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2011年12月2日金曜日

毎年恒例の玉川大学の「第九演奏会」(サントリーホール)にいってきた-多事多難な2011年を振り返り、勇気をもって乗り越えなくてはと思う



 昨日(12月1日)、毎年恒例の玉川大学の「第九演奏会」にいってきた。

 12月といえば、ベートーヴェンの第九が日本の年末の風物詩。昭和13年(1938年)以来という。教育諮問委員を拝命していることから、毎年お招きいただいている玉川大学の 「第九演奏会」だが、ことしは一足早く、12月1日とちょっと早いような気もするが、十分に堪能させていただいた。

 毎年思うのだが、玉川大学管弦楽団と合唱団のレベルはほんとうに高い。大学一年生は全員が第九の合唱をすることになっているらしいが、合唱団はそのなかでも芸術学部の現役学生やOB・OGによって構成された精鋭であるからだろう。

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◆曲目:フランツ・リスト 交響詩《レ・プレリュード》LW-G3
  L.v.ベートーヴェン/交響曲第九番ニ短調「合唱付」作品125
◆指揮:秋山和慶
◆独唱:大倉由紀枝(ソプラノ)、永井和子(メゾ・ソプラノ)、錦織健(テノール)、木村俊光(バリトン)
◆管弦楽:玉川大学管弦楽団
◆合唱:玉川大学芸術学部合唱団

◆日時:2011年12月1日(木)19時開演(開場18時30分)
◆会場:サントリーホール

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 まずは「3-11」の死者と、今年亡くなられた前学長の小原哲郎氏の追悼のため、バッハの「G線上のアリア」の演奏。これはプログラムにはなかったものだが、この曲を聴きながら、いろいろなことが走馬燈のように浮かんで消えた。ほんとうに今年は多事多難な年であったのだ、と。

 前奏曲のフランツ・リスト 交響詩《レ・プレリュード》LW-G3 は、当日もらったパンフレットによると、1991年に発見された「まぼろしの交響楽」で、ことし201110月に「日独交流150年」の認定事業の一環として、「復活世界初演」が玉川大学管弦楽団によっって行われたという。

 「第九」にかんしていえば、指揮者も独唱者もこの3年間同じで、その意味では安定感がさらに増したというべきか。管弦楽も合唱にかんしていえば、構成メンバーに異動はあるかもしれない。なお、現学長が合唱団のなかで合唱されていたことにお気づきになられただろうか。

 ところで、「歓喜の歌」といえば、1985年には「欧州連合賛歌」(EU賛歌)として採用されている。

 一昨年のこのブログ記事に 師走の風物詩 「第九」を聴きに行ってきた・・・つれづれに欧州連合(EU)について考える という記事を書いているが、読み直してみて思うのは、いままさに崩壊寸前にある共通通貨ユーロについてである。

 「3-11」にはじまり歴史の激変期を体験している日本だけでなく、欧州もまた欧州金融危機のまっただなかにある。

 ベートヴェンがこの第九交響楽を作曲した 1823年から1824年は、52歳から53歳にあたるが、すでに耳はほとんど聞こえていなかったという。自分が作曲した音をまったく聞いてないのであるが、けっして絶望に陥ることなくこの交響楽を書き上げたのである。

 それを思えば、絶望なんかしていられないではないか。

 「歓喜の歌」の歌詞ではないが、Per aspera ad astra. というラテン語の格言を思い出す。ペラスペラ・アダストラとよむこのラテン語の意味は、「苦難をつうじて星まで」というものだ。

 2011年を振り返り、絶望することなく、勇気をもって乗り越えなくてはと思うのである。日本では「第九」の意味はそういうところにあるのかもしれない。



<ブログ内関連記事>

今年(2010年)もまた毎年恒例の玉川大学の「第九演奏会」(サントリーホール)に行ってきた

師走の風物詩 「第九」を聴きに行ってきた・・・つれづれに欧州連合(EU)について考える




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