「アタマの引き出し」は「雑学」ときわめて近い・・日本マクドナルド創業者・藤田田(ふじた・でん)に学ぶものとは?

◆「アタマの引き出し」つくりは "掛け算" だ : 「引き出し」 = Σ 「仕事」 × 「遊び」
◆酒は飲んでも飲まれるな! 本は読んでも読まれるな!◆ 
◆一に体験、二に読書、その体験を書いてみる、しゃべってみる!◆
◆「好きこそものの上手なれ!」◆

<旅先や出張先で本を読む。人を読む、モノを読む、自然を読む>
トについてのブログ
●「内向きバンザイ!」-「この国」日本こそ、もっとよく知ろう!●

■■ 「むかし富士山八号目の山小屋で働いていた」全5回 ■■
 総目次はここをクリック!
■■ 「成田山新勝寺 断食参籠(さんろう)修行(三泊四日)体験記 」全7回 ■■ 
 総目次はここをクリック!
■■ 「庄内平野と出羽三山への旅」 全12回+α - 「山伏修行体験塾」(二泊三日)を中心に ■■
 総目次はここをクリック!


「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!

「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!
ビジネス寄りでマネジメント関連の記事はこちら。その他の活動報告も。最新投稿は画像をクリック!



ご意見・ご感想・ご質問 ken@kensatoken.com にどうぞ。
お手数ですが、コピー&ペーストでお願いします。

© 2009~2026 禁無断転載!



ラベル 出版社 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 出版社 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2021年2月25日木曜日

書評『「現代思潮社」という閃光』(陶山幾朗、現代思潮新社、2014)ー 現代思潮社という出版社が勢いのあった1960年代

 

 『「現代思潮社」という閃光』(陶山幾朗、現代思潮新社、2014)を読んだ。この本の存在を知ったのは、出版されてからだいぶ経ってからだった。もっと早くその存在を知って読んでおくべきだったと思う。  

ロープシン(=サヴィンコフ)といってもピンとこないかもしれない。だが、トロツキーやサド公爵といったら、わかる人はわかるだろう。そんなテイストの本を出版してきたのが、1957年に創業された現代思潮社という出版社である。(*単行本のカバーに、出版された本のカバーの一部が掲載されている)。 

著者は、そんな現代思潮社に大学卒業後の1965年から5年間在籍して、営業から編集まで体験した人だ。高度成長が始まりながらも、「60年安保」の残り火がまだ日本社会に残っていた頃である。この本は、そんな著者による現代思潮社がもっとも元気があった頃の回想録である。 

創業者の石井恭二氏(故人)が出版社立ち上げにあたって、中学時代以来の親友からもらったアドバイスが、「どうせ本を出すのだから、悪い本を出せ」。ここでいう「悪い本」とは、いわゆる悪書ではなく、ラディカルな本という意味だ。常識や権威への異議申し立てである。 

私自身は、そんな60年代や70年代の同時代人ではないが、古書店で比較的安く販売されている現代思潮社の本は、1980年代からいろいろ買っては読んできた世代(?)である。 

つまるところ「遅れてきた世代」ではあるが、知られざる西洋の重要作品の翻訳を収録した「古典文庫」をはじめ、大いにその恩恵を受けている。そんな企画の数々を支えていたのが、渋澤龍彦など異端の文学者たちであった。 

(カバーの裏)

この本でとくに興味深いのが、「物書く商社マン」であったロシア文学者で評論家の内村剛介氏(故人)の回想。編集者時代の著者との関係で終わらず、出版社をやめたあとにふたたび交友が復活して『内村剛介著作集』の編集をまかされるに至る息の長い交友関係。さらりと書かれているが、読ませる内容だ。 

シベリアで抑留され、ソ連の収容所に11年間も抑留されていた内村剛介の諸著作は、ロシアについて考えるためには必読書であり、ほんとうの知識人とはどういう存在かを身をもって教えてくれる存在だ。 

内村剛介氏は、日本に帰国後は総合商社の日商(のち合併して日商岩井)で、ロシア語を駆使して辣腕の商社マンとしてソ連貿易に携わっていた。大学教授に転身する前は、「物書く商社マン」として知られていたらしい。そんな話が読めたのもうれしい。 

このほか、さまざまな回想が書かれているが、著者の文章そのものに読ませるものがある。ある意味では文学的であり、内容とあわさって、なかなか味わい深い。 


 (画像をクリック!


