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2013年2月12日火曜日

600年ぶりのローマ法王と巨大組織の後継者選びについて-21世紀の「神の代理人」は激務である



本日(2013年2月12日)のビッグニュースといえば、ローマ教皇ベネディクト16世が今月末の2月28日付で退位するというニュースでしょう。

つい先日には、@Pontifex というツイッターのアカウントを開設して英語のツイートをアップしたことが世界的なニュースになっていたばかりだったのですが。

正確にいうとローマ法王ではなくローマ教皇というべきですが、まさに「神の代理人」としての職務。しかし、85歳の高齢ではとても激務はつとまらないということで、まことにもって英断というべきでしょうか。

金融スキャンダルや性的虐待問題など、グローバルな巨大組織がかかえるさまざまなスキャンダルに対処してきた8年間でしたが、あまりにも複雑化した世の中のなか、カトリックのみならずキリスト教の将来性にも陰りが見えているなか、巨大組織をマネジメントする能力と資格はさらに高度化していると言わねばなりません。

在任中の退位は、600年前のグレゴリウス12世以来とのこと。グレゴリウス12世の場合は、シスマ(=教会大分裂)時代を収拾する役割を果たしての退位であったようですから、同じ退位といっても性格が異なります。

昨日(2月11日)が「建国記念の日」であった日本は、ことしが皇紀2673年(!?)ですが、ローマ教皇庁は歴史的に確定のできる世界最古の巨大組織ですね。すくなくとも1500年以上の歴史があります。

バチカンは、軍隊組織や企業組織のモデルとされてきた「官僚組織」ですから、後継者選びもまたシステム化されているわけです。いわゆるコンクラーベという選定会議です。通常3カ月以上かかるので「根比べ」とか日本人は言ってますが(笑) 長い間、後継者が決定されなくても大丈夫なのは、組織として盤石だからでしょう。

かつて西洋中世史学者の故木村尚三郎氏は、ローマ教皇庁は日本の総合商社のようなものだと言っておりました。その心は、世界中に張り巡らされたネットワーク。ただし組織論的にいえば、分散型組織ではなく中央集権型の組織ではあります。

現在のベネディクト16世はドイツ人ですが、その前のヨハネ・パウロ2世はポーランド人でした。つぎの教皇(法王)は、アフリカかアジアか南米からでしょうか? デモグラフィック(人口統計)の観点からいえば、カトリック信者はヨーロッパはすでに衰退、信者数が伸びているのは、アフリカやアジア、南米ですから、その地域からつぎの後継者を選出することは、信者のモラールアップの観点からいっても、大いに検討されてしかるべきことでしょう。あの米国ですら、すでに黒人の大統領を誕生させているのですから。

宗教組織とはいえど、人間がかかわる以上は、きわめて俗なる関心によって左右されるもの。そういう人間ドラマとしての読み物として、歴史小説家・塩野七生(しおの・ななみ)の『神の代理人』をおすすめします。いまから30年前に読みましたが、ルネサンス時代のローマ教皇たちを描いてこれほど面白い読み物もなかなかないと思います。

塩野七生というと、現在はローマ帝国という連想でしょうが、もともとは『ルネサンスの女たち』でデビューしたことを忘れるべきではありません。わたしは彼女のイタリア・ルネサンスものはほとんど読んでます。

つまらないビジネス書を読むヒマがあったら、はるかに有益な「人間学」である『神の代理人』本を読むことをお薦めします。






<関連サイト>

Papal resignation (教皇退位にかんする wikipedia 項目 日本語版なし)

新ローマ法王の候補者(ウォールストリートジャーナル 2013年2月12日)

ローマ法王(ローマ教皇 Pontif)のラテン語公式アカウント

Pope Benedict’s resignation: See you later - The papal resignation is an ecclesiastical earthquake. How the church interprets it will shape its future  (The Economist Feb 16th 2013)
・・もともと問題発言の多いベネディクト16世であったが、たしかに最後の一発は過激なものであった。引退後の教皇(法王)の名称問題も現時点では未確定だ


P.S. 退位したベネディトス16世は、名誉教皇(名誉法王 Pope emeritus)という名称になったようだ。穏当な表現ではある(2013年3月1日 追記)

