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2012年12月7日金曜日

書評『OUT OF AFRICA アフリカの奇跡 ー 世界に誇れる日本人ビジネスマンの物語』(佐藤芳之、朝日新聞出版社、2012)ー 規格「外」の日本人が淡々とつづるオリジナルなスゴイ物語


まさに日本人の枠にはまらない、規格「外」の日本人が淡々とつづるスゴイ物語が本書である。こういう生き方の日本人が「戦後」にもいたということを知ることは意味がある。元気がでる本だ。

著者は、日本の外に出たいという押さえがたい気持ちに促されアフリカに渡って50年。ケニアを拠点にケニア・ナッツ・カンパニーを設立し、マカダミアナッツの世界5大カンパニーの一つに育て上げた日本人経営者である。

「志は高く、目線は低く」を貫き、ポジティブ・パワフル・パッショネットのPPP精神で、ビジネスという手段で社会問題の解決を行ってきた人だ。いまでいうソーシャル・ビジネスを実践してきた人である。

利益がでても配当はせず、すべては再投資と従業員への還元に回すという経営を一貫して続けたという。

しかも著者は、日本人はしょせん現地人ではないという諦観のもと、現地人が自立するためには日本人は去るべきだと考えて、自ら創業して育て上げたケニア・ナッツ・カンパニーはただ同然でケニア人たちに譲渡して、またあらたなビジネスに挑戦を開始している。

引き際の美学といっていいのだろか。あまりにもカッコよすぎる。でも、こういう人になりたい、そんな気にさせられる。

「OUT OF AFRICA」 というのは、デンマークの作家カレン・ブリクセン原作の映画化作品のタイトルだ(日本公開版は『愛と哀しみの果て』)。ブリクセンは本書の著者と同じケニアでコーヒー農園を経営していたが、その時代のことを帰国後に小説にしたものだ。日本では『アフリカの日々』として訳されている。

著者は、このタイトルを借りてマカデミア・ナッツの商品化に際してネーミングしたという。商標権の問題はないということを確認したうえでのことである。本書のタイトルもそこから来ている。

アフリカの草原の風を感じる本である。すがすがしい内容の本だ。

だが、アフリカの現実は、なによりも生き抜くこと、食べることがなによりも最優先される「マズローの欲求段階説」でいえば最低限の「生理的欲求(physiological need):食欲・睡眠・性欲」を満たすことが最優先される世界である。

「コンフォート・ゾーン」(comfort zone)という、成熟し飽食状態にある日本とは真逆の世界がアフリカだ。そこでは人間はナマの本性をむき出しにしがちである。著者は、みずから体験した事件や見聞きしたアフリカの厳しい現実についても、さらりと言ってのける。

淡々と語られるのは、著者が「起こるべくして起こること」は、それはそれとして受け取るしかないという人生観からくるものであろう。それもまたアフリカで培われたものであるようだ。本書を読んでいれば、それは十分に納得される。

ほかではまったく読んだことのないようなオリジナルな話である。つまり二番煎じではない、この人だけの物語である。それこそが自分史というものでありライフ・ヒストリー(ストーリー)なのだ。

「志は高く、目線は低く」。この姿勢は、わたしも肝に銘じて生きていきたい。

人生の智恵に充ち満ちた本書は、ぜひ多くの人に一読をすすめたい。




目 次


はじめに 桁外れにスケールの大きな日本人(編集部)
序章 風の吹き始める場所
第1章 アフリカへ
第2章 ケニア・ナッツ・カンパニー
第3章 アフリカってところは!
第4章 失敗から学ぶ
第5章 アフリカが教えてくれたこと
第6章 さらに先へ
第7章 新たなるチャレンジ
終章 アフリカから日本を想う、日本を憂う
おわりに

著者プロフィール   

佐藤芳之(さとう・よしゆき)
1939年生まれ。宮城県志津川町(現・南三陸町)で幼少期を過ごす。1963年、東京外国語大学インド・パキスタン語学科卒業、同年ガーナ大学に留学。1966年から5年間、ケニアで日系繊維企業に勤務。1974年、「ケニア・ナッツ・カンパニー」を起業。2005年、ケニアでバクテリアを利用した公衆衛生事業会社「オーガニック・ソリューションズ・ケニア」を設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。


<関連サイト>

Out of Africa Trailer [HQ] (1985年日本公開時のタイトルは『愛と哀しみの果て』) ・・英語版トレーラー。主演は、メリルストリープとロバート・レッドフォード





<ブログ内関連記事>

書評 『ブルー・セーター-引き裂かれた世界をつなぐ起業家たちの物語-』(ジャクリーン・ノヴォグラッツ、北村陽子訳、英治出版、2010)

書評 『チェンジメーカー-社会起業家が世の中を変える-』(渡邊奈々、日本経済新聞社、2005)

書評 『国をつくるという仕事』(西水美恵子、英治出版、2009)

書評 『中古家電からニッポンが見える Vietnam…China…Afganistan…Nigeria…Bolivia…』(小林 茂、亜紀書房、2010)

おもしろ本の紹介 『アフリカにょろり旅』(青山 潤、講談社文庫、2009)

ゾマホンさん(="2代目そのまんま東")の語るアフリカの本当の姿 (情報)

映画 『シスタースマイル ドミニクの歌』 Soeur Sourire を見てきた
・・ベルギー領コンゴ(=ザイール)

コンラッド『闇の奥』(Heart of Darkness)より、「仕事」について・・・そして「地獄の黙示録」、旧「ベルギー領コンゴ」(ザイール)

