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2025年5月26日月曜日

「令和の米騒動」の渦中にあるいま、107年前の「大正の米騒動」だけでなく、238年前の「天命の打ちこわし」を想起すべきだ(2025年5月26日)

 

 2025年(令和7年)のいま、「米価格の高騰」が消費者の生活を圧迫している。端的にいえば、まず目に付くのは「流通問題」である。 

だが、その真因は、総需要に対する総供給の不足にある。つまり根本には「米不足」がある。「減反政策」を継続してきた「政策の失敗」以外のなにものでもない

 一般には107年前の「大正の米騒動」(1918年)のことが言及されることが多い。現在と違って米が文字通り主食であった大正時代、現在よりもその意味合いは大きかったはずだ。 

だが、さらにさかのぼって、現在から238年前の「天明の打ちこわし」を想起すべきだとわたしは言いたいのである。 

「天明の打ちこわし」(1778年)は、「天明7年」の5月20日(新暦だと7月20日)に発生した大機規模な「米騒動」のことだ。特権的米商人や、それに結託した役人に対する怒りが爆発したのだ。 

将軍様のお膝元である江戸で発生した「打ちこわし」は、米価格の高騰が、その日暮らしの一般庶民を直撃したことが引き金となった。 

その年の正月から、わずか半年で米価格はなんと 3倍(!)に高騰したらしい。いくらなんでも、それでは生きていけないではないか!悲観のあまり、自殺者も多くでたという。 

コメつくりをめぐる外部環境としては、4年前の浅間山の大噴火(1784年)による寒冷化が米栽培に東日本では打撃をあたえたこと(・・ただし、西日本では豊作であった)、田沼時代の末期で政治不信と不満が一般庶民に蓄積していたことなどがあげられる。 

だが、そもそも支配者である武士の生活を維持するため、米価格を高く設定したいのが徳川幕府や諸藩。これに対して、米価格はできるだけ低目に安定していてほしいと願う町民たち。この矛盾が背景にあった。 

2020年代の現在でいえば、JA全農と農水省、そして農政族議員たちの「鉄のトライアングル」が握っている利権と、一般消費者との利害対立を想起させるものがある。問題の基本構造は江戸時代と変わらないのだ。 

本所や深川といった下町から始まった「天明の江戸打ちこわし」は、赤坂、日本橋から京橋へと中心部に波及し、物流拠点である浅草、品川にも拡がった。 

旧暦5月20日から始まって4日間で収束したが、そのインパクトは幕政を大きくゆるがすことになる。その後、老中になった松平定信による「寛政の改革」へとつながっていく。 


しかも、「天明の打ちこわし」は「天明7年」のことであり、奇しくもことしが「令和7年」であることに符合している。なにやら因縁めいたものを感じないわけではない。 

NHKでは大河ドラマ『べらぼう』が放送されているが、蔦重こと蔦屋重三郎が生きた時代は、まさに田沼意次から松平定信への政権移行期の前後にわたっていた。

おそらく、放送の後半には「天明の江戸打ちこわし」が登場することだろう。ドラマの伏線として最初から松平定信が登場していることからも、それは推測される。 

「米不足」による「米価格高騰」問題は、いま目の前で進行しているアクチュアルな問題である。大河ドラマ『べらぼう』でどう描かれることになるのか楽しみにしている。 

ただし、「寛政の改革」のような「緊縮財政」には、個人的には賛成できない。デフレ経済の再来は避けなくてはならないからだ。 



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PS 『天明の江戸打ちこわし』(片倉比佐子、新日本新書、2001)

上掲の写真に掲載した『天明の江戸打ちこわし』(片倉比佐子、新日本新書、2001)は、日本共産党系の新日本出版社からでた本だが、イデオロギー色のない良書である。 著者は、東京都公文書館で東京都の歴史の編纂にかかわっていた人であり、実証史学の立場にたっている。このテーマそのものを描いた一般向けの歴史書が見当たらないので、ぜひ復刊を期待したい。


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