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2016年4月3日日曜日

「神武天皇二千六百式年祭」に思う(2016年4月3日)

(月岡芳年「大日本名将鑑」より「神武天皇」 wikipediaより)

テレビのニュースでやっていたのではじめて知ったのだが、本日(2016年4月3日)、「神武天皇二千六百式年祭」のために天皇皇后両陛下がご出席されたのだという。

「皇紀二千六百年」というのは知っていても、「神武天皇二千六百式年祭」というのは知らなかった。初代天皇の神武天皇が崩御されてから2600年(!)なのだという。しかも「式年祭」は、大正5年(1916年)以来100年ぶりなのだそうだ。ということは、次回は2116年(!)ということになる。

 「皇紀二千六百年」は昭和15年、すなわち1940年だから、ことし2016年は「皇紀2676年」ということになる。初代の神武天皇は76年間も在位したことになる。ずいぶん長い在位機関でありますねえ。

まあ、あくまでも神話時代の話なので、歴史的な事実ではありませんが・・・。

(八咫烏(やたのからす)に導かれる神武天皇 安達吟光画 wikipediaより)

とはいっても、天皇家にとってはきわめて重要な宮中祭祀なのである。この点が重要だ。天孫降臨で天上世界の高天原(たかまがはら)から地上に降り立った神の子孫が天皇家。その天皇家の祭祀のひとつであり、天皇とはその本質におおいて祭司なのである。

天皇ご自身はもちろん現人神(あらひとがみ)ではないが、神の子孫であることまで否定しているわけではない。これは昭和天皇が敗戦後に「人間宣言」を出された際のお考えであるようだし、今上天皇にかんしても、ご同様のお考えをお持ちであるのだろう。一般人であっても祖先神である氏神を祀るではないか。そう考えれば不思議でもなんでもない。天皇は日本全体の祭司でもある。

と、こんなことを書いてきたが、こういったことを自由に発言できるということはすばらしい世の中ではありませんか! 「皇国史観」が大手を振っていた時代には考えられないことですからねえ。もっとも、この程度の話では「不敬罪」に問われることはなかったようです。タイ王国では現在でも「不敬罪」が存在します。

「戦後」になって日本は悪くなったと声高に主張する人が少なからずおりますが、皇室にかんしても自由な発言ができるようになったことも含め、わたしは「戦後」はけっして悪い時代ではなかったと思います。もちろん、「戦前」がすべて悪かったなど考えもしません

「良いものは良い、悪いものは悪い」、という是々非々の態度で何事にも臨みたいものです。右と左にかんしても同様でしょう。ある特定の思想信条にこりかたまっていては、自由な思考はできません。神話は神話、歴史は歴史、です。

「中庸の徳」というものが大事ですね。






<関連サイト>

神武天皇二千六百年大祭|橿原神宮
・・「記紀において初代天皇とされている神武天皇を祀るため、神武天皇の宮(畝傍橿原宮)があったとされるこの地に、橿原神宮創建の民間有志の請願に感銘を受けた明治天皇により、1890年(明治23年)4月2日に官幣大社として創建された。」(wikipediaの記述より)

<ブログ内関連記事>

皇紀2670年の「紀元節」に、暦(カレンダー)について考えてみる

「是々非々」(ぜぜひひ)という態度は是(ぜ)か非(ひ)か?-「それとこれとは別問題だ」という冷静な態度をもつ「勇気」が必要だ

書評 『「昭和天皇実録」の謎を解く』(半藤一利・保阪正康・御厨貴・磯田道史、文春新書、2015)-「正史」として歴史的に確定した「知られざる昭和天皇像」
・・「みずからを現人神(あらひとがみ)とは考えてはいなかったが、神の末裔としての意識は強く持っていたこと」 これは重要!

書評 『近代日本の右翼思想』(片山杜秀、講談社選書メチエ、2007)-「変革思想」としての「右翼思想」の変容とその終焉のストーリー

「ユートピア」は挫折する運命にある-「未来」に魅力なく、「過去」も美化できない時代を生きるということ

書評 『現代世界と人類学-第三のユマニスムを求めて-』(レヴィ=ストロース、川田順造・渡辺公三訳、サイマル出版会、1986)-人類学的思考に現代がかかえる問題を解決するヒントを探る
・・「神話的思考」と「歴史的思考」についての思索も




(2012年7月3日発売の拙著です)









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2011年11月14日月曜日

日本はトンボの国! ― 秋津あかねの秋津島であった



 昨日、「秋津あかね」の撮影に成功しました。歩道橋のうえに静止していたのをラッキーなことに撮影できました。

 「秋津あかね」なんていうと最近の女の子の名前みたいですが、じつは「赤とんぼ」のことなのですね。

 ちなみに古代では、日本のことは 「秋津島」(あきつしま)といわれていたそうですね。秋津島あるいは秋津洲とも書きますが、そのココロは、日本列島のかたちが「秋津あかね」(=とんぼ)に似ているということ。

 日本を平定した初代天皇の神武天皇がそう言ったからだとか。いわれてみれば、たしかにそんな気もしなくもないですね。いわゆる神武東征ですね。

 『日本書紀』では「大日本豊秋津洲」(おおやまと・とよ・あきつしま)、『古事記』では「大倭豊秋津島」(おおやまと・とよ・あきつしま)という万葉仮名で表記されています。

 「あきつ」というコトバは、ちょっと古語辞典を引いて調べてみましょうか。日本語をよく知るには古語を知るのが第一ですからね。

 『岩波古語辞典』には、あきづ(=蜻蛉)はとんぼの古名とあります。平安時代以降は濁音になったようですが、それ以前はあきつと清音であった、と。『記紀歌謡』にはすでに使われている表現ですので、神武天皇が実在の人物であるかはさておき、歴史のある、また季節感あふれる、うつくしい表現です。

 蜻蛉とかいてトンボと読むこともあれば、カゲロウと読むこともあります。『蜻蛉日記』は『かげろふの日記』とも書きますね。右大将道綱の母。

 「赤とんぼ」というと、どうしても「♫ 夕焼け小焼けの赤とんぼ」ではじまる、詩人・三木露風の作詞による童謡を思い出しますが、同じトンボのことも「秋津あかね」と呼ぶとまた別の連想が展開されることになるわけですね。

 人生も赤とんぼのようにスイスイといければ、それにこしたものはないのですが。とはいえ「花の命は短くて」ではないですが、トンボもセミほどではないですが、たかだか数ヶ月の命。

 何事もスイスイとはいかないようで。




PS 悠仁親王とトンボの生態研究

*悠仁親王殿下は、生物学のなかでもトンボの生態につよいご関心があるようで、環境の整っている筑波大学に進学されることになった生物学は昭和天皇以来の天皇家の学問となっているが、この系譜は秋篠宮殿下を経て悠仁親王に引き継がれることになった。未来の天皇がトンボを研究することは、じつに感慨深いものがある。(2025年9月23日・秋分の日に記す)



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Study nature, not books ! (ルイ・アガシー)

アリの巣をみる-自然観察がすべての出発点!

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書評『天皇家と生物学』(毛利秀雄、朝日選書、2015)― 昭和天皇以来3代にわたる生物学者の系譜。そして4代目への期待

(2014年9月1日、2025年9月23日 情報追加)


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