P.S. 2013年3月13日(日本時間14日)、意外なことにあっさりと二日目にして新教皇が選出された。フランシスコ1世となる。清貧を旨としたアッシジのフランチェスコ精神で改革に臨むということだろう。76歳とやや高齢だが、南米出身者ははじめて。アルゼンチンのブエノスアイレス出身。イエズス会出身者では初の教皇。いきなりアフリカの黒人が選出ということにはならなかった。新教皇はイタリア系移民なので、バランスのとれた人事といってよいだろう。(2013年3月14日 記す)。


(バチカン公式サイト Holy See より 2013年3月14日)

退位表明直前のローマ法王が神学生たちと共にした夕食会(Foresight 2013年3月12日)
・・「「バチカンでは改革派と保守派の確執が続いてきたが、最近は保守派の巻き返しが激しくなっていた。改革派であるベネディクト16世は身動きがとれなくなる前に身を引き、次の法王選びに影響力を保持しようとしたと私は見ている。コンクラーベに参加する枢機卿の多くはベネディクト16世が任命していて、その人が目を光らせていることは暗黙の圧力になる」と出席した日本人司祭が語っている。教皇は退位して、日本語でいう「法王」となったわけだ。つまり「院政」である。



<ブログ内関連記事>

書評 『想いの軌跡 1975-2012』(塩野七生、新潮社、2012)-塩野七生ファンなら必読の単行本未収録エッセイ集
・・ヨハネ・パウロ一世とヨハネ・パウロ二世という二人のローマ法王(教皇)の選出にかんして書かれたエッセイ二編が収録されている

書評 『バチカン株式会社-金融市場を動かす神の汚れた手-』(ジャンルイージ・ヌッツィ、竹下・ルッジェリ アンナ監訳、花本知子/鈴木真由美訳、柏書房、2010)

書評 『バチカン近現代史-ローマ教皇たちの「近代」との格闘-』(松本佐保、中公新書、2013)-「近代」がすでに終わっている現在、あらためてバチカン生き残りの意味を考える

「祈り、かつ働け」(ora et labora)

「説教と笑い」について

クレド(Credo)とは

書評 『聖母マリア崇拝の謎-「見えない宗教」の人類学-』(山形孝夫、河出ブックス、2010)

書評 『マザー・テレサCEO-驚くべきリーダーシップの原則-』(ルーマ・ボース & ルー・ファウスト、近藤邦雄訳、集英社、2012)-ミッション・ビジョン・バリューが重要だ!

映画 『シスタースマイル ドミニクの歌』 Soeur Sourire を見てきた

書評 『修道院の断食-あなたの人生を豊かにする神秘の7日間-』(ベルンハルト・ミュラー著、ペーター・ゼーヴァルト編、島田道子訳、創元社、2011)

「免罪符」は、ほんとうは「免罪符」じゃない!?

「アラブの春」を引き起こした「ソーシャル・ネットワーク革命」の原型はルターによる「宗教改革」であった!?

「世襲」という 「事業承継」 はけっして容易ではない-それは「権力」をめぐる「覚悟」と「納得」と「信頼」の問題だ!

書評 『経営管理』(野中郁次郎、日経文庫、1985)

賢者が語るのを聴け!-歴史小説家・塩野七生の『マキアヴェッリ語録』より


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2010年11月19日金曜日

書評 『ホッピーで HAPPY ! -ヤンチャ娘が跡取り社長になるまで-』(石渡美奈、文春文庫、2010 単行本初版 2007)




大企業でもベンチャーでもない、中小企業の現実を描いた三代目女性跡取りによる経営者修行の記録

 この本の著者であるホッピーミーナこと石渡美奈副社長、今年2010年の3月に、文庫版の出版と同時に三代目社長に就任したようだ。
 文庫化された機会に、タイトルが単行本出版時の『社長が変われば会社は変わる!』から、『ホッピーで HAPPY!ーヤンチャ娘が跡取り社長になるまで-』と改題したしたことで、ビジネス書のワクを出て一般書に衣替えすることとなった。

 ゼロから立ち上げるベンチャーばかりが話題になるが、実際には中小企業の後継者として奮闘している若手社長が多いのが現実だ。しかも男性だけでなく、女性も少なからずいることは、『跡取り娘の経営学』(白川桃子、日経BP社、2008)で紹介されているとおりである。ホッピーミーナも、この本の第1章「産業再生跡取り娘」の冒頭に取り上げられている。

 この本は、中小企業の社長の一人娘である「お嬢」の半生記であり、また著者自身の経営者修行記であり、そして危機状況にあった会社のなかに入って企業を変身させ、立て直した経営改革の記録でもある。
 社長イコール会社である中小企業においては、なによりも社長自身を売っていくことが重要だ。その意味においては、この本自体が社長のセルフ・ブランディングとなっている。

