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2021年6月20日日曜日

書評『復活! 日英同盟 インド太平洋時代の幕開け』(秋元千明、CCCメディアハウス、2021)-英国の動きを注視せよ! 世界情勢は確実に動いている

 
英国海軍史上で最大となる空母クイーン・エリザベスが、去る2021年5月22日に母港のポーツマス港を出港した。スエズ運河を越えてインド・太平洋海域に向かうことになる。 

インド・太平洋海域に「常駐」することになる航空母艦を中核にした空母打撃軍は、総員3000人規模の大所帯である。今年2021年の夏には、日本に寄港することになっている。多国籍による合同軍事演習も計画されているという。 

ついに英国が動き出したのだEUのくびきを離れて、英国は独自の動きを開始する。空母の派遣は、英国の国家意志の「見える化」である。 

だが、この動きはけっして「ブレクジット」(=EU離脱)によってもたらされたのではない。覇権国としての米国のパワーが弱まりつつある現状を踏まえて、それ以前から「グローバル・ブリテン構想」のもと、着々と準備を進めてきたのである。 

この一連の英国の動きを理解するためには、『復活! 日英同盟 インド太平洋時代の幕開け』(秋元千明、CCCメディアハウス、2021)を読むといい。英国のシンクタンク王立防衛安全保障研究所(RUSI)の日本特別代表の著者が、過不足なく簡潔に解き明かしてくれる。  

「日英同盟」復活に向けた動きが、いま進行しているのである。 

米国の横やりによって1923年に破棄させられた「日英同盟」は、最終的に1941年に日本を英米との戦争に導く結果となった。 

だが、現在においては、英国も日本もそれぞれ別個に米国とは強固な同盟関係を維持している。この背景があってこそ、日英は再び関係を強化しつつあるのだ。日英関係の強化は、日英それぞれの米国との同盟関係を補完することになる。 

英国の動きの背景と、日本の動きの背景はそれぞれ異なるが、地政学的にみたユーラシア大陸の両端に位置する「海洋国家」としての利害関係は一致している。これは、北極海を中心に地球儀を俯瞰してみれば、すぐにでもわかることだ。 

世界情勢は、1904年の日露戦争前夜と似てきたのである。だが、2020年現在は、ロシアに加えて中国がそこに登場してきた。いや、正確にいえば、ロシアの弱体化と入れ替わりに中国が台頭してきたというべきだろう。その中ロが事実上の軍事同盟関係として安全保障上の脅威ちなってきた。

「大陸国家」の海洋進出がもたらす脅威への対応がいまふたたび喫緊の課題となってきたのだ。 

そして、実質的に復活しつつある「新・日英同盟」の先にあるのは、「日米英三国同盟」である。 日米同盟、英米同盟、そしてインド太平洋海域を東西南北でつなぐ「日米印豪のクアッド」(Quad: Quadrilateral Security Dialogue、その他さまざな形のアライアンスは、自由意志によるコアリションとして機能していくことになる。

EUからはインド太平洋地域に大きな利害を有するフランスを先頭に、主に経済の観点からコミットしているドイツもまた、この動きに参加すべく動き出している。 

世界情勢は確実に動いているのである。米国だけを見ていてはダメなのだ。英国の動きに大いに注目しなくてはならないのである。





目 次 
序章 
第1章 同盟の段階へ 
第2章 グローバル・ブリテン 
第3章 インド・太平洋へ 
第4章 なぜ、新・日英同盟なのか 
第5章 軍事同盟からの決別 
第6章 動き出す新・日英同盟 
第7章 英空母来航と日本 
おわりに 
参考文献・資料 

著者プロフィール
秋元千明(あきもと・ちあき)
英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)日本特別代表。 早稲田大学卒業後、NHK 入局。30 年以上にわたり、軍事・安全保障専門の国際記者、解説委員を務める。東西軍備管理問題、湾岸戦争、ユーゴスラビア紛争、北朝鮮核問題、同時多発テロ、イラク戦争など、豊富な取材経験を持つ。一方、RUSI では1992 年に客員研究員として在籍した後、2009 年、日本人として初めてアソシエイト・フェローに指名された。2012 年、RUSI Japan の設立に伴い、NHKを退職、所長に就任。2019年、RUSI日本特別代表に就任。日英の安全保障コミュニティーに幅広い人脈があり、両国の専門家に交流の場を提供している。大阪大学大学院招聘教授、拓殖大学大学院非常勤講師を兼任する。著書に『戦略の地政学』(ウェッジ)等がある。


<関連サイト>

英国は日本を最も重視し、「新・日英同盟」構築へ-始動するグローバル・ブリテン(秋元千明 英国王立防衛安全保障研究所〔RUSI〕日本特別代表、Newsweek日本版、2021年3月16日)

「新・日英同盟」の始まりを告げる英空母「クイーン・エリザベス」来航が残した宿題(秋元千明 英国王立防衛安全保障研究所〔RUSI〕日本特別代表、Newsweek日本版、2021年9月21日)

(項目新設 2021年9月22日)


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