書評 『南アフリカの衝撃(日経プレミアシリーズ)』(平野克己、日本経済新聞出版社、2009)-グロ-バリゼーションの光と影

かつてコートジボワールが 「象牙海岸」 とよばれていたことを知ってますか?-2014年FIFAワールドカップ一次リーグでの日本の対戦相手

Παθηματα, Μαθηματα (パテマータ・マテマータ)-人は手痛い失敗経験をつうじて初めて学ぶ

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2010年11月15日月曜日

秋が深まり「どんぐり」の季節に





 秋が深まり、どんぐりの季節に。

♪どんぐり ころころ どんぶりこ・・・お池にはまって さあたいへん

 「どんぐりの背比べ」という表現があるように、規格品のように同じ形で同じ大きさのどんぐりは堅い殻をもったナッツである。英語では acorn という。エイコーンと発音する。
 この季節には、まさに「どんぐりの雨」ともいう表現が適切なほど、大量のどんぐりが落下して、地面にばらまかれている。

 はじめて米国にいって、とにかく驚いて、うれしく思ったのは、いたるところにリスがいることだった。公園でもキャンパスでもリスは実にありふれた存在だ。だが、米国と違って、日本では野生リスを目にすることがほとんどない。どんぐりを両手でもって食べているリスを目にすることがないのは残念だ。

 どんぐりを食べるのはリスだけではない。クマもどんぐりが大好物だ。リスもクマも秋にどんぐりをたっぷり食べてから冬眠に入る。今年2010年はどんぐりが不作なので、クマがなかなか冬眠に入らず人里に現れては問題を起こしているといわれている。どんぐりの不作だけが原因ではないようだが。



 温帯に属する日本や米国、それに欧州と、熱帯や亜熱帯に属する東南アジアとは植生(フローラ)が違うから当然といえば当然だともう。だが一方、コーヒーやカシューナッツ、マカデミアナッツなどのナッツ類は、ベトナムやラオス、またタイやミャンマーなど東南アジアでも、高地では栽培されているから、私が気づいていないだけで、どんぐりは存在するのだろう。

 子どもの頃は、よくどんぐりを大量に拾ってきて保管していたものだが、しばらく時間がたつとかならず固い殻を破ってなにかの幼虫(・・うじ虫?)が這い出てくる。日本にはどんぐりを食べるリスはいなくても、どんぐりに卵を産み付ける虫がいて幼虫が中身を食べるから、どんぐりは生態系の食物連鎖のなかでは、けっしてムダな存在ではないのだろう。


 そういえば、『ドングリと文明』という本があったなと思いだして本棚から取り出してみた。正式なタイトルは、『ドングリと文明-偉大な木が創った1万5000年の人類史-』(ウィリアム・ブライアント・ローガン、岸 由二=監修、山下篤子訳、日経BP、2008)である。

 この本は、食糧としてのどんぐりと、木材としてのオーク材(oak)について、これが人類史においていかに大きな意味をもってきたかを、主に西洋を中心に描いたものである。

 木材としてのオーク材は、バイキング船やウィスキーやワインの樽製造に使用されてきた。

 この本によれば、「どんぐり文化」(balanoculture)という表現で、小麦栽培以前はどんぐりが主食として、人類の生存を支えてきたことを仮説として提示している。実際に、どんぐりは現在でも韓国や地中海の北アフリカでは粉にひいたものを食糧として利用しているようだ。

 あく抜きしてから粉に引いたものは、味は無味乾燥だが、著者が実際に食べてみたところ、ものすごく腹持ちがいいようだ。リスだけでなく、人間もまたこのどんぐりのおかげで餓えを免れていたのである。

 ところで、どんぐりがなるのはオーク(oak)であるが、大きく分けて二種類ある。落葉樹のほうは楢(なら)、常緑樹のほうは樫(かし)と区分している。ちなみにここにあげた写真のどんぐりは、常緑樹の樫(かし)のものである。

 この本に収められた「オーク分布図」をみると、インドは入っていないが、タイからシンガポール、インドネシアまで入っているので、やはり、どんぐりは東南アジアでもあるのだろう。

 残念なことに、この本はケルト以来の西洋文明を中心に語っており、どんぐりを食べていた縄文時代の日本人(・・というより日本という国はなかった頃だから縄文人)の話がちょとしか出てこない。

 西洋文明における小麦に該当するものとしてのコメがあるが、縄文時代の遺跡からどんぐりが出土する話はよく耳にする。弥生人が大陸や半島から稲作をもたらす以前には、日本もまた「どんぐり文化」であったのだ。
 
 「五穀断ち」という修行があるが、基本的に木の実や草の根だけを食べると修行である。ミイラ仏になるための前段階として、米や麦などの五穀を断って、木食(もくじき)に徹する修行である。カラダの内部から脂肪分を抜いていくために、木の実を中心にした食生活であるが、、ミイラ仏が多数作られた東北地方は、縄文文化が濃厚に残っている地域なので、ある意味では不思議ではないのかもしれない。

 一方、スペインには、どんぐりだけを食べさせて育てたイベリコ豚がある。この本を読むと、どんぐりが腹持ちのする栄養ある食物であることを知ることができるので、なるほどと納得させられるのであった。どんぐりを主食としないわれわれも、イベリコ豚をつうじて、間接的にどんぐりを食べていることになる。

 どんぐりの一粒一粒じたいは、何の変哲もない木の実であるが、そこに秘められたパワーと歴史を知ると、穀物栽培以前の人類史について、さらに知りたいという気持ちにさせられるのである。






<ブログ内関連記事>

庄内平野と出羽三山への旅 (12) 庄内平野の湯殿山系「即身仏」(ミイラ仏)を見て回る・・ミイラ仏と木の実を中心の「五穀断ち」について

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