずれにせよ、わたしは「世界禁煙デー」(World No Tobacco Day)の趣旨には全面的に賛成です。
いや、「世界禁煙デー」ではなく、「1年365日が毎日世界禁煙デー」としてほしい。それがWHOの趣旨なのです。”Make Every Day World No Tobacco Day” (2018年のスローガン)であるべきなのです。
一日もはやく、この地球上からタバコが消えてなくなりますように!
PS 英国のジェームズ1世は「禁煙論者」だった
そういえば、英国のジェームズ1世は「禁煙論者」だったことを思い出した。
『超訳ベーコン』の作業をしていた際、政治家としてのフランシス・ベーコンが仕えていたジェームズ1世について調べていた際に、こんな論文を発見した。
「インテリ国王の「嫌煙」闘争-17世紀の嫌煙論は二一世紀にも有効か」(塚田富治、一橋論叢、2001年3月)
ベーコンを含めた16世紀から17世紀のイングランド政治史の研究者だった故塚田富治教授の論考だ。
ジェームズ1世の「禁煙論」は、しかしながら北米植民地で栽培され投資家にとって大きな収益源となっていたタバコの利害関係者からの猛反対で実現しなかったが、17世紀初頭にはすでに禁煙論者はいたのである。ジェームズ1世は、魔女狩りだけではない。
そんな歴史の一コマを想起すべきである。塚田富治氏とは、その昔、飲み会の席で1回だけ会って会話したことがあるが、こんな論考を残してくれたことに感謝すべきである。本人がタバコ嫌いだったことはあとから知った。そうだったのか、と。
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