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2023年2月1日水曜日

巨樹と神社 ― 東船橋の道祖神社をはじめて実見(2023年2月1日)

 (前面にイチョウ、背面にタブノキ 筆者撮影)


昨日(2023年1月31日)のことだが、ようやく実見することができた東船橋の道祖神社(船橋市)。 

巨樹にへばりつくような神社。といっても、生命力そのものといった巨樹じたいがご神体、といったおもむきだ。 

この巨樹は落葉樹のイチョウ。まさに大銀杏(おおいちょう)だな。建物の裏側には、これまた常緑樹の大木。タブノキだ。 


(タブノキ 筆者撮影)


  
 明治維新の際には「無格社」とされ、のちに意富比神社(=船橋大神宮)に合祀され、飛地境内社となったという。 


(大樹の全景 筆者撮影)


この神社は、ちょうど三つ角に位置している。道祖神だから、村社ですらなかったわけだ。

巨樹というものは、落葉樹のイチョウであれ、常緑樹のタブノキやスギであれ、見ていて畏怖の感に打たれる。というより、単純にすごいなあ、と思ってしまう。 

人間なんか及びもつかない長い年月を生き抜いてきた存在だからだろう。 神が宿る依り代というよりも、すでに神となっているのだ。





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・・道祖神社は船橋駅の近くにもある


・・庚申信仰とサルタヒコの関係は深い


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2016年3月2日水曜日

千葉寺(ちばでら)をはじめて訪問(2016年3月2日)― 境内の巨大な「大銀杏」は千葉県指定の天然記念物!

(海の方向に面している「海上山」千葉寺の正門)

千葉寺(ちばでら)をはじめて訪問した。たまたま京成電鉄の千葉寺駅で下車する用事があり、そのついでに千葉寺まで足を伸ばしてみたのだ。

千葉県に住んでいるので、千葉寺球場という名前はよく耳にしてきたこともあり、球場の前につく「千葉寺」とはなにかが気にはなっていたのである。だが、千葉市の住民ではないので、千葉寺についてはほとんどまったく知らなかった。

千葉寺を訪れたのが平日だったこともあり、境内は静かで誰も人がいなかった。スマホのナビにしたがって歩いたので、正門からではなく墓地のある側面から境内に入っていったのだが、歩いていくうちに目に入ってきたのは巨樹である。

とにかく大きい。巨樹である。巨大な樹木である。巨大なイチョウの木である。大銀杏(おおいちょう)である。といっても大相撲ではない。


(大銀杏は千葉県指定の天然記念物 筆者撮影)


近くに寄ってみると、「千葉県指定 天然記念物」という石碑が建っている。「国の天然記念物」ではないが、千葉県下では有数の大銀杏であることは間違いないようだ。

遠くから見ても巨大だが、近くに寄って見れば、さらにその巨大さが実感される。千葉県市川市の本八幡にある葛飾八幡宮の「千本いちょう」よりもすごい。百聞は一見にしかず、である。

仏教寺院の境内にあるが、注連縄(しめなわ)のかかった巨樹は、まことにもってご神体ともいうべき存在だ。


(幹周りの太さが驚異的な千葉寺の大銀杏 筆者撮影)


となると、この大銀杏がいつ植えられたのかが気になってくる。そのためには、千葉寺そのものの創建について知る必要があるわけだ。


そこで調べてみると、千葉寺は千葉市中央区にある真言宗豊山派の寺院で、山号は海上山本尊は十一面観音であり、坂東三十三観音霊場第29番札所、だそうだ。

千葉寺は「せんようじ」ともいうらしい。浅草寺と書いて「せんそうじ」と呼ぶようなものか。海上山という号があるのは、高台に鎮座しているこの寺院が海の方向に建っているからだろう。ご詠歌には「千葉寺へ 詣る吾が身も たのもしや 岸うつ波に 船ぞうかぶる」とあるので、かつては寺から海が見えたのだろう。千葉港の埋め立ての進んだ現在では、残念ながら千葉寺から海は見えなかったが・・・。

wikipediaの記述には以下のようにある。

寺伝によれば、709年(和銅2年)この地を訪れた行基が十一面観音を安置したのに始まり、聖武天皇の命により千葉寺と称したという。1160年(永暦元年)に堂宇を焼失している。千葉氏の居城である千葉城(亥鼻城)に近いことから千葉氏の祈願所となった。山門は1841年(天保12年)に再建。観音堂は1828年(文政11年)に再建したが、第二次世界大戦で空襲で焼失、1976年(昭和51年)に再建された。

創建は奈良時代の8世紀初頭とある。この大銀杏は行基菩薩が手植えしたという伝説があるが、その真偽は不明である。たとえそれが伝説だとしても、樹齢千年だとしても不思議ではないような大銀杏だ。それにしても空襲さえ乗り越えてサバイバルしたというのがすごいではないか!

