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2011年7月3日日曜日

「スペイン料理」 の料理本を 3冊紹介


 昨夜(7月2日)は、大学学部時代のゼミナールの仲間が集まって飲食。会場は目黒駅前のスペイン料理店カサ・デ・フジモリ、海鮮料理を中心に赤ワインを楽しみました。最後のパエーリャがたいへん旨かった!

 大学学部時代のわたしの専攻はヨーロッパ中世史、『ハーメルンの笛吹き男』で有名な、いまは亡き阿部謹也先生のゼミナール。

 当日は、奥様を主賓に招き、集まったのメンバーは大学教授や、カトリック司祭、翻訳家に新聞記者と多士済々、しかも半分は女性で、わたしのようなビジネスパーソンはきわめて少数という、ひじょうに面白い集まりです。

 19時から始まって、終わったのは23時。こういう「利害関係のほとんどない人間関係」こそ大事にしたいものですね!


独断と偏見で選んだスペイン料理本 3冊

 というわけで、今回は「地中海料理」を代表する料理の一つである「スペイン料理」の料理本を三冊紹介します。


 『週末はパエリャ名人』(丸山久美、文化出版局、2003)

 日本人にとっては、もっとも代表的なスペイン料理といえば、冒頭にも話題として出した、コメをつかった海鮮料理であるパエーリャ(・・あるいはパエージャ)。

 パエーリャの専用鍋でつくる本格的なパエーリャはじつにうまいものです。本格的にスープからつくるのはたいへんですし、火加減も難しいですが、やってみる価値はあるでしょう。ほんとうは、アウトドアでやる男の料理なのだそうです。




 『タパス-みんなでつまむスペインの喜び-』(おおつき ちひろ、文化出版局、1997)

 スペインのカフェやバールで楽しむ酒の肴がタパス。 

 日本でもタパスを専門にやっている料理店も増えているのでおなじみっでしょう。なんといってもスペインは地中海! 地中海は豊富な海鮮に、オリーブにオリーブオイル。和食ほどではないにせよ、健康志向のたかい人にもお勧めです。なんといっても赤ワインも白ワインもおおいにすすむのがうれしいですね。

 スペイン生まれのカトリック司祭フラガ神父の家庭料理本が近頃復刊されました。


 『フラガ神父の料理帳-スペイン家庭の味-』(セザール・フラガ、池田宗広=版画・挿絵、ドン・ボスコ社、2010 初版は文化出版局から 2001年)

 スペインのガリシア地方出身のカトリック教会サレジオ会の神父が書いた家庭料理の本。23歳で来日して以来、60年近く日本で過ごしてきた神父にとっても、やはり故郷の家庭料理にまさるものなし。新鮮な魚介類が手に入りやすい日本ならではの喜びといえるのかもしれません。

 ただし、ガリシア地方は、ポルトガルの北に位置しており、地中海に面しているわけではありません。


料理本はレシピをみるためだけにあるのではない!

 料理というものは食べるのはもちろん、つくるのも、料理本を見て楽しむのもよし。

 よくできた料理本というものは、ただたんにレシピが書かれているだなく、料理という食文化の背景や、書いた本人のライフヒストリーが思想としてにじみ出てくるのが面白いのです。

 とくに日本人向けに書かれた本格的な料理本は、食文化ごと日本人に紹介したいという著者の熱意を感じるものが多く、しかもレシピはビジュアルな写真でも示されるものがフツーなので(・・日本以外の料理本はかならずしも写真は豊富ではない)、料理本は見て楽しむ本でもあるのです。

 みなさんにも、見て楽しみ、つくって楽しみ、食べて楽しむ、この三拍子を味わってほしいものです。



<ブログ内関連記事>

『檀流クッキング』(檀一雄、中公文庫、1975 単行本初版 1970 現在は文庫が改版で 2002) もまた明確な思想のある料理本だ

『聡明な女は料理がうまい』(桐島洋子、文春文庫、1990 単行本初版 1976) は、明確な思想をもった実用書だ

『きのう何食べた?』(よしなが ふみ、講談社、2007~)
       
『izakaya: The Japanese Pub Cookbook』(Mark Robinson, Kodansha International, 2008) 「英文版 居酒屋料理帖」は、英語で見て読んで楽しむ「居酒屋写真集」+「居酒屋レシピ集」

『こんな料理で男はまいる。』(大竹 まこと、角川書店、2001)は、「聡明な男は料理がうまい」の典型だ


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