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2015年7月11日土曜日

「前橋汀子のバッハ無伴奏 ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲」(神奈川県立音楽堂)に行ってきた(2015年7月11日)-心技体の一体化した入神の演奏に満場の拍手は鳴り止まず


「前橋汀子のバッハ無伴奏 ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲」(神奈川県立音楽堂)を聴いてきた(2015年7月11日)。本日は梅雨の晴れ間の真夏日。そんな土曜日の午後に、日本を代表する国際的バイオリニスト前橋汀子氏が、3時間弱という長丁場を無伴奏で演奏し尽くした。

前橋汀子はバイオリンの小品の名曲を発掘してコンサートやCDとして発表してきたが、やはりなんといってもバッハの無伴奏ソナタ&パルティータ全曲が代表作だろう。

無伴奏ソナタ&パルティータ全曲は、二枚組のCDで何度も何度も繰り返し聞き込んだ。購入したのがいつか正確な記憶はないが、録音が1988年、CDの発行年が1993年とあるので、それ以降であることは確かだ。1990年代の半ばくらいではないだろうか。約20年目にしてナマで聴けることとなったのはじつにうれしい。まさか生演奏を聴けるとは思っていなかったからだ。

演奏会場は、横浜市の神奈川県立音楽堂。「近代建築」の第一人者・前川國男による設計。おなじく前川の設計になる東京文化会館と同様、音響のすばらしさでは定評のあるコンサートホールである。

しかも、バッハに代表されるバロック音楽は「西欧近代」そのもの。「西欧近代」そのものを究めるのには、理想的な演奏会場といえるかもしれない。神奈川県立音楽堂は訪れるのは今回が初めてだが、音響のすばらしさは、無伴奏のバイオリン演奏だからこそ価値あるものであるといっていいかもしれない。


本日のプログラムは以下のとおり。

ソナタ第1番 ト短調 BWV1001(全約17分)
パルティータ第1番 ロ短調 BWV1002(全約25分)
ソナタ第2番 イ短調 BWV1003(全約21分)
パルティータ第3番 ホ長調 BWV1006(全約17分)
 (休憩) 25分
ソナタ第3番 ハ長調 BWV1005(全22分)
パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004(全32分)

J.S.バッハによる作品の通し番号である BWV に注目していただきたいが、本日のプログラムでは BWV番号どおりにはなっていない。BWV番号の最後にくるはずのパルティータ第3番 ホ長調 BWV1006 を「休憩」前にもってきて、順番を変えてパルティータ第2番 ニ短調 BWV1004 を最後にもってきているのだ。

これはじつに心憎い演出である。なぜなら、パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004 の第5曲シャコンヌこそが、「バロック音楽のバイオリン曲では最高傑作」と評されているものだからだ。

それだけに超絶技巧の要求される難曲であるが、前橋汀子の演奏は、最後の最後にいたって、まさに神がかり的といっていいほどの心技体が一体化した入神状態のものであった。すでに70歳を越えているとは信じがたい入神の演奏。

無伴奏ソナタ&パルティータ全曲を弾き通したフィナーレがシャコンヌとは、計算し尽くされたものであるだけでなく、聴く側としてもすばらしいの一語に尽きる。満場の拍手が鳴り止まなかったも、当然といえば当然だろう。

前橋汀子は日本の至宝である。クラシック音楽が日本の「伝統芸能」ではないので人間国宝となることはないが、個人的にはそれに値するアーチストだと思っている。本日もあらためてその感をつよくしたのであった。





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2011年10月1日土曜日

ドニゼッティのオペラ 『ロベルト・デヴェリュー』(バイエルン国立歌劇場日本公演)にいってきた


 10月初めの土曜日のきょう、ドニゼッティのオペラ 『ロベルト・デヴェリュー』(バイエルン国立歌劇場)にいってきた。

 会場は上野の東京文化会館。個人的には、NHKホールよりも東京文化会館のほうがオペラには適していると思う。あくまでも個人的な感想であるが。


日時: 2011年10月1日(土)15:00
会場: 東京文化会館
時間: 15時~17時40分 合計演奏時間130分(幕間休憩1回30分)
演出: クリストフ・ロイ
指揮: フリードリリッヒ・ハイダー
演奏: バイエルン国立管弦楽団
歌唱: エディタ・グルベローヴァ(エリザベッタ役)
    アレクセイ・ドルゴフ(ロベルト・デヴェリュー役・・代役)他


 じつは、ドニゼッティの『ロベルト・デヴェリュー』は2回目だ。

 前回は 3年前の 2008年、ウィーン国立歌劇場の来日公演で演奏会形式で行われたが、同じく東京文化会館であった。その公演で、『ロベルト・デヴェリュー』はひじょうにすばらしいオペラだと感動したのであった。

 ベル・カント歌唱のできる歌手がないと上演できない作品ということで、じつは今回も主唱のエリザベッタ役はエディタ・グリベローヴァである。しかも、指揮も同じくフリードリッヒ・ハイダー。オーケストラは異なれども、すでに息のあった指揮者と歌手の関係なのであろう。