(千葉寺の本堂)

ご開帳のときではないので本尊の十一面観音を拝観することはできなかったが、わたしとしてはお寺や仏像そのものよりも、「千葉県指定天然記念物」の大銀杏を拝観できただけでもおおいに意義のある訪問となった。

なにごとも「百聞は一見にしかず」である。この大銀杏を見るためだけでも訪問する価値のあるお寺だと思う。







<関連サイト>

千葉寺(千葉県千葉市中央区千葉寺町161) (関連サイト)


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市川文学散歩 ①-葛飾八幡宮と千本いちょう、そして晩年の永井荷風

銀杏と書いて「イチョウ」と読むか、「ギンナン」と読むか-強烈な匂いで知る日本の秋の風物詩

「東京大学総合研究博物館小石川分館」と「小石川植物園」を散策(2009年7月12日)
・・東大付属の小石川植物園には、「精子発見60周年記念(昭和31年)」のイチョウの大木がある。イチョウの精子は日本人が発見したのだ!


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「櫻木神社」という神社が千葉県野田市にある-すべてを「桜花」の意匠で統一した見事なまでの一貫性

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初詣は船橋大神宮で参拝、そして境内にある"木造の灯台"を見学してきた(2010年1月3日)

2013年の初詣は麻賀多神社(まかた・じんじゃ)にいってきた(2013年1月3日)

辰年(2012年)の初詣は御瀧不動尊(おたき・ふどうそん)にいってきた

(2016年3月17日 情報追加)


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2011年10月28日金曜日

銀杏と書いて「イチョウ」と読むか、「ギンナン」と読むか ― 強烈な匂いで知る日本の秋の風物詩



 良い香りで秋の到来を知らせてくれる代表がキンモクセイであれば、逆に強烈な匂いで秋を感じさせてくれるものはギンナンであろう。

 いまここで「ギンナン」と書いたが漢字で書けば「銀杏」。ひらがなで読めば「イチョウ」である。

 「ギンナン」と「イチョウ」。音の響きはまったく異なるが、ともに秋の風物誌といってよいだろう。

金色(こんじき)の小さき鳥の形して
  いてふ散るなり 夕日の丘に (与謝野晶子)


 倒置法を用いた珍しい形式の和歌である。近代歌人の作品であるから和歌というべきではなく短歌というべきか。「いてふ」とは「イチョウ」のこと。「てふてふ」と書いて「ちょうちょう」(蝶々)と読ませるよりは何土は低いだろう。

 イチョウは黄葉する。詩的にいえば金色(こんじき)である。金色の鳥のような形をして秋の空を舞うイチョウの枯葉。秋である。

 一方、強烈な匂いで地面に目を落とすと、そこら中にギンナンの実が落ちてつぶれているのを目にする。アスファルトの舗道であれば、一面に拡がる白い汚れがいやがおうでも目につくことになる。



 「う~む、臭い」と感じるとともに、「ギンナンか」とクチにしてみる。そして、鍋物にいれて食べる串刺しのギンナンの実を思い出す。

 臭いが旨い。臭いものは旨い。不思議な感覚である。

 ところで、イチョウは雄株と雌株にわかれている面白い植物だ。植物でありながら精子と卵子をもち、花粉からつくられた精子が卵子と受精する生殖活動を行う。そしてできるのがギンナンである。植物でありながら、限りなく動物に近い存在。

