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本日、「初心者のためのロングステイ講座」に参加してみた。主催は「ロングステイサロン銀座」、南海国際旅行とオハナインターナショナルという民間旅行会社によるものである。
ロングステイといえば、普通は海外で悠々自適の生活を送るリタイア後の高年齢層の人たちのことを指しているので、本日セミナーにいていた数人の人たちも明らかに60歳前後という感じだった。
ロングステイとは、「ロングステイ財団」の定義によれば以下のようになる。
① 比較的長期にわたる滞在で通常2週間以上、移住や永住といった形ではなく、日本への帰国を前提とする
② 海外に「居住施設」を保有、または賃貸する
③ 余暇を目的とする
④ 旅行よりも「生活」を目指す
⑤ 生活の源泉は日本にあり、現地では労働収入を得ない
東南アジア、とくにタイで「ロングステイ」している人たちは、駐在員やその家族、現地で就労ビザをとって働いている者、語学留学生などをのぞけば、大半はいわゆる「外こもり」の若者か、年金の範囲内だけで食いつなごうという老人男性に二極分解している。
ロングステイ財団や民間の旅行会社は、先に見た定義でもわかるように、物価安を利用するだけの長期滞在者は「ロングステイ」とは見なしたくないようだ。
マスコミでの取り上げ方とはだいぶズレがある。
たしかに物価が安いということに関しては、東南アジアの物価が安いのは事実だ。
本日のセミナーでも、卵12ヶの小売価格での比較を示していたが、日本の東京を100とすれば、ロングステイ先として人気のマレーシアもタイも、東京の3~5割である。
国際派ビジネスマンなら常識のハズである The Economist の Big Mac Index で検証してみよう。全世界に展開している米国のファストフード会社マクドナルドの商品「ビッグマック」を米ドルベースで国際比較した消費物価指数(インデックス)である。
7月13日現在の為替レートを使った最新データによれば、米国で税抜きUS$3.57のビッグマックは、日本ではUS$3.47(=320円)と若干だが安い。オーストラリアではUS$3.37、ニュージーランドではUS3.08と続き、マレーシアはUS1.88、タイはUS1.89と、日本価格の約5割強となる。つまり日本の半額(!)だ。
やはり東南アジアの物価は安い。
物価が安いのは正直いって魅力である。
しかしロングステイの選択基準では物価安よりも治安の良さが上位にくる。これも当然だ。
ロングステイ調査統計では、ロングステイ希望国では2006年と2007年の二年連続でマレーシアが一番になっている。治安がよくて、物価も安く、英語も通じるのが魅力らしい。
今回のセミナーを主催した旅行会社もマレーシアをイチオシしていた。
この点、英語が通じるのはホテルかサービスアパートなど一部だけというタイは劣ってしまうのだろうか・・・
なんせタクシー運転手もほぼ100%英語通じないし、よっぽどタイが好きでないとロングステイ先にタイを選ばないのかもしれないな。しかも昨年11月の空港閉鎖は致命的だったし、信頼回復はいつになることやら・・・
セミナー会場は東銀座、ひさびさの訪問である。前の前の会社では、仕事でよく東銀座にある広告代理店にかよっていたものなので懐かしい。
きょうも歌舞伎座の前はものすごい人だかりだ(写真参照)。
歌舞伎座も立て直しで、近い将来、風情も何もない複合ビルに変わってしまうらしい。なんだか寂しいね。
雨上がりの銀座を歩くのは実に気持ちがいい。
「銀座はいいねー」という気持ちは歳を取るにつれて、さらに実感をもって口にしたくなる。
木村屋総本店の銀座本店に立ち寄って小倉あんぱんを買った。もちろん粒あん(!)である。これは美味いのだ。
だいぶ前になるが台湾人の友達を銀座に案内したとき、彼女は「銀座はすばらしい」と褒めちぎっていた。
アジアの中では間違いなく一番だと思う。大人の街なのだ。
そんなこと考えると、海外にいったきりというのは考え物だなーとも思う。
定義通りの「ロングステイ」で、ときどき東京に戻ってくるのがライフスタイルとしては最高かもしれない。