『世界の禅者 ー 鈴木大拙の生涯』(秋月龍珉、岩波同時代ライブラリー、1992)を必要があって再読。じつに32年ぶりのことになる。
鈴木大拙に関心を抱くようになったのは、アメリカにMBA留学していたときのことだ。D.T. Suzuki による ZEN の本は、米国では一般書店でもペーパーバックで簡単に手に入る。それほどポピュラーな存在なのだ。
そんな D.T. Suzuki こと鈴木大拙に多大な関心を抱くようになっていたので、日本に帰国後にこの本を入手して、すぐに一読したのであった。
32年前に線を引いている箇所も踏まえながら、あらためて読み直してみると、あらたな発見も多い。
この本は副題が「鈴木大拙の生涯」となっているが、鈴木大拙が「世界の禅者」になるまでの前半生、とくに出生から米国時代に至るまでと、27歳から38歳までの11年間に及んだ米国時代の鈴木大拙を重点的に取り上げているのがいい。著者は鈴木大拙の弟子で仏教学者。
鈴木大拙については、英文著作を行った D.T. Suzuki という側面に注目すべきではないかと思っている。ちなみに D.T. Suzuki は、大拙=貞太郎=鈴木の英語表記。本名は鈴木貞太郎。大拙は居士号。
岩波書店の「同時代ライブラリー」のシリーズがストップしたあとも、なぜか「岩波現代文庫」で再刊もされていない。思ったほど売れなかったのだろうか? 復刊リクエストがないのだろうか?
不思議というか、意外なことに類書がない。ぜひ再刊すべきであろう。
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・・「吉福自身は、米国人の東洋理解の表層性について苦々しく思っていたらしい。バークレー時代には、日本から送ってもらった鈴木大拙全集を読み込んでいたらしい。」
・・レナード・コーエンも禅師について禅仏教の修行を行っていた
・・タイソンは鈴木大拙(D.T.Suzuki)による序文のついた英語版の『弓と禅』(オイゲン・ヘリゲル)の影響を受けている
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