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2024年1月25日木曜日

『大拙と幾多郎』(森 清、朝日選書、1991)をはじめて通読した ー 同郷の出身者2人の生涯にわたる友情と激動の日本近現代史

 

『大拙と幾多郎』(森 清、朝日選書、1991)を読んだ。すでに30年以上前の出版だが、ずいぶん前のことになるが、いつ買ったのか覚えてない。いずれにせよ、通読するのは今回が初めてだ。  

大拙とは、いうまでもなく鈴木大拙(1870~1966)である。幾多郎(きたろう)とは、西田幾多郎(1870~1945)のことだ。

世界的な禅仏教の研究者と、「西田哲学」とよばれる独自の哲学を構築した世界的哲学者。 この2人は同年生まれというだけではない。金沢出身の同郷人で、ともに苦学しながら世界的な学者になった人物である。しかも生涯にわたって親友であった。 

だが、それ以上に重要なことがある。それは2人がともに禅をつうじて深く結ばれていたということだ。 そしてこの2人につながる人たちが北鎌倉の東慶寺の墓地にならんで眠っている。

帯にあるように、和辻哲郎、安倍能成、岩波茂雄など、そうそうたる文化人や出版人である。 

『大拙と幾多郎』というタイトルだが、タイトルには登場しないが重要な登場人物がいる。おなじく同郷出身の実業家・安宅弥吉(1873~1949)だ。 

いまは亡き総合商社の安宅産業(・・破綻後に伊藤忠に吸収合併)の創業者は、生涯にわたって鈴木大拙を物心両面にわたって支援しつづけた「陰徳」の人であった。 

この安宅弥吉が東京高商(現在の一橋大学)出身者というのも、わたしにとっては親しみを覚えるものがある。安宅弥吉の死後は、それをひきつぐような形で実業家の出光佐三が鈴木大拙の学問を支えたのであった。仙厓つながりである。 

著者の森清氏は、「大拙と幾多郎」につらなる人たちを「和魂洋才」をもじって「"禅" 魂洋才」の人たちと名付けている。日本人としてのアイデンティティを「禅」によって培い、しかもなお世界的な視野で活躍した人たちであったというのが、その意味するところだ。 

ともに若くて貧しく無名の時期に、お互いを励まし合いながら学問を大成させた鈴木大拙と西田幾多郎。性格は真逆といってもよい2人であったが、だからこそ友情は永続きしたのかもしれない。 

肋膜炎を病むなどみずからも病身で、かつ家庭の不幸を数多く背負って苦労した西田幾多郎は戦時中に病没しているが、鈴木大拙は敗戦後もなお20年以上にわたって生き続け、95歳で病没する最後の最後まで研究者として「生涯現役」を貫いている。 「人生100年時代」というフレーズは、まさに鈴木大拙にこそふさわしい。

この本は、鈴木大拙の95歳の生涯を描くことで、かれらにつらなる人びとが生き抜いた激動の日本近現代史を人物によって描いた物語にもなっている。 なかなか味わい深い本であった。

著者の森清氏もまた企業人として、組織人として生きた人だけに、人間を見る目が確かなものがある。 





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・・「世界的な仏教哲学者・鈴木大拙師は、生前、道祖(=植芝盛平)と親交があり、いつも、「合気道というのは、『動く禅』だね。合気道がわからんでは禅がわかるわけがない」と、口癖のようにおっしゃっていた。」(植芝吉祥丸)

・・もともと宗教学者であった柳宗悦は、鈴木大拙の学習院大学教授時代の生徒であった

・・ドラッカーは禅画や水墨画を日本の「表現主義」とみなしていた


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