 また、限られた経営資源のなかで、最大のパフォーマンスを出していかなければならない中小企業の現実を描いた本でもある。ヒト・モノ・カネの経営資源のうち、従業員とのコミュニケーションについては、この本のなかでは失敗体験もつつみ隠さずさらけだし、いかにして会社としての一体感ができあがったかを語っている。その意味では、中小企業経営の生きた事例となっているといえよう。自社製品であるホッピーについては、自らが伝道師として、あますことなく語っている。

 子どもの頃から文章を書くことが好きで、親の会社に入社してから自分のウェブサイトに毎日書いた日記がキッカケとなって会社の宣伝塔になっていったほどの著者のことである、この本は実に面白く、また読ませる内容の本になっている。ホッピーについては、私自身も認識をあらたにさせられた。

 先にも触れたように、限られた経営資源のもと、著者はけっして身の丈知らずの全国展開はせず、東京圏を中心とした展開にとどめている。このため、ホッピーの知名度は、この地域以外では必ずしも高くないだろうが、こういう熱い情熱をもった若手の経営者が実業の世界にいるということを、ビジネス界以外の人も、もっともっと知るべきだろう。

 大企業やベンチャーだけが日本を支えているわけではないのだから。


<初出情報>

■bk1書評「大企業でもベンチャーでもない、中小企業の現実を描いた三代目女性跡取りによる経営者修行の記録」投稿掲載(2010年4月4日)
■amazon書評「大企業でもベンチャーでもない、中小企業の現実を描いた三代目女性跡取りによる経営者修行の記録」投稿掲載(2010年4月4日)

*再録にあたって一部の字句を修正。

なお、この文庫版(2010年刊)は、『社長が変われば会社は変わる!-ホッピー三代目、跡取り娘の体当たり経営改革-』(石渡美奈、阪急コミュニケーションズ、2007)を改題したもの。





目 次

プロローグ 私は空飛ぶ看板娘
第1章 「経営の師匠」との出会い
第2章 嵐吹き荒れる「維新」前夜
第3章 「ホッピー」誕生物語
第4章 跡取り娘の履歴書
第5章 ホッピーの力
第6章 ミーナの新・経営改革
エピローグ 西暦2010年創業100年に向けて


著者プロフィール

石渡美奈(いしわたり・みな)

1968年東京生まれ。1990年立教大学卒業後、大手食品メーカーに入社。1993年に退社。その後広告代理店でのアルバイトを経て、祖父が創業した会社、ホッピービバレッジ(旧コクカ飲料)に97年に入社。広報宣伝を担当。2003年5月から副社長、2010年3月に社長就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)



<関連サイト>

ホッピー・ビバレッジ株式会社 公式サイト
・・ちなみに私は大学時代は東京圏にいたのでホッピーを飲んでいたが、社会人になってからはほとんど飲んでいない。それほど好きというわけではないからだ。ホッピーは痛風の原因となるプリン体がゼロなのでカラダにはいいといわれている。焼酎をホッピーで割って飲むのが通常のスタイルである


<ブログ内関連記事>

書評 『跡取り娘の経営学 (NB online books)』(白河桃子、日経BP社、2008)・・ホッピー・ビバレッジ株式会社・石渡美奈社長が副社長時代に登場している
         
書評 『仕事ができる人の心得』(小山昇、阪急コミュニケーションズ、2001)・・本書の主人公が「経営の師匠」と仰ぐ小山昇の著書





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2010年11月18日木曜日

書評『跡取り娘の経営学 (NB online books)』(白河桃子、日経BP社、2008)-「跡取り娘」たちが背負う日本の中小企業の未来




「跡取り娘」たちが背負う日本の中小企業の未来。彼女たちから元気をもらいたい

 日本全国の法人数は、国税庁のデータによれば約280万社、法人の数だけ社長がいると考えれば、そのうちの約1割を占めるのが女性経営者である。

 女性経営者のなかには、最近よく脚光を浴びているベンチャーの創業経営者もいるが、その多くはスモールビジネスの所有者であろう。

 また、配偶者の死によって事業を継いだオーナー経営者の未亡人や、父親の後を継いで経営者になったものもいる。本書に取り上げられた「跡取り娘」とは、この最後のタイプのことだ。