目 次
Ⅰ ある訃報/ソクラテスと虻-入社前史/奇妙な季節- 「安保以後」という時間 
Ⅱ 本が「空を飛ぶ」理由/社長が〝雲隠れ〟して-「東京行動戦線」事件/吉本隆明氏とある編集者の死/寺田透氏と終わりなき校正/〝格闘技〟としての共訳-『総和と余剰』改訂版/《西神田》、本日もホコリ高し
Ⅲ 「悪い本を出せ」/〝誤訳・悪訳〟騒動-トロツキー『わが生涯』の難路/ああ、バッティング―『蒼ざめた馬』の疾走/悔恨は夜霧に濡れて-ワレ原稿ヲ紛失セリ!/「古典文庫」回想―アカデミズムと鬼火/物書く商社マン―「生き急ぐ」内村剛介氏 
Ⅳ 「大地の商人」の転身-〝その後〟の谷川雁/真昼の割腹―三島事件と川仁編集長/「便所のスリッパも買えぬ」 - 現代思潮社闘争①/会社を〝コミューン〟にする?-現代思潮社闘争② 
Ⅴ 退社以後― それぞれの死/「旅」の終りに―内村剛介氏との〝再会〟
資料【全目次】


著者プロフィール
陶山幾朗(すやま・いくろう)
1940年、愛知県生まれ。1965年、早稲田大学第一文学部卒業。同年、現代思潮社に入社。1971年退社後、読売新聞社出版局を経て、学校法人椙山女学園に勤務。著書『シベリアの思想家-内村剛介とソルジェニーツイン』、編書『内村剛介ロングインタビュー・生き急ぎ、感じせく――私の二十世紀』。また『内村剛介著作集』(恵雅堂出版)全七巻を編集。現在、雑誌『VAV』を主宰。

PS あとから知ったのだが、著者はすでに2018年11月2日にお亡くなりになっていた(享年78)ことを知った。


(2025年6月12日 情報追加)


(2025年1月24日発売の拙著です 画像をクリック!

(2023年11月25日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年12月23日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年6月24日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年11月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年10月22日発売の拙著です 画像をクリック!

 (2020年12月18日発売の拙著です 画像をクリック!

(2020年5月28日発売の拙著です 画像をクリック!

(2019年4月27日発売の拙著です 画像をクリック!

(2017年5月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2012年7月3日発売の拙著です 画像をクリック!


 



ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!








end

2013年9月21日土曜日

『重版出来!①②③④⑤~』(松田奈緒子、小学館、2013~)は、面白くて読めば元気になるマンガだ!


ひさびさに面白くて読めば元気になるマンガに出合ったという思いだ。テーマは女性の人生ドラマであり、仕事マンガである。

「重版出来」と書いて「じゅうはん・しゅったい」と読むのだそうだ。なにを隠そうこのわたしも、このマンガを読むまで「じゅうはん・でき」だと思い込んでいた。これでは、このマンガの主人公の黒沢心(くろさわ・こころ)のことはとても笑えない(汗)

「重版出来」とは、初版を売り切って(・・あるいは売り切るメドがついて)、第2刷に入ることを意味している。第3刷以降についても重版と表現される。マンガに限らず単行本の重版は、その出版物が成功したことを意味するのである。これほど出版関係者を元気にするコトバはないのである。

主人公の黒沢心は大学まで柔道一筋に頑張ってきた女性。怪我で柔道は断念、大学卒業後の就活では出版業界を目指す。こういう一本気で突破力をもったキャラを主人公に設定したことがこのマンガの成功要因であるのは間違いない。現在は青年マンガ誌を読む習慣はないが、もし読んでいたら連載開始から巻き込まれていたのは間違いないと思う。

マンガ出版の世界に限らず、出版界の斜陽化が言われて久しいが、デジタル化がいかに進んでも、仕事の内容はアナログな世界が基本であることに変わりはない。それはそれは人間臭い世界であり、ドラマにもなりやすいわけだ。

著者(・・マンガの場合はマンガ家)、担当編集者、営業担当者、そして書店員の四者を軸に、さまざまな人たちがかかわる出版の世界もまたチームでする仕事である。

出版の世界もビジネスである以上、「売れてなんぼ」なのである。売れ行きがよくなくてもいい作品もあるが、いい作品であればこそ売れてほしい、いや売りたい。その気持ち合致し共有されたとき、商品としてのマンガ単行本が売れることにつながるのである。

それは偶然の結果ではなく、主体的で能動的な働きかけの結果というべきだろう。会社組織を超えてかかわる人たちを巻き込むことによって。仕事は一人でするものではない。

舞台は出版社のマンガ編集と営業の世界。このマンガが連載中の「ビッグコミックスピリッツ」の版元は小学館だから内輪ものでもある。

週刊誌編集の世界を描いた『働きマン』というマンガもあるが、この業界特有の不規則な仕事による過労で主人公の女性は疲弊してしまう。最初は元気の塊のようだったのだが・・・