 今回の公演も、第三幕のエディタ・グリベローヴァの独唱はじつにすばらしいものであった

 演出は現代風だが、舞台装置は簡素なもので、とくに違和感を感じることはない。ゴテゴテした余計な舞台装置がないだけ、歌唱と演技に集中できるのが、かえってよかったかもしれない。

 イタリアオペラは独唱のパートで拍手を入れることができるので、日本人的には息抜きの場が多いので、鑑賞するのも気楽でいい。歌舞伎と似たようなものである。

 舞台設定は 16世紀英国。主人公はエリザベス女王。イタリアオペラなので、イタリア風にエリザベッタとなっている。演出では、女王を女社長に設定しているが、トップに立つ者の孤独、公的活動とプライベートライフの相克、老醜などのテーマは、現代にも通じるものがある。

 あらすじは以下のとおりである。、

 愛人であるロベルトが裁判で反逆の罪を問われることを知った女王エリザベッタ。エリザベッタは、ロベルトの愛が確かめられるなら、自らの権力によって彼を救おうと、議会から提出された死刑判決書への署名を拒否し、ロベルトに会いに行く。ロベルトの愛を確かめ、甦らせようとするエリザベッタだったが、ロベルトはつい自分の心は他の女性に向けられていると口走ってしまう。激怒したエリザベッタはロベルトを許さず、復讐の念を燃やす。一方、ロベルトが愛するサラは、彼の親友でもあるノッティンガム公爵と結婚し、ロベルトを救おうと画策する。
 翌日、ロベルトに死刑宣告がくだされる。まだ彼を愛するエリザベッタは判決書へのサインなど出来るはずもなく苦悩する。しかし、そこへロベルトが持っていた青いショールが届けられる。ロベルトの不貞を確信したエリザベッタは判決文に署名し、親友の助命のため居合わせたノッティンガム公爵は、妻の不貞に気づき復讐を決意する。
 ロベルトは獄中からサラに預けておいた指輪を女王のもとに届けてほしいと手紙を送るが、サラは妻の不実をなじるノッティンガム公爵によって監禁されてしまう……。
(情報出所: http://eplus.jp/sys/web/s/bavarian/index.html


 ドニゼッティは、ヴェルディやプッチーニといったイタリアオペラの巨人たちに比べると、日本での知名度はそんなに高くないが、西洋史を舞台にしたドラマチックな題材と音楽は、なかなかすばらしいものがある。わたしは、この『ロベリト・デヴェリュー』と『ファヴォリート』の2作品しか鑑賞したことはないのだが。


東京文化会館は今年で50周年

 ところで、今回の演出では、第一幕と第二幕と連続上演するので、幕間は一回限りであった。幕間の休憩時間に客席から外に出ると、「東京文化会館50周年」という幟(バナー)ば目に入った。

 1961年に建設されてから今年で50年。JR上野駅前すぐに位置する東京文化会館は、上野公園の出入り口にある目印ともなる建築物である。

 その事実を知ってから、はじめて建物の内部にプレートがあるのに気がついた。設計は、前川國男建築設計事務所で、「建築業協会賞」第3回(1962年)を受賞しており、公共建築百選」にも選出されていることがわかる。


 欧州の歌劇場も、その多くが爆撃で破壊されて第二次大戦後に再建されたものも多々あることを考えれば、築後50周年というのも、それなりの歴史をもつ劇場といえるのかもしれない。

 バルコニーをもたない歌劇場はいかがなものかという気がしなくもないが、最初から一般市民向けに芸術を普及するのがミッションなのだ考えれば、バルコニーがないのは当然のことなのかもしれない。

 そもそもバルコニー席というのは社交用のものであって、観劇は第一目的ではないのである。実際に、舞台の袖であるバルコニーからは、舞台があまりよく見えない。バルコニー席というのは、貴族社会から市民社会への移行期の名残りなのだろう。

 それはさておき、道をはさんで反対側にある西洋美術館は、世界的な建築家ル・コルビュジエの作品である。世界遺産に登録申請したものの実現しなかったが、上野の芸術的雰囲気を高めるのに建築物もまた一役買っていることに、あらためて注目しておきたいところである。



PS 国立西洋美術館が念願の「世界遺産」登録が内定

ル・コルビュジエ設計の東京・上野の国立西洋美術館が、ようやく念願かなって「世界遺産」登録が内定した。2016年5月18日のことである。(2016年6月3日 記す)




<関連サイト>

日本舞台芸術振興会の「バイエルン国立歌劇場2011年日本公演」
・・演目とその解説記事


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国立西洋美術館と東京文化会館は建築家コルビュジエ師弟の作品

祝! ル・コルビュジエ設計の東京・上野の国立西洋美術館が念願の「世界遺産」登録が内定(2016年5月18日)

(2016年6月3日 情報追加)




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