 人口減少傾向にともなう国内マーケットの縮小は、日本国内で事業活動を行う企業には等しくかかわってくる事業環境に大変化だが、とくに少子化の影響が大きく影響しているのが中小オーナー企業経営である。

 端的にいえば、後継者問題がネックになって廃業する中小企業が後を絶たないのだ。跡取り息子がいない、息子たちがいても事業を継ぎたくない、社内にも後継者が見つからない。こういった声はかつてから存在してきたが、このところ急速に顕在化してきている。

 そこに登場してきたのが本書でその一部が紹介された「跡取り娘」たちなのだ。娘たち自身が、中小オーナー企業の跡取りとして経営にあたっている。

 江戸時代以来、日本の商家では、息子がいてもあえて事業を継がせずに、娘婿をとって事業継承させることが行われてきた。しかしここでいう「跡取り娘」は、従来からある娘婿による跡取りではなく、経営者でもある父親の背中を見て育った娘たち自身が、跡取りとして、「看板」(ブランド)を背負い始めということだ。

 たとえ配偶者がいても、経営者として事業継承したのはあくまでも「跡取り娘」であって婿殿ではない。事業家の娘たちによる、新しい時代の中小オーナー企業経営の波が現れてきたのかもしれない。

 本書に取り上げられた「跡取り娘」たちは以下のとおりだ。目次に沿って掲載しておこう。肩書きは出版当時のもの(敬称略)。

第1章 産業再生跡取り娘
 ●ホッピービバレッジ 取締役副社長 石渡美奈(飲料製造販売)
 ●日本電鍍工業 代表取締役 伊藤麻美(金属メッキ加工)
 ●黄木コーポレーション 代表取締役 黄木綾子(老舗和風旅館)
第2章 跡取り娘のしなやか仕事術
 ●曙 代表取締役社長 細野佳代(和菓子製造販売)
 ●浅野屋 代表取締役社長 浅野まき(パン製造販売)
第3章 伝統文化の守り手として
 ●かめびし 常務取締役 岡田香佳苗(粉末醤油製造販売)
 ●清香園 盆栽家 山田香織(盆栽業)
 ●伊勢由 常務取締役 千谷美恵(呉服屋)
第4章 職人ニッポンの跡取り娘
 ●(株)タナカ シェフパティシエ 田中千尋(カフェ)
 ●京都・丹山酒造 清酒製造部 長谷川渚(酒造業)
 ●亀岡商会 常務取締役 亀岡幸子(ビル経営)
 ●伊藤ウロコ 専務取締役 伊藤嘉奈子(業務用長靴専門店)

 娘が後を継ぐというのは、意外というかやはりというか、オーナー経営者である父親にとっても、実はなかなかそう簡単にすんなりと決められるものではないようだ。

 ほんとうは継いで欲しいのだが、可愛い娘には苦労させたくないし、女性としての幸せも掴んで欲しい、そういった複雑な親心を知ってか知らずか、自分が継がなければ誰が守っていくのかという心意気に燃えた娘たちが後を継いでいるというわけなのだ。なかには、成功しているキャリアを捨ててまで家業を継いだ娘たちもいる。

 本書で紹介された12人のインタビューを行った著者が、最後に7項目にわたって「跡取り娘力」をまとめているので紹介しておこう。「バブル力」、「わがまま力」、「コミュニケーション力」、「「ムダ」力」、「姉妹力、婿取り力」、「よそ者力」、「「品格」美人力」。

 ここに見られるのは、仕事と遊びをつうじて家業以外の世界を幅広く知っている視野の広さや、経営者にとっては不可欠なコミュニケーション能力など、「跡取り娘」たちが、知らず知らずのうちに身につけていたチカラが、経営を継承するにあたっても大きく働いていることだ。

 日本ブランド再生の担い手でもある「跡取り娘」たち。ぜひ一読して、彼女たちから少しでも元気をもらいたいものだ。


<初出情報>

■bk1書評「「跡取り娘」たちが背負う日本の中小企業の未来。彼女たちから元気をもらいたい」投稿掲載(2010年11月17日)
■amazon書評「「跡取り娘」たちが背負う日本の中小企業の未来。彼女たちから元気をもらいたい」投稿掲載(2010年11月17日)



著者プロフィール

白河桃子(しらかわ・とうこ)

東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。少子化ジャーナリスト&ライター。『AERA』『日経ビジネスアソシエ』『プレジデント』、ほか女性誌に未婚、晩婚、少子化や恋愛、女性インタビュー等の記事を執筆。「丸の内OLのための少子化講座」主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)