その点、『重版出来!』の主人公は女子柔道部員出身。体力と気力では誰にも負けないはずだから、たぶん乗り切っていくのだろう、と期待したいものだ。まだ入社して一年もたってない状態だし。

わたしが入手したのは第3刷、『重版出来!』というタイトルのマンガに重版がかからなかったら、それではシャレにならなかったわけだ。こんな面白いマンガなら、その心配はなかったかもしれないが、初版の発行部数との兼ね合いもあるので重版が絶対とは言い切れない。

中年が読んでも面白いが、「青年マンガ誌」の読者ではないだろう20歳代はじめの若者にこそ読んでほしいマンガである。

自分がいまやっている仕事に意味を見出し、仕事をつじて学び成長するとはどういうことかが理解できるはずだ。すくなくとも気づきを得ることはできるだろう。





作者プロフィール   

松田奈緒子(まつだ・なおこ)
1969年、生まれ。長崎県出身。 『コーラス』(集英社)に掲載された『ファンタスティックデイズ』でデビュー。代表作は『』レタスバーガープリーズ, OK, OK!』、『少女漫画』、『えへん、龍之介』他(wiki情報と単行本記載情報から作成)。



PS 『重版出来!』の第2巻をゲットし、さっそく読了。よりマンガ編集の世界に密着した内容。出版社の外部にある製版業者もまた「チームメンバー」だ。第3巻は2014年3月刊行予定とのこと。楽しみだ(2013年9月30日 記す)




PS2 『重版出来!』の第3巻をゲットし、さっそく読了。思わずのめり込んで読めるマンガ。第3巻も熱い! (2014年3月30日 記す)。




PS3  『重版出来!』の第4巻をゲットし、さっそく読了。読むにもけっこうエネルギーを要するマンガ。マンガ家という道を歩くことの厳しさ、働くと言うことの意味。第4巻も熱い! (2014年10月8日 記す)。




PS4 『重版出来!』の第5巻をゲットし読了。このマンガは主人公のキャラの設定が成功したため、まだまだ続いてゆくことだろう。ひきつづき内容が面白いので読むつもり。(2015年6月6日 記す)。



<関連サイト>

ビックコミックスピリッツ「重版出来!」特設サイト | 試し読み (小学館サイト)

重版出来! 1 | ビッグ コミックス | ビッグ コミックス系 | コミックス | 小学館 (小学館サイト)

クッキーまんが家インタビュー 松田奈緒子先生(集英社サイト)


澤本嘉光の「偉人×異人」対談(日経ビジネスオンライン 2013年3月~4月)
作家と編集者の「相性」が、軽く見られすぎてきた 佐渡島庸平さん×澤本嘉光さん 第1回
『宇宙兄弟』の秘密~「講演会」にヒットの芽あり 佐渡島庸平さん×澤本嘉光さん 第2回
我々はなぜマンガの人物に「リアル」を感じるのか 佐渡島庸平さん×澤本嘉光さん 第3回
このキャラを「コンビニのおにぎり」で説明せよ! 佐渡島庸平さん×澤本嘉光さん 第4回
・・CMプランナーの澤本氏が元講談社で現在独立してマンガ編集を行っている佐渡島氏に聞く対談


火曜ドラマ『重版出来』 公式サイト
・・2016年ドラマ化

「私が売らなくてごめんなさい」から始まった『重版出来!』 (編集長・高橋由里が会いたかったこの4人 Vol.3 松田奈緒子)(東洋経済オンライン、2016年7月)

(2016年7月16日 情報追加)


<ブログ内関連記事>

『マンガ 重版出来』がドラマ化(2016年4月12日)-マンガが原作のテレビドラマはいまや主流だ


働くということは人生にとってどういう意味を もつのか?-『働きマン』 ①~④(安野モヨコ、講談社、2004~2007)

書評 『サラリーマン漫画の戦後史』(真実一郎、洋泉社新書y、2010)-その時代のマンガに自己投影して読める、読者一人一人にとっての「自分史」

本の紹介 『人を惹きつける技術-カリスマ劇画原作者が指南する売れる「キャラ」の創り方-』(小池一夫、講談社+α新書、2010)

書評 『キャリア教育のウソ』(児美川孝一郎、ちくまプリマー新書、2013)-キャリアは自分のアタマで考えて自分でデザインしていくもの

(2016年7月16日 情報追加)



(2012年7月3日発売の拙著です)









Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは
http://kensatoken.com です。

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!



end