 そういえば英語では Ginkgo(ギンコ)というのも、音の響きがなんだか不思議な感じのする植物だ。

 何か気になることがあったら、まずは wikipedia で調べてみる。これは基本動作としたいものである。以下にイチョウの項目から一部引いておこう。

イチョウに関する最初の植物学的な記述は、ケンペルの『廻国奇観 (Amoenitatum exoticarum) 』(1712年)にある Ginkgo, Itsjo で、これは「銀杏」を「ぎんきょう」と読んだ上で、Ginkjo, Itsjo (ギンキョウ、イチョウ)と筆記したつもりのものが、製本時に誤植されてしまったのだとされる。
 しかしリンネは『Mantissa plantarum II』(1771年)にこのまま引用し、Ginkgo を属名とした。1819年には、ゲーテが『西東詩集』のなかで Ginkgo の名を用いている。Ginkgo は発音や筆記に戸惑う綴りでもあり、また植物命名規則73条に従うなら誤植などは訂正すべきだが、いまのところはそのまま用いられつづけている。

 なるほど、ケンペル(・・つづりは Kempfer なので正確にはケンプファー)の『・・』は、日本事情を書いた定番の書籍として欧州ではよく知られたものであったが、スウェーデンの分類学者リンネはケンペルからイチョウをしったわけだ。

 ついでだから、ゲーテの『西東詩集』(West-Osterlich Divan, )も見ておこうか。「いちょう葉」(Gingko Biloba:ギンコ・ビローバ)という学名をタイトルとした詩が収録されている。1815年の作である。

東の邦よりわが庭に移されし
この樹の葉こそは
秘めたる意味を味わわしめて
物識るひとを喜ばす

こは一つの生きたるもの
みずからのうちに分かれしか
二つのものの選び合いて
一つのものと見ゆるにや

かかる問いに答えんに
ふさえる想念(おもい)をわれ見いだせり
おんみ感ぜずや わが歌によりて
われの一つにてまた二つなるを

(出典):『西東詩集』(ゲーテ、小牧健夫訳、岩波文庫、1962)P.128


 イチョウの葉がふたつにわかれていることを詠み込んだ詩だが、「二つなのに一つ」というコンセプトは、プラトン的というか、錬金術的なニュアンスを感じる詩である。ゲーテが思いを寄せていたマリアンヌという人妻への愛を歌ったものでもあるらしい。ゲーテはこの詩を、二枚のイチョウの葉とともに自筆の書簡として贈っている(下の写真)。




 植物学者でもあった博物学のひとゲーテならではの愛の詩でもある。科学者としての側面を抜きにしてゲーテを語るのは片手落ちというものだ。まさにイチョウの葉のごとく、科学精神と文学はゲーテの両輪である。

 科学精神といえば、イチョウの精子を発見したのはなんと日本人である! よほどイチョウは日本人に縁が深い植物なのだな。イチョウの生殖は、高校の生物学の授業で習うことだ。

 種子植物であるイチョウにも精子があることを世界で初めて発見したのは、帝国大学理科大学(現・東京大学理学部)植物学教室に画工として勤務していた平瀬作五郎(1856~1925)で 1896年のことであった。そのことを記念した石碑が、現在は東大に所属する小石川植物園のなかにある。

 明治時代には、専門の教育を受けていない学者が大きな発見を行っている例が少なくない。この記念碑は、ぜひ一度たずねて見てほしいものだ。


 寒くなってきてそろそろ鍋の恋しい季節。ギンナンは鍋物で食べるか、あるいは焼いて塩をつけてビールとともに食べるか。

 「花より団子」ではないが、「枯葉よりギンナン」かな? 

 団子もギンナンも、串に刺すという点は共通しているしね。




<関連サイト>

ゲーテと植物 I 長田敏行 (小石川植物園後援会ニュースレター 第29号)
ゲーテと植物 II 長田敏行 (小石川植物園後援会ニュースレター 第30号)

(2014年5月10日 項目新設)



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枯葉 Les feuilles mortes

キンモクセイの匂いが心地よい秋の一日

葛の花 踏みしだかれて 色あたらし。 この山道をゆきし人あり (釋迢空)

ルカ・パチョーリ、ゲーテ、与謝野鉄幹に共通するものとは?-共通するコンセプトを「見えざるつながり」として抽出する
・・今回のイチョウの記事では意図したわけではないが、奇しくも与謝野晶子とゲーテを一緒に扱ったが、この記事では配偶者であった与謝野鉄幹とゲーテを一緒に扱っている

市川文学散歩 ①-葛飾八幡宮と千本いちょう、そして晩年の永井荷風

(2014年5月10日 情報追加)


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