<書評への付記>

 目を日本から転じて東南アジアをみれば、華僑華人系のビジネスでは、娘が事業の全てあるいは一部を継ぐことはけっして珍しいことではない。

 たとえば、今年(2010年)8月に放映された NHKスペシャル「灼熱アジア 第1回 タイ“脱日入亜”日本企業の試練」でも大々的に取り上げられたサミットグループ、番組では登場場面は少なかったが、会長のソンポーン氏は創業経営者の未亡人だが、経営手腕を存分に発揮してタイでも有数の製造メーカーに育てあげた。
 また、タイ最大の富豪は象印のビール、ビア・チャーンを製造販売するタイ・ビヴァレッジの社長であるが、その娘は現在、グループの資産管理会社の社長を務めている

 これは、台湾でも香港でもシンガポールでも、タイでもマレーシアでも華人世界では当たり前となっている。

 また、欧米のビジネス界でも、男性雑誌のプレイボーイは創業社長の娘が継ぎ、国際的メディアグループでもマードックの娘が継ぐ可能性が高いといわれている。

 要は、能力があれば男女に関係なく後継者に指名するということだ。この点にかんしては、成功している起業家は実にシビアな選択を行っているというべきだろう。

 この点においては、日本はまだまだ発展途上国だ。だが、見方によっては、今後も「跡取り娘」が増えていくものと期待もされるわけであり、大いに期待したいものである。

 本書は「NBオンライン」での連載をまとめて一冊にしたもので、私は連載中から読んでいた。本書自体も出版されてすぐに読んだが、出版から2年後の現在にあえて紹介するのは、その価値があるからである。


<関連サイト>

「跡取り娘」の経営戦略・・本書のもとになった、「NBオンライン」の連載。NB とは日経ビジネスの略

町工場の“星”として活躍する女性経営者 諏訪貴子さん(ダイヤ精機株式会社代表取締役社長 )~「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2013」大賞受賞日本の製造業を支える町工場で数々の経営改革を断行中小製造業の“星”としてものづくりを次世代につなぐ(日経WOMANオンライン 2013年11月25日)

跡取り娘が家業救う 広い視野と経験、経営に生きる (日本経済新聞 2014年1月11日)


「本物の社長を連れてこい」と言われた日 日本電鍍工業社長 伊藤麻美さん(第1回) (インタビュアー:清野由美 日経ビジネスオンライン 2014年1月23日)
歯の神経が潰れるほど食いしばった日々 日本電鍍工業社長 伊藤麻美さん(第2回) (日経ビジネスオンライン 2014年1月30日)
社員と生き残るために「海外に出ない」 日本電鍍工業社長 伊藤麻美さん(第3回) (日経ビジネスオンライン 2014年2月6日)
「子供は放っておけば育つ」とあなたも思いますか 日本電鍍工業社長 伊藤麻美さん(第4回) (日経ビジネスオンライン 2014年2月13日)

・・本書でとりあげられた女性経営者を別のインタビュアーが話を引き出す

シリーズ 星野佳路と考えるファミリービジネス 
「家族経営」が日本を支えている (星野佳路、日経ビジネスオンライン、2014年2月13日)

「私がやります」 帰ってきた跡取り娘 東横イン 黒田麻衣子社長(前編) (日経トップリーダー、2016年12月8日)
跡取り娘、救世主になる 東横イン 黒田麻衣子社長(後編) (日経トップリーダー、2016年12月9日)

(2016年12月9日 情報追加)


<ブログ内関連記事>

「世襲」という 「事業承継」 はけっして容易ではない-それは「権力」をめぐる「覚悟」と「納得」と「信頼」の問題だ!

書評 『日本の血脈』(石井妙子、文春文庫、2013)-「血脈」には明治維新以来の日本近代史が凝縮

書評 『ホッピーで HAPPY ! -ヤンチャ娘が跡取り社長になるまで-』(石渡美奈、文春文庫、2010 単行本初版 2007)

書評 『仕事ができる人の心得』(小山昇、阪急コミュニケーションズ、2001)

書評 『挫折力-一流になれる50の思考・行動術-』(冨山和彦、PHPビジネス新書、2011)

書評 『富の王国 ロスチャイルド』(池内 紀、東洋経済新報社、2008)-エッセイストでドイツ文学者による『物語 ロスチャイルド家の歴史』

(2014年2月13日 項目新設)




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