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2018年4月2日月曜日

映画 『ブラックパンサー』(2017年、米国)を見てきた(2018年4月1日)-アフリカの架空の国を舞台にしたこのスーパーヒーローものSFアクション娯楽大作映画は、時代の流れを間違えなく変える想像を絶する傑作だ!


映画『ブラックパンサー』(2018年、米国)をレイトショーで見てきた(2018年4月1日)。このスーパーヒーローもののSFアクション娯楽大作映画は、想像を絶する傑作だ。アメリカで大ヒットした理由に納得した。日本人もぜひ見るべきだ!

黒人の監督による黒人を主人公にした映画であり、しかも出演者も制作スタッフも大半が黒人であるにもかかわらず、2018年3月24日には、おなじくマーベル(MARVEL)の『アベンジャーズ』を超えて、北米で史上最高の興行成績を獲得したという。オバマ前大統領夫人のミシェル・オバマ氏も絶賛しただけでないのだ。黒人だけでなく白人もまた、この映画に熱狂しているのである。

間違いなく、この映画は新しい時代を切り開くことになるだろう。それは、従来のスーパーヒーローものとはテイストが異なるだけでなく、暴力と平和にかんする姿勢と根本思想が大きく異なるからだ。

極端な感想かもしれないが、この映画は鎖国をしていた仏教国のブータンとその国王、そして武に対する姿勢は合気道そのものだと思えたのである。その点、アフリカだけでなく、アジアでも十分に受け入れられる内容ではないかと思うのである。そして内容は感動的ですらある。




まずはストーリーについて簡単に触れておこう。じつによくできた構想であり、脚本もすばらしい。どうやらアメコミが原作らしい。

ここでは私がくだくだ要約するよりも、wikipediaの記述を引用させてもらうこととしたほうがいいだろう。


アフリカの秘境に位置する小国ワカンダ。この高度な科学技術を誇る超文明国で、先代ティ・チャカに代わり、その息子ティ・チャラが新国王に即位した。彼の使命とは王として国を治めながら、漆黒のスーツに身を包んだ闇のヒーロー「ブラックパンサー」として希少鉱石ヴィブラニウムを守ることだった。ダイヤモンド以上の硬度を持ち、ウラン以上のエネルギーを放出するヴィブラニウムによってワカンダは他国を圧倒する科学技術を手に入れた反面、表向きは発展途上国として孤立主義を採り、他のアフリカ諸国が白人によって征服された中でも500年に渡って平和と独立を保つことができた。だが、世界のパワーバランスを変えてしまうほどの価値があるこの地下資源の秘密が知れるとワカンダも他国の攻撃を受ける恐れがある。ワカンダ国王は代々、ヴィブラニウムの秘密を守るためブラックパンサーとして活動していた。しかし、ヘルムート・ジモが起こした爆破テロによってチャカの死とそれに伴うアベンジャーズの内乱にチャラがブラックパンサーのスーツを着て参加したため、ブラックパンサーの存在を世界に知らしめてしまうことになり、ワカンダは大きな危機が迫っていた。

架空の王国であるワカンダが保有するヴィブラリウムは宇宙から隕石として落下してきたもので、もちろん架空の存在だが、絶大なパワーを秘めた鉱石だという設定になっている。善用すれば人びとの暮らしを豊かにすることができる一方、悪用すれば人類を滅ぼしかねない存在だ。ある意味、これはウランなどの核物質が念頭にあるのだろう。

自然界に存在するエネルギーやパワーというものは、善悪両用の存在だ。要は人間がどう使うかにかかっている。そもそも自然界そのものも人間にとては善であり悪である。「毒にも薬にもならない」という表現が日本語にはあるとおり、要は使い方なのだ。


(米国版ポスター)

そんなヴィブラリウムを保有するワカンダは500年にわたって「鎖国」してきたのであり、その意味では、なんだか日本のようでもあり、チベットやブータンなどのアジアの仏教国のようでもある。その秘めたるパワーが何であるかはさておいて。

そして、ワカンダの国王はブラックパンサー(=黒豹)というスーパーヒーローでもあるのだが、自らが相手を直接攻撃することはなく、相手からの攻撃のエネルギーを自らの身体をつかって保存し、そっくりそのまま相手に返すという間接的な攻撃を行う

そう、これは合気道そのものではないか!

合気道では、みずから攻撃を仕掛けることはいっさいない。相手から攻撃されたら、その相手の動きそのものをつかって相手の動きを封じるというのが根本思想であり、その思想をワザを通じて行使するのだ。

合気道の根本思想とは「愛」なのだ。「合気とは 愛の力のもとにして 愛はますます栄えゆくべし」(合気道開祖・植芝盛平)合気道は「愛」気道、である。

相手が邪悪であればあるほど、その邪悪なエネルギーが強大であればあるほど、そのエネルギーはそっくりそのまま相手に投げ返されることになる。邪悪な存在は、邪悪であるからこそ、その邪悪な意図を行使すると、自らを破壊することになるのだ。

だから、先にも書いたように極端な感想かもしれないが、この映画は仏教的であり合気道的なのである。キリスト教的もイスラーム的もない。いや、本来はこれら一神教も「愛」が根本姿勢にある限り、同じであるはずなのだが・・・。

日本人こそ見るべき映画だというのはそういう意味だ。しかも、巨大な中国市場をおもねって中国を何らかの形であれ登場させることはなく、日中韓のなかではもっと認知度の低い(?)韓国の釜山を登場させているのも興味深い。

どうやらこの日本ではヒットしてないようなので、私の自宅からもっとも近いTOHOシネマズでは20:35上映開始のレイトショーに追いやられてしまっている。それはまったくもって残念なことだ。

カルト映画ではなく、スーパーヒーローもののSFアクション娯楽大作映画として王道を行く内容である。しかも根本思想はアジア人にも親和性の強いものである。そんな映画が米国でも大ヒットしているということに、時代の変化の兆しを感じるのである。この流れがそのままメインストリームとなることを!

だからこそ、もっともっと日本国内でヒットして、ぜひ昼間の時間帯に上映して欲しいのだ。






 



<関連サイト>

マーベル(MARVEL) 公式サイト(日本語版)


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